2016/12/22

ダイアルアップ接続に戻る



長年使い続けたYahoo! BBを解約した。
代わりに「格安SIM」を一枚買い足して、それを携帯型の無線ルーターに入れて使うようにしたのである。
その無線ルーターは実家に持ち込んで、古い方のiPad miniで母がインタネットを使えるようにした。
そうしたつもりだったが、うまくいかない。

これまで母は、古いPC(iMac)でメイルのチェックをやっていて、手動でのネット接続やアプリケーションの操作に、ある程度慣れていた。
それがいきなりタブレットに移行するということには、少なからず無理があったのである。
同じメイカーの製品であるのに、ハードもアプリも使い勝手がまったくちがうので、PCで得た経験は活かせない。
せっかくのiPad miniと無線ルーターは、常時スリープ状態となってしまったのである。

母のもとに電子メイルはそう頻繁にはやってこないので、そんなに困ることはないのだが、必要性はゼロではない。
AirMac内蔵のiMacが、無線ルーターに接続できれば解決するのだが、それもできないのである。
しかたなく、PCでダイアルアップ接続する旧態にもどることに……

もともとダイアルアップ接続はYahoo! BBのオプションだったので、解約した今となっては、そのサービスは使えない。
さてどうするか……といろいろ探してみると「アルファ無料接続サービス」(DTI)というものが見つけ
かった。
無料といっても回線接続料だけは課金されるのだが、3分または4分ごとに10円、というリーズナブルなサービスである。
ウェブに公開されている接続IDとパスを入力すると、すぐに開通した。

ついでに、母の年賀状を作る。
ここ何年ものパターンは、写真を全面に入れ、そこに挨拶文をかぶせるというものである。
今回は銀塩カメラで撮ったプリントが原稿だった。
実家にスキャナはないので、デジタルカメラで接写することにした。
iMacに取り込んで、AppleWorksでレイアウトを行ったのだが、処理速度がむちゃくちゃに遅い。
アイテムをカーソル一つ分移動させるのに、およそ10秒もかかるのであった。





メインの絵柄はタスマニア島の鶏




















一枚ずつひろげて、乾燥中!



















 

2016/12/21

まだ終わってない



ファンクラブから原始メールが来た。
応援のお礼に、景品のタオルが同梱されている。
遠藤選手のメッセージが書き添えられていた。
一瞬感動したが、画像がプリントされているのだった。
























今シーズンの応援ありがとうと書かれているのだが、このことに関しては思い出されることがある。
10年以上も前、ガンバ大阪がまだ一度もタイトルを獲ったことのない頃の話。
近くのスーパーマーケットで、当時監督だったN氏と遭遇した。

女友達とおぼしき人と買い物に来て、レジの出口で彼女を待っているようだったが、声をかけた。
そのシーズンは、もう少しのところでリーグ優勝を逃がしていたので、
「残念でしたね、来季はがんばってください」
と言ったのだが、
「まだ終わってないんだけど」
と関東弁で返されたのである。

まだ全日本選手権のタイトル(天皇杯)を獲れる可能性が残っていたのである。
だから遠藤選手にしても、今季が終わったような言葉を書かされつつも、まだ試合が三つも残っているのになあ……と思っているはずなのである。


 

2016/12/16

スタジアムという宇宙船


中二日あけて再びFIFA CWC(クラブワールドカップ)2016を観に行った。
カイロを倍に増やし、膝掛けも新たに用意した。
後者は純正のタータン(つまりMade in Scotland)で使い始めてから30年以上経つが、まったく古びない。

座席は前回よりもう一段上がり、さらに空に近づいた。
この日はちょうど満月で、それが屋根越しに見えていた。
月が23.5度の傾きで徐々に視界の外へ離れていくのを眺めていると、月ではなくて自分がいるスタジアムの方が回転していると実感された。
ちなみに、スタジアムを遠くから見ると、万博公園に着陸した宇宙船のようである。





屋根の間から見る満月























一試合目に5・6位決定戦が行われた。
全北現代(アジア代表)とマメロディ・サンダウンズ(アフリカ代表)が対戦し、
4-1で全北現代が勝って、5位となった。
この試合でも、南アフリカからやって来たと思われるダウンズのサポーターが声援を送っていた。
その数はわずかに40人ぐらい。
試合終了後、全北の選手たちがそのサポーターたちにわざわざ挨拶をしにいったのが印象的だった。
観衆は5,938人。

二試合目は準決勝戦。
アトレチコ・ナシオナル(南米代表)対鹿島アントラーズ(開催国代表)である。
五分と予想していたのだが、0-3のスコアで鹿島が勝った。
ということで、鹿島の2位以上が確定した。
観衆は15,050人。

現時点で鹿島アントラーズが世界第2位のクラブチームであって、これは日本のクラブでは今までの最高位となる。


 

2016/12/12

天井桟敷





海外出張中で来られないI君の代わりに、クラブワールドカップを観戦させてもらうことになった。
てっぺんから逆に勘定した方が早いぐらい、上方の座席だった。
斜度がきついので、崖っぷちに座っているようだ。
そして、すごく寒い。

寒いのは予想していたので、重装備である。
毛糸のキャップで頭部をおおい、GAMBA柄のマフラーで首をぐるぐる巻きにしてある。
コートは米軍仕様の極寒地用である。
使い捨てのカイロが背中に貼り付けてある。
それでもやはり屋根に近いところは、寒かった。

当日は二試合行われた。
第一試合はアジア代表対北中米カリブ代表で、全北現代(韓国)とクラブ・アメリカ(メキシコ)が対戦。
1-2のスコアでクラブ・アメリカが勝った。
観衆14,587人。

第二試合はアフリカ代表対開催国代表で、マメロディ・サンダウンズと鹿島アントラーズが戦った。
0-2のスコアでアントラーズが勝った。
観衆21,702人。

CWCのような大きなマッチをもってしても、このスタジアムは満員にならないのか?
ということである。
交通不便だし、スタンドまで登山のような階段を強いられる、ユーザ・アンフレンドリーなデザインだからか。
ここのいいところは、スタンドとフィールドが近い、ということのみか。
そんなことを知らないメキシコと南アフリカからのサポーターたちの熱意には頭が下がる。
南アで開催されるCWCにガンバ大阪が出場するとしても、自分はそこまで行けないだろう。

二つの試合の間の1時間半、じっと座っていられなくて、コンコースに下りた。
そこは売店に並ぶ人たちや、自分のようにたんに暇をつぶそうとしている人たちでいっぱいで、寒さをしのぐ助けになったのである。

行き帰りの足はMTBだった。
行きはまあまあ、帰りは顔面が凍りそうなぐらい寒かった。


 


2016/12/10

中途挫折の本


冷え込んできた。
できれば、冬眠したい……。

今日は亡父の命日である。
といっても正確な日時はわかっていない。
独り暮らしのアパートで死んでいるのを、年が明けてから発見したからだ。
このニュースはラジオでも放送されたし、新聞の短い記事にもなった。
第一発見者である私が、警察に知らせたためだ。
メディアのネタにされたことを最初は後悔したが、元新聞記者の父が最期に新聞に載るのも悪いことではなかったと自分を慰めた。
ちなみに、父が亡くなって27年が経つ。

平成28年も、もうすぐ終わる。
思い返せばこの一年、読書を中途挫折することが数度もあった。
集中力が衰えたこともあるが、なにより書いてあることが面白く感じられない。
何ページか読んでも文章に惹かれず、そのうち面白くなってくるだろうと忍耐して読み進むが、やはり続かないのである。
以下、挫折リスト。

・エンジェルメイカー(ニック・ハーカウェイ/早川書房)
・図書館大戦争(ミハイル・エリザーロフ/河出書房新社)
・古書泥棒という職業の男たち(トラヴィス・マクデード/原書房)
・活版印刷の本(手紙社)
・古城ゲーム(ウルズラ・ポツナンスキ/創元文庫)
・ゴールドフィンチ(ドナ・タート/河出書房新社)

 

2016/12/06

ぼくのミステリ・クロニクル



四六判上製本・452頁、税込み2,916円






















最近の本には、たいてい帯がついている。
帯は腰巻きと呼ばれることもある。
買ってきた本の帯を、すぐに捨ててしまう人もいる。
自分は、そのままにしておくのだが……

『ぼくのミステリ・クロニクル』は、東京創元社の社長だった戸川安宣氏の自伝である。
空犬太郎というけったいな名前の編集者が戸川氏から話を聞いてまとめたので、口伝(くでん)とも言える。

戸川氏のブログを読むと、この本の関係者として藤波琴代という人の名前が挙がっていた。
文庫本をつぶして、張り子を作っているという。
そんな張り子のことは『…クロニクル』の本文では言及されていないのだが……

帯をとってみて、張り子の謎は解けた。










後見返しに折込まれた帯の下に、文庫張り子が隠れていた。
戸川氏の立体肖像である。
ブログの一文を目にしなかったら、気がつかずにいただろう。


 

2016/12/05

市の広報を読む



「中核市」というのは、地方自治体に格差をつける制度である。
これに指定された自治体は、都道府県の事務権限の一部を移譲されることになっている。

豊中市は中核市に移行します、と市が広報で発表したのである。
多くの市民が中核市についての知識をもっていなかった。
「とよなか」が「ちゅうかく」に改名するのか、と思われたそうだ(笑)


























「広報とよなか」は優れた情報誌である。
すっきりしたデザインで、とても読みやすい。

公民館でビブリオバトルが行なわれることを知った。
5人が各1冊の本を5分の持ち時間で紹介するゲームである。
20人の観覧者とのディスカッションを行なわれ、5冊の中から1冊だけ「チャンプ本」を選ぶ。
バトルとはいうものの、相手をこきおろしたりはしないそうだ。
話すのは不得手なので、観覧する方で参加してみることにした。

一箱古本市の出店者にも応募した。
みかん箱一個分の古本を持ち寄って売る、という企画である。
箱の大きさに確たる規定はなく、木箱でも段ボール箱でもいいみたいだ。
処分したい本がいっぱいあるので、自分の趣味で集めた本が売れるか、やってみよう!


 

2016/11/14

『鷲は舞い降りた』オリジナル版


ハシゴ高村薫は小学校の三年先輩だった。
その事実を知る前に読んだ作品の舞台が近所だったから興味を持ったのだが、内容には感心せずに読み終わってしまい、それ以後一冊も読んでいない。
失敬な後輩である。




















『鷲は舞い降りた』オリジナル版の古本をAmazonで買った。
本体1円プラス送料257円、ドローン便で配達された。
というのは嘘で、メール便で届いた。
二つの版を比較するために実際に一字一句を読み合わせたわけではないのだが、短時間のうちに数点の相違を発見した。

登場人物のうちオリジナル版でリタァ・ノイマンだった名が、完全版ではリッターと変更されている。
同様にヴァルタァがヴァルターに、というように音引きを極力使わない「菊池光(みつ)節」がゆるめられている。
ウィロビイ卿はウィロビー卿とはならず、サー・ウィロビイになった。
アイルランド語で書かれた本のタイトル〈THE MIDNIGHT COURT〉が『ザ・ミッドナイト・コート』とカナ表記に変えられている。
完全版で『「カイエド・ミラ・フォルチャ」デヴリンがいった。』がオリジナルでは『デヴリンがなにかいった。』とごまかされていて、それがアイルランド語で「十万回の歓迎」であるという説明を、オリジナルでは「歓迎十万」としている点が違う。

登場人物のその後が物語のエピローグとして付け加えられているのが「完全」たる所以なのだが、この部分がなかったとしてもオリジナル版は不完全ではない、と断言できる。

組版は、完全版が一頁41字×18行(738字)であるのに対しオリジナルは43×20(860字)。
文字の大きさは前者が約12.7級(10ポイント相当)、後者は約11.3級(同・9ポ)である。
完全版は活字が大きく読みやすいというふれこみの〈トールサイズ〉だが、個人的官能としてはオリジナルの方が読みやすかった。


 

2016/11/11

入稿スタイル



『毎日新聞』2016年11月9日朝刊




















そうか……林真理子は原稿を手で書いているのだな。
手書きの原稿をファクスで入稿しているのだろうか。
そのことは作家自身のスタイルだからよし、としても新聞社側の担当者たち(入力・校正)は情なか。

ある人は、ワードプロセッサで打ち出したものをファクスで送稿していたらしい。
出版社がそれをまた入力し直しているという無駄を知って、データ入稿に切り替えたという。
目黒考二(北上次郎)だったと思うのだが、定かではない。


 

2016/11/10

『鷲は舞い降りた』完全版


『本の雑誌』に投稿したけれど、ボツになった原稿を復活。
 
△偏固ジャーナル忘月。
今さらやけどジャック・ヒギンズ『鷲は舞い降りた[完全版]』を読んだんは、久しぶりに菊池光節を読みたかったからと、完全版てどやさという興味からである。

比較対照するべきオリジナル版が手元になく、図書館にもなかったので、ミニヴェロ(20インチのロードバイク)を駆ってダウンタウンへ探しに出かけた。
吹田・江坂駅前のBOOKOFFを襲うもヒギンズ作品はまったく姿なし。アシーネの大本と言うべき江坂店へ移動、次いでリブロへとジグザグに歩く。
新刊書店に絶版本があるはずもないがヒギンズもない。
再びロバぢゃなかったヴェロにまたがって北上次郎。
ホクジョウやっちゅうの(南下ゆうてけつかる!)

襲撃目標は天牛書店。
ここが最後の頼みだったのに、まさかのノー・ヒギンズ。
予定になかったポーラ・ゴズリング『逃げるアヒル』(ポケミス版)を買ってしまった。
これはスタローン主演『コブラ』の原作本。
棚の別べつの場所に二冊あったので値段を確認すると、同じ版ながら百円と百五十円だった。
高くて美しい方を買う。
この店で物色していて危険なのは、自分が以前売ったのを忘れている本がいまだにあって、趣味に合うのでまた買ってしまうことだ(爆)。
平成四年の『小説新潮』臨時増刊を見つけ、これも買う。
内容はAll about Shiina、表紙はミラーコートの裏使い。

ヒギンズはいったんあきらめて店を出る。
帰り道沿いに直木賞作家の家があるのでひやかす。
友人(同い年)の姉さん(三つ年上)が同級生だったというんで、作家が同じ小学校の先輩だと後年わかった。その作家とは……

(武田伴兵衛・続きはWEBで59歳プラス1・豊中市) 


2016/10/30

ガンバさよならゲーム






















Jリーグからはがきが届いた。
国際部では、不要になったレプリカユニフォームやコンフィットシャツをスリ・ランカの子どもたちに贈るという活動をしていて、それに協力をしたお礼だった。
ガンバ大阪の2013年のレプリカ(背番号12)とコンフィットシャツ(同・39番USAMI)を送ったのである。

10月29日土曜日はJリーグ1部・第2ステージの第16節がエキスポフットボールパーク(吹田スタジアム)で行なわれた。
ガンバ大阪が、ホームにアルビレックス新潟を迎え撃った。

この日は14:02キックオフのデイゲーム。
MTBにまたがって、11:20に出発。
応援用に着込んだレプリカは、ガンバが最も強かった2014年ヴァージョンのものだ。




「崖っぷち」の新潟はサポーターも必死の応援態勢




















最近には珍しく、アデミウソンが得点して先制。
しかし新潟もCKからラファエルシルバが得点して1-1。

後半になって試合は荒れる。
ラファエルシルバが2回目の警告を受けて退場処分となる。
ガンバは攻め込んでPKを得て、遠藤が決めて2-1。
遠藤は通算100得点を達成。
アシストも100を達成しているので、両方でのセンチュリオンは彼だけだ。

1点リードしていたら、そのまま勝ち逃げしようとするのが、ガンバの悪い癖だ。
負けるとJ2への降格の危険性が高まる新潟も、必死に攻めてくる。
試合時間90分を経過したが、追加時間が6分。
その6分の間に、レオシルバが警告を2回受けて退場処分となった。
その際のタイムロスがさらに加算され、なおも試合は動いた。
新潟ゴール前の密集地帯から、ガンバの呉屋が蹴り込んで3-1。
その直後に終了のホイッスルが吹かれた。
フットボールには珍しい、さよならゲームだ。

リーグカップの決勝(対浦和)といい、この日のゲームといい、やったらできるのである。
つまり、普段は手を抜いている、ということがどうにも腹立たしい。
ディフェンスに戻ってきた岩下と呉宰碩(オジェソク)の出来はよかった。

ホームで試合が行なわれるのはこの日が最後。
試合後のセレモニーで挨拶に立った遠藤が
「来年の元日はスケジュールを空けておいてください」
と言ったものである。
その日、全日本選手権大会の決勝戦が吹田スタジアムで行なわれる。
ガンバはそのフィールドに立てるのか。
そして、天皇杯を獲得することはできるのか。


 

2016/10/25

ポールの告白をおすすめ


ほんとうは『本の雑誌』への投稿用に書いたものだけれど、規定文字数におさめられなかったので、こちらに掲載。
ウェブログ用に改行を増やした。

その「おすすめの一冊」とは、
『ポール・マッカートニー 告白』
ポール・デュ・ノイヤー、奥田祐士訳/DU BOOKS

といっても、おすすめする対象は、マーケティング用語でいうならば非常に小さなセグメントである。
おおむね60歳以上のビートルズファンで、かつポールが一番好きという偏固な人だけだ。
当然だけれど自分がそれに該当する。

ファンのはずなのに知らないことが多すぎるのは、相手が外国にいる人だからだろうか。
著者はマッカートニーを縮めてマッカと呼んでいるのだが、そんなの初めて聞いた。
名前が同じポールだから、あえてそう呼ぶのか。




他にもっとましなショットあったやろうに……


























著者のポール・デュ・ノイヤーは1954年リヴァプール生まれ。
音楽雑誌の記者として、マッカと何度もインタビューし、取材し続けたものを「リミックス」したのが本書である。
原題が「Conversations with McCartney」なので「告白」よりは「対話」といった方がふさわしい。

構成が複雑である。
著者の文章の中にカギ括弧でマッカの言葉が挿入されているかと思えば、括弧なしで過去のインタビューが続く。
リミックスされているので、インタビューの時系列は前後していることがある。
もちろん、空行を設けたりインデントするなどの配慮はあるが、それでも幻惑させられる。

読み始めたころ、文字に濃淡の差のあるのが気になった。
頁によって印刷インクの盛りが多かったり少なかったりしているような感じである。
よく見ると、マッカの発言部分はフォントのウェイトが大きく(=太く)してあったのだが、地の文と比べてL(Light)とR(Regular)ぐらいの僅差なので見分けがつきにくい。
M(Medium)で差をつけるか、別書体にした方が読みやすい。

この本の中には何百という曲名が登場するが、その大部分のレコードが個人コンピュータおよび携帯プレイヤーに入っている。
読みながら曲を検索し、聴きながらまた読む、という非常に楽しい経験をした。
これがもし電書なら、曲名部分をタップして音を出すということは可能なのだろうか。

おすすめのはずなのに、褒め言葉を書かずに終わるとは何たるちゃ。
ポールファンはぜひとも読んでください。

(武田伴兵衛・Nowhere Man 59歳プラス1・豊中市)


 

2016/10/14

本の雑誌2016年11月号



表紙デザインのクレジットは和田誠だが……

























『本の雑誌』第401号を買ってきた。
表紙のデザイン、そろそろ変えたらどうかな。
内容を紹介する手描きの文字が、本の雑誌のイメージをつぶしてる。
沢野ひとしの文字のような味がない。
今号などは「北」の文字に線を書き足して直してあるのがまるわかり。

そもそもは沢野ひとしがカバーイラストにつけた文字に似せて、別人が書いていたものが、だんだん本人の筆跡に近寄っていったということだろう。
フォントにするべきである。




























「三角窓口」というのが読者投稿欄である。
役所のカウンターに立っている三角錐?のパイロンを想像していたこともあったが、実際は仕切りの板にあいた穴が三角形になっているイメージ(by椎名誠)であるようだ。
もっぺん書くけど、業界内幕ものは面白い!
という見出しは、編集部がつけてくれたものだ。
今回採用された原稿は、翻訳出版に関するショートエッセイ。
毎回400字を目標にして書くのだが、たいていオーバーして600ぐらいになる。
修行が足りん。


 

2016/10/13

カメムシの秋


秋口から、カメムシとの戦争が始まった。
ヤツは真上から見ると盾のような形をしていて、頑丈そうである。
思いもしない、アパートの壁の狭い割れ目や、窓枠の隅に張りついていることが多い。

ある時は網戸の隙き間から、室内側に侵入していたヤツがあった。
またある時は、干してあった布団に張りついたヤツに気づかないまま取り入れて、その上で一晩寝てしまったことがある。
翌朝布団をあげると、ぺちゃんこになったヤツが現われてギョっとなったのだが、きれいに処理することができた。
悪臭も発生していなかった。

あまりに数が多いので退治を試みる。
しかし、普通の殺虫剤は効かない。
ゴキブリ用のも効かない。
ひょっとして昆虫の姿を模した超小型の宇宙船ではなかろうか。
(SFの読みすぎや……)

そこで「冷凍殺虫」をうたったのを買ってきた。
これが効く。
3秒ぐらい吹き付けるとヤツは真っ白になって動かなくなる。
解凍されたら再起動するのでは、と恐れたが大丈夫だった。

調子にのってヤツを追っかけていると、冷凍ガスがすぐになくなってしまう。
一缶1,000円ぐらいもするのが玉にキズだ。


 

2016/10/08

電子工作の秋


部品をネットショップで購入した。
小さなモノたちなので「ネコポス」で送ってくれるという。
これの便利なところは、ポストに投函したことをEメイルで知らせてくれることだ。
拙宅のように郵便受けまで4キロも離れている(ウソ)場合は、とても助かる。



ネコポスの姿


お店からのメッセージが箱の裏に……



今回の購入品は、Arduino互換で、しかもBluetooth LE搭載のマイコンボードである。
それに加えてLEDマトリクスを制御するための二次ボード、配線に利用する銅箔のテープも。

自分が思い描いているとおりのものができ上がれば、LEDによる電光のメッセージを、iPadからコントロールできるようになる。
無線で、である。
ほんまにできるんやろうか。
パッケージに印刷されたメッセージにはこうある。
「秋の夜長の電子工作 時間はたっぷりありますよ」


 



2016/10/07

翻訳専攻


『本の雑誌』2016年11月号(10月11日発売)に拙稿が採用された。
発売前なのに、なぜそれがわかるのか?
WEB本の雑誌(webdoku.jp)に新刊予告が出るのだが、読者投稿欄『三角窓口』を紹介する見出しに拙稿の一節が使われていたからである。

「もっぺん書くけど、業界の内幕話は面白い!」
というのがその一節だが、今回のショートエッセイのテーマは翻訳出版なのである。
HカワとKカワの版権争いやら、今は亡き翻訳者の話やら……

 

2016/09/29

65歳の新人賞受賞作


図書館で翻訳小説の棚を渉猟していて『記者魂』というタイトルを見つけた。
早川のポケットミステリで、MWAの最優秀新人賞受賞作だ。
作者はブルース・ダシルヴァ、当時65歳の元新聞記者である。
翻訳からすでに5年経っている。
小説にしろ映画にしろ新聞社が舞台のものが好きなのに(例えば『大統領の陰謀』『クライマーズ・ハイ』)、チェックできていなかった。

『記者魂』の原題は、Rogue Island。
訳せば「ならず者の島」となるが、これは作品の舞台となるロード・アイランド州の仇名ということである。
記者魂ときけば普通は、ニューズソースは明かさない、権力に屈しない、正義を貫く、などの言葉が想起されるが、この作品にそれらを期待すると裏切られる。
ダシルヴァの小説は今のところ『記者魂』一冊で、本国で二作目が出版されたという情報も得ていない。
65歳の処女作で新人賞を受賞して、そのまま終わるのか……?

〈ちょっとネタばらし〉
主人公の記者が情報を得るために複数の偽名を使う。
ジェブ・スチュアート・マグルーダー
チャック・コルソン
ジェイムズ・W・マッコード
それを手伝う後輩記者にはゴードン・リディの名を騙らせる。
「それにしても、ゴードン・リディって誰なんです?」
と若い記者は訊くのだが……
この件り、解説も訳注もないので本ジャーナルが独自に伝えるのであるが、いずれの名も、かのウォーターゲイト事件に関与した人物のものである。
若い記者がそれを知らないという設定は、作者が記者の資質を卑下したいがゆえか、ウォーターゲイト事件が忘れ去られていることを暗示したいがゆえか。

 

2016/09/26

トム・クルーズのSF


気まぐれなブログ。
九月はこれでやっとこさの2エントリーだ。

アメリカンフットボールのプレイに「Hail Mary」と呼ばれるものがある。
タッチダウンを狙って、ロングパスをエンドゾーンに投げ込むのだが、この時に攻撃側のレシーバー(複数)とディフェンダー(同)が両手を天(実際はボール)に向かって差し伸べる様子が「マリア様に幸いあれ(Hail Mary)」と言っているように見えるのである。
ちなみにHail Maryはラテン語では「Ave Maria(アヴェ・マリア)」となる。

『オブリビオン』という映画のソフトが手に入ったので観た。
どんな突飛なイメージもCGで描くことができるようになり、SF映画の内容がよりリアルになったことに感心する。
この映画の主演者はトム・クルーズだ。
『ミッション:インポッシブル』とか『ジャック・リーチャー』とか、いろいろ演る人だ。
桜坂洋の原作を映画化した『オール・ユー・ニード・イズ・キル』にも出ているが、これもSFだ。
意外に出演料は安いらしい。
だから本数をかせいでいるのかな?

『オブリビオン』では架空のスーパーボウルの試合を主人公が語る。
試合終了間際、クォーターバックが逆転を狙うロングパスをエンドゾーンに向かって投げる、というシチュエーションだ。
「観客総立ち」と吹き替えられるのだが、実際の台詞は「Hail Mary」なのである。
翻訳者はアメリカンフットボールを知らない人だったのか、知っているけれども吹き替え用の訳に窮したのか。
QBがロングパスを投げた、ヘイルメアリーだ! ですむところを、知識のない人にもわかる短い言葉で伝えなければならないのだから、仕方のないところだろうか。
「選手が天を仰いだ」ぐらいの訳が欲しかったな。


 

2016/09/11

ガンバ大阪オフィシャルマガジン


2016年9月10日土曜日。
Jリーグ1部第2ステージの第11節のマッチデイ。
エキスポフットボールパークではガンバ大阪対甲府の試合が開催された。

試合前、隣接する商業施設「エキスポシティ」内のツタヤ・ブックストアでガンバ大阪発行のオフィシャルマガジンを買う。
#Gambagram(ガンバグラム)という企画ページがあって、ここはツイッターやインスタグラムを介して読者が写真を投稿する場所である。
taqueda11(タケダイレヴン)という名でツイートしたものが採用された。



通称「Gマガ」第62号の表紙

























銀屋根が影をおとすバックスタンドを写している




















1階のスーパーマーケットで飲食料を買ってスタジアムへ。
クラブのスタッフが誘導するのを無視して、近道を行く。
Jリーグのアドヴァイザーである夏野剛氏も言っているのだが、駅からスタジアムへの道は、あまりにも遠い。

ガンバ大阪対甲府戦。
0-1から逆転し、2-1でガンバが勝った。
ひさびさにフットボールらしいものを観た。


 

2016/08/29

ジャック・リーチャー


映画版のジャック・リーチャーは、トム・クルーズが演じているのだが、自分のイメージにまったく合わない。
そもそも、リーチャーを演じさせたい俳優が思い浮かばないのである。
身長195センチ、体重110キロなのだから、当然トム・クルーズではあり得ない。

1986年作のアメリカ映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』でハイウェイ軍曹役を演じたクリント・イーストウッドがイメージにやや近いが、彼がリーチャーを演じるのは、今となっては無理だ。
ガタイ的にはシュワルツェネガーだが、同様に無理。
ドウェイン・ジョンソンならいけそうなのだが……彼は黒人だ。
いっそジャック・リーチャーは黒人だという設定にすればいいかも。

ジャック・リーチャーの原書シリーズは21作も出ているらしい。
1997年からだから、ほぼ年に一作のペースだ。
そのうち邦訳されたのは7作、しかもアトランダムにである。
出版社(講談社)が熱心でないのは、こういうタイプの翻訳小説を好む読者の数が、そう多くはいないからだろう。
サスペンス、アクション、ミステリの要素が盛り込まれていて、面白いのになあ……

リー・チャイルド著/小林宏明訳
『61時間』(講談社文庫)
上巻:1,037円+下巻:1,037円=2,074円
ページ数のわりには高いぞ!
そして、フォントがジャギジャギじゃ。
カバー(イラストではなく写真)も上下巻で色合わせができてない。
印刷屋、出てこい!























さて、映画版の第一作はJack Reacherというタイトルで公開された(邦題は『アウトロー』とされ、おそらくタイアップで出版するはこびとなった文庫のタイトルも『アウトロー』となった)。
原作シリーズにはそういうタイトルの作品はなく、実際にはOne Shotという作品がベースなのだが、映画第一作ということでリーチャーの名前をフィーチャーしたかったのだろう。
幸いにもこの映画はヒットして、第二作が製作されることになった。

映画版のリーチャー第二作はNever Go Backというタイトルだ。
邦題は『ジャック・リーチャー』。
おいおい、それは第一作の原題やろうが、ややこしいことすんなあ。


 

2016/08/26

ジェフリー・アーチャー


最初に書いておくが、アーチャーは前科者である。
セックススキャンダルで起訴され、裁判で勝訴するものの、その時の証人に虚偽のアリバイを言わせていたことが後に判り、刑務所に入れられることになった。
小悪党、である。
しかしながら、彼の書いた本は面白い。
小悪党としての実体験を活かしている部分も多い。
現在彼は『クリフトン年代記』と題する大河小説を執筆中で、邦訳では第5部が発行されたばかりである。

ジェフリー・アーチャー著/戸田裕之訳
『剣より強し -クリフトン年代記 第5部-』(新潮文庫)
上巻:810円+下巻:767円=1,577円(税込み)
永井淳(故人)の翻訳でないのが残念。






















当初五部構成だった本作は、本国読者の人気を呼び、七部構成に拡大されたという。
金に敏(さと)いアーチャーらしく、売れるだけ売ろうという魂胆か。
1920年ごろから始まる舞台背景は、2020年にまで及ぶそうである。

読者として困ることは、各部ごとのエンディングが、クリフハンガーであることだ。
結末を書かずに終わり、次作まで読者を宙ぶらりんで待たせておく、という手法である。
テレビドラマ(一週間待ち)や文芸誌(一か月待ち)ならばともかく、クリフトン年代記は第4部の翻訳出版から第5部まで、一年三か月もかかったのである。
前作の内容を、すっかり忘れてるっちゅうねん。
第7部が出るまで、積ん読にしといたらよかった。


 

2016/08/22

VIP席で観戦


友人に送ったメールの返信が、来なくなった。
顔を合わせたときに、そのことを指摘すると、返信が必要と思われるものには返している、という答だった。
ちゅうことは俺のメールは、返信不要か……
彼との友情は、見直す必要があるかもしれない。













猛暑の一夕、招かれてフットボールの試合観戦に出かけた。
カードはガンバ大阪対ヴィッセル神戸。
いわゆる阪神ダービーというやつである。
VIPが使う特別室の外側に付設されたシートで観ることができた。
部屋では食事もサーヴィスされ、観戦の環境としてはこの上ない贅沢なものだった。
しかしその雰囲気は、ホームチームが負けたために台無しになってしまった。
The team must always win at home.

場内に選手が紹介されたとき、ガンバの藤春には大きなブーイングが浴びせられた。
それは神戸のサポーターからの声だったのだが、自分も同じ気持ちだった。
藤春のミスがなければ対コロンビア戦は勝っていただろうし、対ナイジェリア戦の失点は4ですんでいたかもしれない。
そもそもJリーグの試合でもさほど役に立っていない選手なのである。
ハリルホジッチにしても手倉森にしても、監督は何を見ているのだろうか。
たんに足が速ければいいのか、左利きならばそれだけでいいのか。
No ambition, no goal.


 


2016/08/19

黒いシュミーズ


こういうタイトルでエントリーするとアクセス率がアップしたりしてw

猛暑の中、墓参りする。
いつもは母と二人で行くのだが、あまりの暑さに彼女はエントリーせず。
墓地は天日をさえぎるものがないので暑い。
墓石は焼けて、水をかけるとジュウと音がする。
濡らしたタオルもあっという間に乾いてしまう。











帰りは地下鉄で日本橋に出て、電子部品屋を巡回する。
共立シリコンハウス、その系列のデジット、マルツパーツ館、などである。
ピンヘッダやら端子やらスイッチを、電子マネーで購入。
デジットのジャンク袋に期待していたのだが、めぼしい袋なし。

それから数日後の正午前、近くの商業施設にて。
一人の女性が目の前に立って、スマートフォンを操作している。
彼女が黒いシュミーズの主である。
目をひかれたのは、それが総レースでなので下着が透けて見えたからだ。
オレンジがかったピンクのショーツが、である。
それって、見せてるん?
よっぽどインタビューをお願いしようかと思ったが、やめておいた。
写真を撮る度胸もなし。
私には、あれは絶対にスカートのはき忘れとしか思えないのだが……


 

2016/08/11

キンドル読み放題


『本の雑誌』2016年9月号に、投稿が採用された。
三か月連載で「打率」アップである。
今号のタイトルは偏固ジャーナルならぬ「変語ジャーナル」。
本にまつわるエピソードをおもしろおかしく。











それはともかく。
インタネット通販のアマゾンが新しいサービスを始めた。
一か月980円の料金で、電子書籍が読み放題になるというものだ。
このサービスには30日の無料お試し期間が付いている。

アマゾンの「無料お試し」については、苦い経験がある。
プレミアム会員(年会費3900円)になると送料が無料になるというので、そのサービスの無料お試しを申し込んだ。
お試し期間が過ぎると自動的に契約締結される仕掛けになっていたのだが、それを知らないまま、年会費を請求されることになってしまった。
ユーザ側のボーンヘッドなのだが、お試し契約の解除に関する約定を明確に提示しないやり方には反感をおぼえた。

今回のアマゾン読み放題サービスは正式には「Kindle Unlimited」というらしい。
このタイトルのついたアイテムだけが読み放題の対象になる。
無料、と聞いてすぐに飛びつくのはいいが「Kindle Unlimited」以外の本は、お試し期間中であっても課金される。
アマゾンのサービスを利用する際は、充分に注意したい。


 

2016/08/04

三度目の正直


一昨年の11月に交通事故の被害者になり、救急搬送された。
年をまたいで3月には、転倒して肋骨を傷めた。
二回とも自転車で走っていたときの事故だった。
乗っていたのはブルネロ(青黒)号と名付けたMTB。



ブルネロ号
















知り合いのマンションで処分されるのを譲ってもらい、青いフレームだけを活かして再生させた車である。
この車は験(げん)が悪い、というわけで「三度目の正直」が起きる前に廃車処分したのである。
ばらばらに分解して、フレームは廃棄。
「GAMBA 12」のカバーがついたホイールは、新たに買ったものだったので残した。

7月下旬の暑い日。
ガンバの試合の応援に行った帰り、自転車同士の衝突事故を起こしてしまった。
暗くて見通しの悪いS字カーブを曲がると、道の左側を逆行してくる自転車があり、よける間もなくコリジョン。
出会い頭、というやつである。
ルールを守って走っていても、ルールを守らないやつに打倒される。
左腰を打ったが、軽傷ですんだ。

実はこの日、古い方のMTBの後輪を、わざわざ「GAMBA 12」ホイールに換装していたのである。
験の悪いのは、このホイールやったんか!
というわけで三度目の事故は起こってしまったのだが、幸いにも大事には至らなかった。
このことを母に話すと、三度目の正直はなかったのだからもう大丈夫、と言うのだが、ほんとうにそうか?




タイヤをブルーにした「GAMBA 12」ホイール














 

2016/07/27

映画の中の自転車


自由民主党の谷垣幹事長が自転車で事故をおこし、頸髄を損傷したとの報道があった。
車輪が二つしかないのだから、こけやすいのは当然だ。
かくいう自分も、わりと最近に続けて事故に遭って、一度は救急車で搬送されたのである。
高校の同級生だったKは、自転車で通勤中に転倒事故をおこし、半身不随となった。
彼はその後消息を断ち、鳴門海峡を見下ろす橋の上で、運転していた自動車だけが発見された。
今もなお行方不明のままである。


自転車をメインのテーマにした映画は、自分の知るかぎりあまりない。
もちろん、ツール・ド・フランスなどのドキュメンタリーを除く。
『自転車泥棒』(ヴィットリオ・デ・シーカ監督作品、1948年)、
『メッセンジャー』(馬場康夫監督作品、1999年)
ぐらいである。

『明日に向って撃て!』(ジョージ・ロイ・ヒル監督作品、1969年)
では主役のポール・ニューマンが自転車に乗って遊ぶ印象的なシーンが描かれている。
無骨な黒塗りの車だった。

自転車好きとして、映画の背景に映り込んでいる車にも目をひかれる。
『ジャッジ 裁かれる判事』(デヴィッド・ドブキン監督作品、2014年)
では、インディアナの片田舎に25年ぶりに帰郷した主人公が、実家のガラージから古い車を引っぱりだして走るシーンがあった。
大いなる興味を持って、その車のダウンチューブにペイントされたメーカーロゴを読み取ると……
日本製のPだった。


 

2016/07/18

礼儀正しいアビスパ、侮辱するガンバ


動かなくても汗がにじみ出てくる。
ニッポンの夏、蒸し暑い夏。
そんな中、7月17日の日曜日にJリーグの試合が開催された。
1部の第2ステージ第4節、ガンバ大阪対アビスパ福岡戦は0-0の引き分け。

福岡は試合開始前の練習のときに、選手が整列してスタジアム各方向に挨拶を行なった。
こんな礼儀正しいチームは珍しい。
私の経験したかぎりでは、ACL戦で万博を訪れた済州ユナイテッド(韓国)とジュビロ磐田ぐらいである。

福岡の選手たちのお辞儀に、北のクルヴァはブーイングで応えた。
メインスタンドにいた私は、恥ずかしくてしかたなかった。
代わりに謝るよ。
ほんま、ごめん。










どんより曇っていて、雨が降りそうな気もしたが、MTBで出かけた。
新バッシュガードを装着してのテストランを兼ねて。
テストが必要だとは思えぬが……












問題はなかった、バイクの側には。
人間側が、最下位のチームから1点も取れなかったことに落胆した結果、帰宅するのに時間がかかった。
勝った試合の後は早いんだが。









2016/07/14

本の扱いについて


チェーンリングガード、またの名をバッシュガードの取り替え作業に着手。
塗装をほどこすか否か考え中……

『本の雑誌』8月号の読者投稿欄に、偏固ジャーナル採用さる。
ここのところ打率低迷だったのが、二か月連載。
まるでイチローみたい。
いや、比べてごめん。

投稿欄は「三角窓口」というタイトルで、その窓口で読者が編集部に質問するという体裁なのだが、みんな好き勝手なことを書いて送り付けているのである。
ちなみに、今回採用された原稿の内容は、本の扱いに関するショートエッセイである。
約600字で、亡父がどんな扱いをしたか、わが同僚がどんな仕打ちをしたかを書いた。







 


2016/07/12

久しぶりのボール盤


ユーロが終焉を迎えた。
もちろんフットボールの方である。
パリのサン・ドニ球技場で決勝戦が行なわれ、ポルトガルが1-0でフランスに勝った。
予想し得なかった結果である。
今後四年間、ポルトガルが欧州チャンピオンの座を保持する。

いつも行くホームセンターがDIYコーナーを無料で貸してくれることになった。
道具も借りることができる。
さっそく、卓上ボール盤を借りに行った。
アルミの円板に穴をいっぱい明けて、自転車のチェーンリングガードを作るためである。

ところが、ボール盤は借りられるがドリルビットは装備されておらず、借りる側が持ち込まなくてはならないということだった。
やむを得ず、金工用のドリルビットをその場で購入。
これで径6ミリの穴を明ける。




150ミリ径のアルミ円板にテンプレートを貼り付けてある





















アルミの円板は以前購入したものである。
ほんとうは144ミリにしたかったのだが、それでは円板からオーダーせねばならず、10倍ほどもコストがかかるので、既成品の150ミリを採用した。

設計図はグラフィック・アプリケーションを使って描き、プリントアウトを材料に直接貼付した。
紙ごと穴を明けてしまうという寸法だ。

2011年の夏に職業訓練校に通っていた。
工場の管理運営を学ぶためである。
結局それは仕事に活かせなかったのだが、モノ作りを実体験することができた。
ボール盤を扱ったのも、そのときのことである。

工場では軍手をはめて作業するものと思っていたら、素手でやれと教わった。
材料や工具に直接触れて負傷するよりも、手袋や衣服が工作機械に巻き込まれて事故を起こす方が危険なのだと後で知った。


 

2016/07/03

iPad miniでテザリング


最近、タブレット端末のことを「板(いた)」と呼ぶようになった……

我が家のISP(インタネット・サーヴィス・プロヴァイダ)は、長年Yahoo! BBである。
とにかく料金が安いところを追求した結果、そうなった。
いまだに12MBのADSLを使っている。
上りではなく、下りが12MBである。
今どきこの値でBB(Broad Band)と呼ぶのも恥ずかしいだろうに。

その12MB ADSLが、最近不調である。
なかなかつながらなくて、イライラさせられることが多くなった。
そんな中、当のYahoo! BBからセールスのメイルが届いた。
もっと高速なシステムに変更したらどうでっか、という勧誘である。
それに変えると、現在の3倍ぐらいの料金がかかってしまう。

こちらにすれば速くなって、さらにお安くなりますよ、というお誘いならば喜んで受けよう。
高いものを買わせてもうけようという魂胆なら、お断りである。
12MB ADSLの調子が悪くなったことと、関係があるのか?

そんな時、思いついたのがテザリングである。
携帯端末をモデムがわりに使って通信する「技」である。

初代のiPad miniをSoftBankで購入するとき「テザリングはどうなさいますか?」と尋ねられた。
考えてないので要りません、と答えたのだ。
テザリングをオプションとして付与すると、毎月の料金が何百円かアップするのである。
その時は、iPad miniをPCのモデムがわりにするという発想もなかった。

やがてiPad miniをiPad mini 2のSIMロックフリーのマシンに買い替えた。
SoftBankは大枚はたいて解約。
DMMモバイルの格安SIMを買って、iPad mini 2にインストールしたのである。
初代iPad miniはWi-Fiを経由してiPad mini 2に接続し、インタネットを共有できるようになった。

このインタネット共有を、PCとの間でもできないか、トライしてみた。
これが思いのほか簡単にできたのである。
PC(Mac mini)のAirMacからiPad mini 2のネットワークを探し、パスを入力するだけだった。
もちろん、12MB ADSLより高速である。
テザリングの追加料金も発生していない。
Yahoo! BB、どうする?


 

2016/06/23

ユーロPK失敗の話


ユーロ2016のグループD・第3節、クロアチア対スペイン戦。

クロアチアのフットボール協会は、前節サポーターが起こした騒ぎの責任を問われ、罰金10万ユーロを科されることになった。
1,400万円ぐらいかな?
選手は気落ちせず(彼らが払うわけぢゃない)、前回チャンピオンに挑んだ。

スペインが1点先行したが、クロアチアが前半のうちに追いついた。
スペインは今大会初の失点である。
後半、スペインがPKをもらう。
キッカーは主将のセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー所属)。

クロアチアの主将スルナが、自軍のベンチに向かって何ごとか言っている。
ラモスと同じクラブチームに所属しているルカ・モドリッチに、ラモスがどちら側に蹴るか尋ねているのだ。
モドリッチからの返事を、スルナがゴールキーパーに伝えた。
そしてキーパーは、ラモスのPKを止めることができたのである。
同点のまま後半も40分を経過した後、クロアチアが1点追加して勝利を収めた。
あのPKが決まっていれば……

そういえば、グループF・第2節のポルトガル対オーストリア戦。
引き分けで終わったのだが、クリスチャーノ・ロナウドがPKを決めていれば、ポルトガルが勝っていた。
彼が蹴ったボールは、ゴールポストに当たってはね返ってしまったのである。
ロナウドもまた、レアル・マドリー所属の選手である。


 


2016/06/20

ユーロ破れた話


ユーロ2016のグループA・第3節。
スイス対フランス戦では珍事があった。

この試合の前半に三人、後半に一人のスイス選手のユニフォームが裂けた。
もちろん、フランスの選手がつかんで引っ張ったからだ。
スイスの方も相手を引っ張っているが、フランスのは破れないのである。
審判がユニフォームを着替えるように命じるのだが、その一瞬間にもゲームは激しく動いているので、選手とチームにとっては大きな迷惑となる。

こうなると、ユニフォームのメーカーの責任問題である。
スイスのは独のP社、フランスのは米のN社の製品である。

さらにこの試合では、独・A社のボールも破裂するアクシデントがあった。
アタッカーとディフェンダーがイーヴンのボールを取り合った際に、アタッカーのシューズのスパイクがボールの縫い目にくい込んでパンクする瞬間をカメラがとらえた。

ユニフォームとボールは破れたが、試合は無得点の引き分けに終わった。


 

ユーロ国歌の話


ユーロは国同士の戦いなので、試合開始の前に両国の国歌が演奏される。

例えばオーストリアの場合。
国歌の作曲者は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトである。
ドイツの国歌は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作曲者である。
どちらもオーストリアの人だけれど。

音楽界のビッグネームが作った国歌は、なるほど格調が高い。
しかし、戦いの前に歌うものとしては、ちょっとおとなしい。
フランスの「ラ・マルセイエーズ」のような歌こそふさわしい。

イングランドは馴染みのある「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」。
今回ユーロ初出場の北アイルランドも同じ曲を使う。
両国が対戦したら、国歌斉唱は一回ですませるか?
 
スペインのには歌詞がないので「国歌」とは言いがたい。
しかし、サポーターたちは演奏に合わせて歌っている。
試合用に特別な歌詞をつけているのかもしれない。

初めて耳にするアイスランドの国歌には、賛美歌が使われていた。
ユーロが国歌の美しさを競う大会なら、優勝候補だ。

個人的に最も好きなのは、ロシア国歌である。
ソヴィエト連邦時代に使われていた、あの曲である。
50年ほど前は、国際競技大会の表彰式で頻繁に聴いたものだ。
曲を売りたければ、ヘヴィ・ローテーションするに限る。



2016/06/19

ユーロ降ってくる話


フットボールは、相当悪い天候でも試合を行なう。
実際に万博記念競技場で、豪雨の日に観戦していたことがある。
スタンドの最前列で、上から流れてくる水にくるぶしが浸かってしまうほどだった。
それでも、雷が鳴ったときだけは危険なので、フィールド上の選手も観客も退避させられる。

ユーロ2016のグループC・第2節。
ウクライナ対北アイルランドの試合がはじまったときは、陽が射していた。
ところが、会場のリヨンに寒冷前線が急接近。
にわかに暗くなった空から、雹(ひょう)が降ってきた。
これは氷でできた弾丸なので、危険である。
というわけで、審判が試合の中断を宣した。
珍しいケースである。

同じくグループD・第2節。
チェコ対クロアチア戦も、はじまったときには晴れていた。
ところが、後半戦の途中にクロアチアのサポーター席から発煙筒が降ってきたのである。
赤々と燃えながら煙を吐き出す筒が、十本以上もフィールドに転がった。
チェコに2点先行して、もう少しがまんしたら勝てる、というシチュエーションで、なぜそんなことをするのかがわからない。
この試合も審判が中断を宣した。
再開後、クロアチアはチェコにPKを与えて、同点に追いつかれた。


2016/06/18

ユーロこぼれ話


ユーロといっても、英国が離脱しよかしよまいかと悩んでいる欧州連合ではない。
イングランドが絶対にその覇者ならんとする欧州フットボール選手権大会(European Football Championship、通称:ユーロ)のことである。

ユーロの開催は四年に一度。
ワールドカップの開催年とは二年ずらしてあり、北半球のワールドカップと呼ばれることもあるのだが、実際にはアジアや北アメリカは含まれていない。
UEFA(欧州蹴球連盟。ユーエフアー、ウエファとも)に所属する国だけが参加する。
フットボールのおいしいところが堪能できる大会なのである。

それはともかく。
試合を見ていると、入れ墨(タトゥー)をしている選手が多くいる。
日本では、その筋のモンが、表からは見えない部分に施すものであるのに対して、外国人のは隠すのが困難な部分にタトゥーを彫っていることが多い。

アルバニアの選手の、耳の直下の首筋にタトゥーがあった。
そのタトゥーは漢字だったので、私にも読めた。
「防止」と彫ってあった。


 

2016/06/17

ガンバもその気になれば


Jリーグ1部は2016年シーズンの第1ステージ(全17節)を15節まで終了した。
いよいよ大詰めである。
そんな中、未消化だった第10節・ガンバ大阪対浦和レッドダイヤモンズ戦が行われた。
わずか四日前の第15節で湘南ベルマーレと情けない引き分け試合を演じたばかりである。
3点取って勝てないとは……
どうせまた、と思いつつもまたスタジアムに出かけていく。

最近やっと自転車でスムーズに行き来できる方法が確立した。
スタジアム付属の駐車場に置くと、帰りは人波にさえぎられて出られない。
そこで、最寄りのモノレール駅の直下に置いて、スタジアムまで歩くことにした。



MTBを鉄柵にしばりつけておく




















当日の服装。
濃紺色のポロシャツ、白い帽子(野球帽タイプ)。
日本では古来「褐色(かちいろ)」と呼ばれる色がある。
「勝ち」につながるその色が、濃い紺色なのだ。
そして白い帽子はもちろん「白星」を意味している。




最大音量・最強調和のレッズ応援団





















応援に関しては、ガンバはレッズに勝てない。
みんなの声がぴったり合っているし、ボリュームが非常に大きい。
当日は、それを覚悟して耳栓を右側の耳に押し込んでおいた。
そうしておいてさえ、ガンバの応援団よりも大きい音で聞こえてくるので、レッズの応援に拍手のリズムを合わせてしまいそうになる。

試合は、1-0(得点者:宇佐美貴史)でガンバが勝った。
四日前の湘南戦とはうって変わって、観る価値のある好ゲームだった。
このカードが「ナショナル・ダービー」と呼ばれるようになったほどに、浦和レッズはガンバ大阪にとって好敵手である。
この相手にだけは負けたくない、そんな気になれば強豪レッズには勝てるのに、なぜ下位の下のチームに勝てないのか。


 

2016/06/14

キックオフがなくなる?


2016年3月に国際フットボール評議会がルールの改訂を行い、6月から2年間試行されることになった。
日本ではキリンカップサッカーから新ルールが適用されたので、違和感を持たれた人がいるかもしれない。

フットボールはラグビーなどとは違って非常にシンプルなルールのゲームだと思っていたけれど、ルールを整備すればするほど、ルールブックの厚みが増していく。
ルールが増えれば審判が笛を吹く回数も増えていく。
審判なしで試合をした方がスムーズにいくのではないかと思うことさえある。
(アルティメットという競技には審判がつかないらしい)

それはともかく。
今回の改訂による変更の大きなものの一つに「キックオフはどの方向に蹴ってもいい」がある。
これまでは、キックオフの権利を持ったチームの3人だけがセンターサークルに入ることを許され、必ずセンターラインを越えて相手陣地にボールを蹴り入れることになっていた。
(近年は、一人がちょんと蹴り入れて、もう一人がうしろに戻すというスタイルが主流になっていた)
新ルールでは前に蹴らなくてもいいので、キックオフは一人で真うしろに行なえばいいのである。

相手のサイドに蹴り出す、という意味でそう呼ぶのなら、これはもはやキックオフではなく「キック・オン」とちゃう?


 

2016/06/12

読書の原点を探せ!


『本の雑誌』2016年7月号の特集テーマは「読書の原点を探せ!」。
子どもの頃にどんな本を読んでいたのか、さまざまな人の話。

小生は昔から翻訳ものが好きで、シャーロック・ホームズ譚やH・G・ウェルズ、ヴェルヌ、名前も憶えていないソ連の作家のSFなどを読んでいた。
ロビン・フッドやアーサー王と円卓の騎士の物語に触れたのも、その頃だ。

7月号の読者投稿欄に拙稿が採用された。
打率(採用率)が低迷していたが、久しぶりのヒットだ。
今回はトム・ボウマンの『ドライ・ボーンズ』(ハヤカワ・ミステリ文庫)に関するお話。



















 

吹田スタジアムで3試合


吹田スタジアム、あるいは吹スタという略称が浸透しつつある。
6月7日火曜日、ここで初めての国際Aマッチが開催された。
記念すべき最初の試合は日本代表戦ではなく、デンマーク代表対ブルガリア代表だった。

キリンカップサッカー2016の第3位決定戦は、デンマーク 4-0 ブルガリア。
2試合で11失点したブルガリアは、顔をあげて国に帰れまい。

決勝戦は日本代表対ボスニア・ヘルツェゴヴィナ代表。
若い浅野は最期にへこたれてシュートを撃てず、日本 1-2 ボスニア・ヘルツェゴヴィナ。
このスタジアムでホームチームが快勝するのを、まだ見ていない。

当日の模様をダイジェストで。
ほんとうはiPad miniを三脚に固定するべきだけれども、全てのカットを手持ちで撮影した。
だから、画角がまちまちだけれど、そのままつないでストップモーションビデオにしてみた。


▼KIRIN CUP SOCCER 2016, Day 2 digest



2016年J1第15節、ガンバ大阪対湘南ベルマーレ、間もなくキックオフ


6月11日土曜日にはリーグ戦。
ガンバ大阪対湘南ベルマーレはJ1第15節。
0-1、1-1/2-1、2-2、3-2と推移して、3-3で終了。
ガンバは苦労して3点取るも、相手に三つのクリーンシュートを許して追いつかれた。
攻撃にAmbitionなく、守備はなまぬるい。




2016/06/04

キリンカップサッカー2016準決勝


Japan Football Association(JFA)→日本サッカー協会
つまり、フットボールを日本ではサッカーと翻訳するんかい!と思っていたけれど、キリンカップサッカーの英文表記は「KIRIN CUP SOCCER」となっている。
(当然ながら……サッカーはsoccerという語の日本語読みである)
ちなみに、中国語でフットボールは、フット=足+ボール=球ということで「足球」と書く。
ソッキュー、はなんとかくサッカーに語感が似ている。
それがどやさ。

2016年6月3日、金曜日。
愛知県の豊田スタジアム(フットボール専用)で、キリンカップサッカーの準決勝戦2試合が行われた。
参加するのが4チームなので、最初の試合がいきなりセミファイナルだ。
その第1試合が、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表対デンマーク代表だった。
少数の人しか観ていないと思うので、簡単にレポートしておこう。簡単に。

ボスニア・ヘルツェゴビナといえば、まずエディン・ジェコ選手(元・英国プレミアリーグのマンチェスター・シティ所属)を思い出す。
今シーズンはイタリア・セリエAのローマで過ごしたが、キリンカップには怪我のため出場していない。
残念。
デンマークのゴールキーパーは、キャスパー・シュマイケル選手。
英国プレミアリーグの現チャンピオンであるレスター・シティに所属している。
背番号10のミッドフィルダーは、同じくトットナムに所属するエリクセン選手。
つまり、プレミアリーグで観たことのある選手以外は、ほとんど知らない……

試合は0-2、2-2と推移。
デンマークが2点先行し、ボスニア・ヘルツェゴビナが2点入れて追いついた。
キリンカップでは延長戦は行わず、決勝戦への進出資格をジャンケン、ぢゃなかったペナルティキック戦で争う。 シュマイケルが一本止めて優位に立ったが、同僚2名が失敗。
最後の一本を、シュマイケルは動きすぎて止められず、万事休した。

さて、第2試合はみなさんご存知のとおり日本代表が勝った。
決勝戦は日本代表対ボスニア・ヘルツェゴビナ代表、第3位決定戦はデンマーク代表対ブルガリア代表という取組で6月7日火曜日に行われる。
日本代表は自らの監督の母国を打ち負かして、ワールドカップ予選へのはずみとしたいだろうが、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表はかなりしぶとい相手である。
なにしろ、ボスニア・ヘルツェゴビナは準決勝戦の後半の途中で一選手が退場になってから、点をとって追いついているのだ。

一方、負けた者同士の対決となったデンマーク対ブルガリアだが、こんな好カード。
欧州選手権(通称:ユーロ)かワールドカップでしか観られまへんで。
スタジアムはエキスポ・フットボールパーク(正しくは市立吹田サッカースタジアム)、日本代表戦を開催するのはもちろん初めてである。

 

2016/06/01

翻訳専攻・2


以前読んだことのある翻訳作品を、新訳で読み直すには勇気がいる。
気に入って何度も読んだ『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン著、福島正実訳、ハヤカワ文庫)には、同じ出版社の2009年版新訳が存在する。
書店でちらっと見かけたが、まだ第三種接近遭遇を行っていない。
そやかて、怖いやん。
名前を聞いたこともない訳者やし。

その点で、レイモンド・チャンドラー作品の新訳は違う。
訳者が村上春樹だったので、すんなりと手にとって読むことができたのである。

四十年ぐらい前に、夢中で読んでいた警察小説がある。
刑事マルティン・ベックの物語である。
角川文庫から出ていたこのシリーズは全部で10冊あった。
作者はスウェーデン人で、マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールーというカップルだった。
日暮修一の装幀もスタイリッシュで気に入っていた。
後年、10冊まとめて古書店に売ってしまったけどね……

最近になって、マルティン・ベックにも新訳が出たのである。
漏れ聞くところによると、本国で復刊されてブームが再燃したらしい。
新訳はそれに便乗したのだろう。
旧訳は英米文学翻訳家の高見浩が、英訳版を翻訳したものだったのだが、新訳はスウェーデン語から直接日本語に翻訳したものである。




図書館の書庫に眠っていた『ロゼアンナ』



新訳版『ロセアンナ』(角川文庫)





















『ROSEANNA』(原題)は、シリーズの第一作である。
高見浩訳ではこれを『ロアンナ』、新訳では『ロアンナ』としているところが違う。
新訳者は、スウェーデン語の発音では濁らないのだと言うのだが『ROSEANNA』は固有名詞で、アメリカ人女性の名前なのである。
彼女の名が最初に登場するとき、それをマルティン・ベックに口伝えするのはアメリカの人なのである。
当然『ロアンナ』とすべきである。
残念。


 

2016/05/30

翻訳専攻


翻訳小説を専門に読んでいる、っていう意味です。
菊池光、永井淳、高見浩などのベテラン訳者が続々と鬼籍に入り、今や日本の翻訳界は「乱世」である。
新人翻訳者が使う日本語そのものが乱れていると思うのである。

訳語のセンスも悪いと思う。
例えば……ケン・フォレットの『巨人たちの落日』『凍てつく世界』『永遠の始まり』の三連作には「The Century Trilogy」という冠がついているのだが、これを「百年三部作」と訳している。
百年には違いない。
しかしどこの百年か?
『巨人…』で第一次世界大戦、『凍てつく…』で第二次世界大戦、『永遠…』で冷戦、が中心テーマとして描かれているのだから、ここは『20世紀三部作』と訳してもらった方が腑に落ちるのである。

そういえば、読んでいて腑に落ちない箇所に、よく出会う。
意味がよくわからない文章、誤解を招く読点の使い方などがあって、その部分でつかえて先へ進めなくなってしまう。
訳している本人は理解できているのだろうか。
それとも理解できないまま訳語だけを順番に並べているのだろうか。

校正も行き届いていないと思う。
『永遠の始まり』には「発砲ワイン」という間違いがあった。
これほどありがちなミスを見過ごすとは……
また別のページには、
『…ダヌタ及びで保安官彼女の友人が…』
という文が出てくる。
ダヌタは女性の名前で、
『…ダヌタ及び彼女の友人が…』
が正しく、「で保安官」という部分が余分である。



図書館から借り出し。J.F.ケネディ(左)とキング牧師

ジョン・レノンとベルリンの壁。合計四巻の大部


































 

2016/05/15

四年ぶりのリーグ戦


ガンバ大阪とジュビロ磐田の間には因縁がある。
2012年3月25日、シーズン開幕後間もないJ1で対戦。
この時点ですでにガンバには監督解任の危機が訪れていた。



当日、クルヴァに掲げられた「責任問題発生中!!」の横断幕(万博記念競技場)


















そしてこの日、ジュビロの前田遼一選手(現在はFC東京所属)にシーズン初得点を許してしまう。
彼が初ゴールを奪ったチームは降格するというジンクス通り、ガンバはJ2に降格することになる。
奇しくも降格が確定した敗戦の相手もジュビロだった。
「J2降格なんて、まったくイメージしていない」と言い続けた当時の金森社長は、アウェイの地でガンバサポーターから罵声とペットボトルを投げつけられたという。

ガンバは2013年シーズンにJ2で優勝してJ1に返り咲く。
一方、ジュビロはJ1の17位に沈み、降格。
ジュビロはJ1に戻ってくるのに2年を要したため、再び対戦するのに長い時間がかかった。
2016年5月13日金曜日。
J1第12節、ガンバ大阪対ジュビロ磐田は四年ぶりのリーグ戦となった。

新しいホームスタジアムに観戦しに来ているサポーターたちは、ここで二か月も勝ち試合を観ていない。
アウェイの前節においても無得点(引き分け)という不甲斐ない結果に終わっている。
今節負けたりすることがあれば「責任問題発生中!!」となりかねない雰囲気があった。

その雰囲気を払拭したのが、#7遠藤選手の決勝ゴールだった。
この日長谷川監督が選択したシステムは、攻撃的な4-2-4。
なんとFWが四人の構成で、パトリック、アデミウソン、宇佐美につづく第四のFWが遠藤だったのである。
ゴール後に、あんなにはしゃぐ遠藤を、これまでに見たことがない。




ジュビロ戦キックオフ前のクルヴァ(吹田スタジアム)




















試合終了後、ジュビロのイレヴンは南のクルヴァに挨拶した後、メインスタンドの前でも整列して、我々の拍手を浴びたのである。
リーグ戦において、これは珍しい光景である。

試合後「万博記念公園」駅まで歩く。
この日、MTBを駅の下に駐車してあった。
スタジアムの駐車場に置くと、帰り客の雑踏を突破して帰るのは不可能だからだ。
駅から自宅まで、休む必要なく走ることができたのは、贔屓チームが試合に勝って脳内麻薬が出たからだろう。


 

2016/05/05

頭文字Gの憎いやつ



五月に入って、ようやくガス・ストウヴをしまった。
これほど肌寒い日が続く春もめずらしい。

暖かくなってくるのと同時に、あの害虫が姿を現わし始めた。
ハリー・ポッターと同じように、その名を口にするのもはばかられる、頭文字Gの虫である。

さっそく台所に現われた一匹を追いかけたが、あいにく見失ってしまった。
いつまた現われるかと思うと、夜も落ち着いて眠れない。
まる一日ぐらい経った頃に、少し離れた場所に出現したやつを、殺虫剤を噴霧して退治した。
困るのは、こやつがきのうのと同じやつか判らない、ということである。
ネットの評判を読んで「ブラックキャップ」を2ダース買ってきて、家中にばらまいた。
その名のとおり黒いので、これを見てもドキっとしてしまうのである。

家の中だけでなく、外の壁を這っているやつもいた。
目撃した以上、ほうっておけないので、殺虫剤をもって追う。
同じ日に二匹を退治した。
翌日にもまた二匹。
自分よりもはるかに小さな虫だからいいが、もし映画のエイリアンだったら大変だ。

この虫がよくトイレに現われるのが不思議でならなかった。
用を足しに入ると、そこに待ち受けている、ということが再三あったのである。
そしてついに、換気口の細い隙き間から侵入しようとしている現場を目撃した。

とりあえず、内側から換気口を封鎖。
換気扇が使えなくなるが、Gが入ってくるよりはましだ。
100円ショップで網を見つけて買ってくる。
ほんとうは料理に使うシートなのだが、これで換気口を覆う作戦だ。
あまりに目のつまった網だと、換気効率が悪くなる。
5ミリのグリッドなら、成虫は防げるだろう。

頼むから、入って来んといて。




換気扇のカヴァの内側にネットを貼った




















表側。このスリットをGがすり抜けて侵入したのである




















 

2016/04/30

観る価値はありません


四月になって、やっと二回目のジャーナル更新。

試合の日、ほぼ一年ぶりに自転車でスタジアムまで走る。
久しぶりなので、ちょっとキツい……

途中で、後援会仲間のMさんに偶然出会う。
いや、彼女もスタジアムに行くつもりだろうから、偶然とも言えない。

Mさんは、スタジアムへの経路を案内している若い男に詰め寄っている。
君が指示している道でなくても行けるぢゃないの、という訳なのである。

実のところ、その道は「山岳コース」と言うべきもので、アップダウンが大きくて距離も長い。
一方、小生とMさんが行こうとしている道は、ほとんど平坦で距離的にも短い。
クラブが雇ったと思われる男は、あくまでも遠く険しい道を行かせたいらしい。

そうはいくか、とMさんと小生は(自転車を押しながら)近道を行く。
自転車が変わりましたね、とMさんが言う。
そうそう、前の青いバイク(後輪にカヴァを付けて「GAMBA 12」の文字をプリントした)で続けて二回事故に遭ったので、験をかついで廃車したのである。
というわけで、この日乗っていたのはシルバーカラーのMTB。

Mさんとは席が別なので、ゲートの前で別れる。
クラブが指定する自転車置き場にMTBをとめて入場。
キックオフまでにはまだたっぷり一時間以上、スタジアムの雰囲気を楽しむことができる。

試合は、Jリーグ1部の第9節、ガンバ大阪対川崎フロンターレである。
予想した通り、ガンバはよれよれのゲーム運び。
審判がPKを見逃がしてくれて助かったのに、大久保選手に頭で決められて1-0。
リーグ通算162得点は史上最高である。




南のクルヴァを埋め尽くした川崎のサポーターたち





















宇佐美選手と大久保選手との間で喧嘩騒ぎがあった。
試合の最中に相手の手が顔に当たって怪我をするなんて、よくあることなのに、激昂するのは宇佐美選手の方が子どもじみている。
試合は1-0のままで終了。
もはや観る価値もありません。

観る価値のあるのは新築したスタジアムだが、おなじみになってしまえば、珍しさもそこで終わる。

とぼとぼと帰途につく。
クラブが指定する自転車の帰り道は、歩行者がふさいでしまっていて、通れない。
無理をして、自転車を押して歩行者の列に入っていく人がいるが、危険なのである。
反対側の指定路も同様であった。
クラブ側がバリケードを設け、しかも「通り抜けできません」と嘘を書いた道を行く。
この道を行けば車道に出られることは、以前に走ったことがあるので知っている。
かなりの回り道になるが、渋滞なく走ることができた。



 

2016/04/04

中村俊輔選手のFK


友人のJ君に招待されて、吹田スタジアムにてフットボール観戦。
ついつい選手かコーチの目線で観てしまうので、純粋にはゲームを楽しめないでいる。
いらいらするので観に行くのをやめようかと思うのだが、やめられない。

 世の中に
 たえてフットボールのなかりせば
 シーズンの心はのどけからまし
 (字余り)

2016年の第1ステージ第5節、ガンバ大阪対横浜戦。
第1ステージといえば。
17試合戦った時点でトップのチームを決めることに、何の意味がある。

それはともかく。
かぶりつきの席のチケットをいただいた。
ふだんは、ゲームに集中するために携帯端末を操作しないようにしているのだが、この日は間近で中村俊輔のキックが観られるとあって、禁を解いた。




撮影しているところをTVカメラに抜かれた





















前半戦の終わり近くに、横浜がFKを獲得。
ヴァイタルエリアでファウルしたらあかんっちゅうのに。
案の定、中村選手に見事なゴールを許してしまった。
真横から観たその弾道の、きれいだったこと。
翌朝YouTubeで、彼のスコットランド時代のものも合わせて、ゴールを見返した。
感動して涙が出た。




▼中村俊輔選手のFKゴール
https://youtu.be/XL5Itj3y_O4



2016/03/31

アップルのキーボード


実家のiMacは我がお古だが、それをときどき母が使っている。
電子メイルの送受信をしているらしいのだが、入力がうまくいかないと言ってきた。
キーを打ってもディスプレイに文字が表示されない(無反応)、
表示されるまでに時間がかかる(出力遅延)、
作った文章が、全部消えてしまう(データ消失)、など。

それって認知症やろ。
マシン自体が15年ぐらい前のモデルなので、能力が衰えてきているのかもしれない。
母には、すでにiPad miniのお古も渡してあって、タブレット端末の使用を勧めているのだが、まだ慣れないようである。
とりあえず、iMacのキーボードを掃除してみることにした。




US English版キーボード。ローマ字入力に「かな」キーは不要!






















キーの表面が手垢で汚れるのはもちろん、キーの下には小さなゴミがいっぱいたまっている。
個々のキーは電気信号を送信するためのスイッチなので、そのゴミが接触不良を引き起こしているのかもしれない。
キーごしに掃除機をかけるのも一つの方法だが、徹底的にやるためにキーを取り除く。
元の場所にキーを配置するために、あらかじめ写真を撮っておく。

キーボードの掃除は昔からやっていたが、デジタルカメラの出現以前はキーボードを複写機のガラスに載せてコピーをとっていた。
ブラインドタッチの練習も、コピーした紙のキーボードでやったものだ。

話は脇にそれるが……
キーボードには「ホームポジション」が設けられていて、その場所を人差し指で触れて確認しておけば、キーを見なくても目標の文字が入力できる。
小生が練習をしていたのはIBMのマシンだったので、付属のキーボードのホームポジションは「F」と「J」だった。
この二つのキーだけに小さな突起がついているのである。
(テンキーの「5」にも同様の突起あり)

iMac以前のMacintoshに付いていたキーボードは「D」と「K」のキーに突起が設定されていた。
FとJでなければ使いにくいのである。
そこで一計を案じた。

ある日同僚が小生のマシンを使わせてくれと言ってきた。
彼はブラインド入力ができないので、キーを見ながら打っていたのだが、
「これは使えません、キーボードが変です」と言う。
すまんすまんと小生は答える。
D・KとF・Jのキーを取り外して、入れ替えてあったのだ。

その後はキーを元にもどし、別の突起物をFとJに貼りつけて使っていた。
iMac以降、Macintoshのキーボードは接続方式がADB(Apple Desktop Bus)からUSB(Universal Serial Bus)に変わり、ホームポジションもFJ方式になったのである。




スイッチがあらわになったキーボード





















掃除機では取り除けない粘着質の汚れを拭き取る。
ついでにUSBの接点もきれいにする。
接点復活剤を綿棒に含ませて……というのが理想だが、ティッシュで拭いただけ。

クリーニングをすませたキーボードでテスト入力をする。
手近にあった新聞の記事をコピーする。
「大阪の八尾空港で小型飛行機が着陸に失敗して墜落炎上……」
免許のない知人を操縦席に座らせて着陸体験をさせようとしたがうまくいかなかったのか。
それはともかく。
入力は滞りなくできたのであった。