2022/11/30

帽子の色にこだわる

ワールドカップのグループリーグ2クール32試合のうち、30をネットでフルタイム観戦した。残りの2試合(開幕戦とウルグアイ対韓国戦)は、編集されたダイジェスト版(いわゆるハイライト)を観た。同じフィールドで、一個のボールを奪い合うだけのゲームなのに、連続して30試合を観ても、飽きることがない。

パンデミックの中、自国チームを応援するためにクァタールまで来た人たちも、もちろんフットボール好きだと思いたいが、ただ大声をあげて騒ぎたい輩も含まれているに違いない。ということは、自分がかつてスタジアムで観戦をしていた頃から感じていることである。相手チームを、ひたすら罵倒し続けるサポーターに対しては、同じサポーターとして、ひたすら恥入ってしまう。

それはともかく。勝負事では験(げん)をかつぐ。自分がスタジアムに行くときは、必ず白い帽子をかぶっていた。「白ボシ」につながるかもしれぬと思うからである。反対に、黒い帽子をかぶるなど、とんでもない。

ところが、最初から黒星を胸に戦っているチームがあった。アフリカを代表するガーナである。この国の旗は、上から順に赤・黄・緑の三色旗で、ま真ん中に黒い星がついている。Wikipediaによると、黒い星はアフリカの自由のシンボルだということである。この黒い星がユニフォームの胸の真ん中に刷り込まれている。なんと縁起が悪いと感じるのは自分ばかりか。ガーナは韓国を相手に派手に撃ち合って、勝利を収めたのである。


2022/11/29

2クールが終了して

マスコミは一次リーグと書いたり、グループステージと言ったりしているが、二次リーグは存在しないので、グループリーグと呼ぶことにする。要はA~Hの8組で、それぞれ4か国のチームが総当たり戦(全部で48試合)を行なう。各チームが3試合を行なうので、2クール終了というのは、2試合ずつを終えたところということである。

この時点で2勝をしているチーム、すなわちグループリーグの突破を決めているのは、フランス・ブラジル・ポルトガルの3チーム。ラテンの国が2、ラテンアメリカが1という構成である。逆に、敗退が決まったのは、開催国クァタールとカナダ。2連敗では、いかんともし難い。残りのチームは混沌の中にいる。

日本は3試合目にスペインと対戦するが、引き分け以上の結果でなければ、グループリーグ突破の可能性はない。


2022/11/28

崩壊寸前の大相撲

今年最後となる九州場所は、意外な結果で終わってしまった。

現役の元・大関が多すぎる。九州場所では幕下に位置している「嘘つき」朝乃山を除いて、相撲の実力で大関の地位を維持できなかった力士が、幕内にゴロゴロいるのである。栃ノ心(春日野部屋)・高安(田子ノ浦部屋)・御嶽海(出羽海部屋)、それに今場所負け越して陥落が決まった正代(時津風部屋)が加わった。これほど多いと、大関昇進の成績基準を見直さなければ、ならないと思う。

2023年の大相撲は、なんと一横綱一大関のスカスカの体制で開幕する。横綱照ノ富士(伊勢ケ浜部屋)は脚の治療のため休場するであろうから、実に大関の貴景勝(常盤山部屋)独りで場所を仕切らなければならない。盤石とは、到底言えない。


2022/11/27

情報を遮断せよ

結果が分かっていて観る試合ほど、つまらないものはない。ワールドカップが始まってから、スポーツニュースにはアクセスしないようにしているのだが、通常のニュースに混じってワールドカップの速報が流れてくるので、危険である。今朝もYouTubeのサムネイルにあった、アルゼンチン対メキシコ戦に関する動画のタイトルを目にして、結果が判明してしまった。こうならないためには、ニュースサイトだけでなくSNSへのアクセスはシャットダウンせねばならぬ。ブラウザのホームページ(起動後、最初に表示されるウェブサイト)の設定も、Yahoo! JAPANからGoogleに変えておこう。そもニュースで流される前に、試合を観ておかねばならぬ。

と言っても、現在行なわれている一次リーグは一日に4試合もあって、19時・22時・25時・28時のキックオフ(いずれも日本時間)なので、25時と28時からの試合の観戦視聴は、翌日回しになってしまうことが多い。

一次リーグはワンクールの16試合が終わったところである。対戦相手を変えて3クール48試合が行なわれ、上位半分の16チームによるトーナメントに移行する。まだまだ先は長い。


2022/11/26

栃ノ心とアザール

大相撲とワールドカップを交互に観ていて、気付いたことがある。春日野部屋所属の元大関・栃ノ心(とちのしん)と、ベルギー代表選手のエデン・アザール(Eden Hazard)が、よく似ている。といっても体格には、かなりの差があって、アザールが思い切り太った結果、栃ノ心になったように見える。

以下の画像はWikipediaより転載。












2022/11/25

血圧計とhulu

母のリクエストにより、電子血圧計を買いに行った。土曜日の朝に使いたい、と言うので、ネット通販でも間に合わないタイミング。実店舗で調達するしかない、という訳で、実家から最も近いY電機さんを襲う。最近の電機屋には、ちゃんと「健康家電」というコーナーが設けてあり、そこにいろいろなタイプの血圧計が陳列されていた。事前にネットでチェックしていた血圧計の価格よりも高価なものばかりである。

ウイルス感染症が流行しだしてからは、ほとんど利用していなかったバスに乗って、隣町の大きなショッピングセンタまで行く。ここに「関西資本の」を売り言葉にしているJ電機さんの店がある。店内は薄暗く、あまり客が入っていない。ここの品揃えも高価なものばかりだ。

再びバスに乗り、来るときに通り過ぎたエXxXXさんに行く。3店目にしてやっと、こちらの希望する価格帯の血圧計に巡り合った。シチズンブランドの電子血圧計(手首で計測するタイプ)、2,580円。実はネットで調べた最安値よりも、さらに安かったのである。エXxXXの専用アプリを持っていたら、なんとさらに500円引くというのだが、あっさり断わった。その手には乗らぬ。と言っておきながら、店員の差し出す「hulu一ヶ月トライアル特別ご招待券」は受け取ってしまった。ワールドカップ三昧が終息したら試してみよう。自室に帰り、血圧計を自分の手首で試してみたら、上が119・下が78で、30歳代男性の平均値にぴったりだった。


2022/11/24

Match 10:ドイツ対日本

11月23日は実家を訪ねる日だった。毎週、独り暮らしの母の様子を見に行って、お茶を飲んで、食事をして、風呂を沸かして、泊まって帰る。実家にはTVがあるので、ここでもスポーツ観戦である。衛星放送と地上波を乗り継いで、大相撲の九州場所を幕下の取り組みから結びまで観る。その後は、もちろんワールドカップである。カタール大会の第9試合(Match 9)である、グループFのモロッコ対クロアチア戦と、第10試合(Match 10)のドイツ対日本戦を観た。

「東欧のブラジル」と呼ばれ、ワールドカップでも頻繁にベスト8入りをしているクロアチアは、北アフリカのモロッコ相手に苦戦。

ドイツは格下の日本を、余裕のボール回しで翻弄。ボール保持率はドイツ:65%・日本:24%、ドイツは20本以上のシュートを日本のゴールに向かって浴びせた。この試合は日本では午後10時にキックオフされ、日付が変わる直前に終了した。試合の結果は大きなニュースになるはずだったが、翌日の朝刊(毎日新聞)には間に合っていなかった。この特ダネを落とすの? 記事の締め切りが早過ぎん?


2022/11/23

ワールドカップ三昧

クァタール大会グループリーグのC組・アルゼンチン対サウジアラビア戦の中継放送の視聴数が、ABEMA.TVの過去最高を記録したそうだ。その放送を視聴した者として、まさに歴史的一戦だった(内容は書かない)と言うことができる。

大会の開催前に、個人的に気分の盛り上がりを欠いたのは、観戦の手段がなかったこと以外に、日本代表チームに対する関心度が低かったのが理由である。海外のフットボールリーグで働いている選手を主体に構成されているため「顔馴染み」では、なかったのである。例えばイングランド代表を見れば、チームのメンバーは、ほぼ全員が英国リーグで活躍している選手なのである。つまり、日本の国内リーグはレヴェルが低く、海外に出稼ぎに行っている選手で代表チームを作らざるを得ないということだろう。

ここ二日間で、グループA、B、C、Dの計5試合を観戦した。PCの画面を少しでも広く使うために、ドックの位置を下から左に変更した。ネットの回線速度や混雑状況によって、映像がスムーズに流れないことがあるのが、タマに瑕である。

11月23日午後10時(日本時間)、グループE・ドイツ対日本戦が始まる。日本代表よ、サウジアラビアに続け。


2022/11/22

ワールドカップ@ABEMA.TV

11月20日からワールドカップ2022年クァタール大会が始まった。TVがないので、観戦はYouTubeでハイライト動画だけかと諦めていたのだが、ABEMA.TVが全試合フルで無料配信する!と聞いたのでトライした。

まずはPCで。Webブラウザで、https://abema.tv にアクセスして、番組を選択して視聴する。そのはずが、できない。ブラウザのウィンドウが真っ暗になったままである。OS(macOS 10.15.7)がABEMA.TVに対応しているのは間違いないが、ブラウザ(Safari 14.0)が怪しい。

PCでSafariを検証する時間を惜しんで、携帯端末での視聴に切り替えた。App Storeから専用アプリをダウンロードしたら、簡単に番組の視聴ができるようになったので、さっそくグループBのイラン対イングランド戦を観始めた。ただ、画面の小さいのが何点である、50点である、いや難点である。

アディショナルタイムなんと14分!の前半戦が終わったところで、PCに戻る。Safariは置いといて、Google Chromeをインストールした。初めて体験するUIであるが、URLを入力するぐらいは猿でもできそうであるが……できた。ABEMA.TVのサイトにアクセスして、試合の中継画像も表示できた。しかし「全画面表示」にすると、表示される画面に色の乱れが生じたので「ブラウザ表示」に戻す。精一杯ウィンドウを広げて観る。

個人的には、イングランドを毎回優勝候補に挙げているのだが、56年間(14大会)優勝していない。今回はどうか。

それにしても、ワールドカップを観戦できるようにしていただいて、Cyber Agent様には大感謝である。


2022/11/21

全国高校サッカー選手権

大リーグや大相撲(Major Wrestling??)が国民的娯楽であるとしても、自分の中では最高の楽しみは、観るのもプレイするのもフットボールである。日本では、わざわざ「サッカー」と言い換えているけれども、蹴球(しゅうきゅう)のことである。中華人民共和国においては「足球」と呼ばれ、よりフットボールに近い表記になっている。

高校では「蹴球部」に所属していた。中学校でもサッカー部だった。フットボールを始めたのは小学校の高学年で、東京オリンピック(1964年)で日本代表がベスト8(14チーム参加)に終わり、メキシコ大会に向けて強化を始めていた頃である。

全国高等学校サッカー選手権大会は、大阪が発祥地だったこともあり、決勝試合を長居競技場で行なっていた。大会の存在が「メジャー」になって、在京のキーTV局が開催地ごと放映権を奪取、「高校野球の甲子園」に並らぶ「高校サッカーの長居」は、定着しなかった。

我われの蹴球部も、長居を目指したのである。団体競技として体育会系のクラブ活動をするからには、選手権を獲るのが最高の目標である。高校サッカーならば、全国高等学校サッカー選手権大会以外にも、全国高等学校総合体育大会(インタハイ)・国民体育大会(国体)でトップになる機会がある。残念ながら、トップにはなれなかった。同じ地区で我われを常に抑さえ続けていたのが、山野兄弟を擁する北陽高校(現・関西大学北陽高等学校)で、我がチームを負かした後、勝ち上がって全国優勝を果たしたのである(第52回大会・1974年1月8日決勝)。

全国高校サッカー選手権大会は、今年で101回を数える(決勝戦は2023年1月9日開催)。2022年11月12日、大阪地区予選の決勝戦が行なわれ、履正社高校が2-1で興國高校に勝った。関西大学北陽高校は、ベスト8に残った。


2022/11/20

事故:B-17×P-63

子どもの頃、飛行機が大好きだった。幼稚園の卒園アルバムには「将来の夢:ゼットパイロット」と記されている。ジェットと違うのか? 親が買ってくれた「AIRCRAFT」という英語版の飛行機のカタログを、飽きもせずに眺めていた。中学生の頃は、近くの飛行場に飛来する飛行機の種類を、授業中の教室の窓からチェックしていた。しかし、飛行機乗りにはならず、今は単なるポンコツ航空ファン(飛行機がポンコツではなく自分が)である。航空ショウにも行ったことはない。

アメリカ・テキサスでは、11月12日に開催された航空ショウで、B-17にP-63が衝突する事故があった。事故の調査にあたっているNTSB(国家運輸安全委員会)の呼びかけで集まった、航空ショウの観覧者が撮影した動画をYouTubeで観ることができた。左後方からB-17の翼の下をくぐり抜けようとしたP-63が、B-17の右側の翼の付け根に衝突し、両機とも一瞬で大破。低空飛行だったため、直後に地面に墜落、爆発炎上した様子が、いろいろな角度からの映像で記録されている。両機合わせて6名の乗員全員が死亡。悲惨で不幸な、としか言いようがない。

ちなみに、B-17は第二次世界大戦時「空飛ぶ要塞(Flying Fortress)」と呼ばれた、エンジン四発の爆撃機(BはBomberを表わす)で、同様にP-63は一人乗り単発の戦闘機(PはPursuit Airplane=追撃機を表わす)である。ブラックボックスは搭載されていない。


2022/11/19

互換なしやありや

マキタの掃除機(本体のみ)を買った。14.4Vの充電池で動く機種である。何故マキタか? 何故本体のみか? マキタでも他に10.8Vや18Vのタイプがある中から何故14.4Vのものを選んだのか。その理由は簡単、以前に買った電動ドリルが14.4Vで動くマキタ製だったからだ。

14.4Vなら同じ充電池が使えるもの、と思い込んでいたのが間違いだった。ドリルに使っていた充電池と掃除機に使うものとは、互換性がなかったのである。そんなアホな。いや、しっかり確認しなかった自分がアホなのだが、新たに充電池と、その電池に対応している充電器を買い足すはめに陥ってしまった。これが結構な値段のするモノたちなので、互換機で間に合わせることにした。ネット上での評判は好悪が両立しているが……Amazon限定ブランドと銘打たれた充電池と、互換充電器をセットで購入した。

配送を担当するのが、どの業者さんになるのかが分からないので、納品方法を「置き配」(日本郵便が対応していない)から「コンビニ受け取り」に変更して、最寄りのLAWSONに送ってもらうことにした。非接触受領はできないが、自分の都合のいい時に取りに行けばいい。

受け取った充電池と充電器は、今のところ問題なく働いてくれている。二つ合わせて5,000円弱、これらを純正品で揃えると……5倍以上の値段になる。この差には勝てない。


2022/11/18

半端やねん、お前は

昔、ある印刷会社でペケ(×:不良製品のこと)対策が話し合われた。ペケの多くは人為的ミスによって起きる。工務の担当者から提出された対策案(目標)は「ミスを現状の50%に減らす」だった。なんでやねん! 会議に参加していた俺(当時は営業部員)は激怒した。アキレスでさえ亀に追いつけないというのに、目標が最初から50%なんて、話にならん。

以前、菅総理大臣から唐突に聞かされた「カーボンニュートラル」という言葉も怪しい。「カーボンゼロ(二酸化炭素を出さない)」ではないのである。誰かが100リットルの二酸化炭素を排出しても、別の誰かが二酸化炭素の排出を100リットル抑さえればオッケーという考え方、すなわち減らすのではなく、プラスマイナスゼロでよしとするのがカーボンニュートラルである。

トヨタが新型のプリウスを発表した。新型とはいえ、電気で走るのではなく、いまだにハイブリッド(hybrid)である。トヨタは「全方位外交」戦略をとっていて、ガソリン車・ハイブリッド車・EV(蓄電池でモーターを動かす自動車)・FCV(水素などを使用する燃料電池でモーターを駆動する)を作っている。ガソリンとハイブリッドから撤退しない限り、カーボンゼロは実現しない。


2022/11/17

National Pastime

大相撲の九州場所が始まった。拙宅にはTVがないので、NHKのウェブの「大相撲取組動画」というので、その名の通り取り組みの部分だけ(つまり、立ち合いの瞬間から勝負が決するまで)を、まとめて観ている。すると結びまでの視聴は、あっという間に終わる。実際の取り組みに、いかに長い時間がかかっているか、ということが判る。

昔は炬燵に入って、みかんを食べながら、のんびりとTVを観ていたものである。やはり相撲を観るのが好きな母は台所仕事をしながら、アナウンサーが「時間いっぱいです」と言うのを聴くと、大急ぎでTVの前に駆けつけるのであった。

という訳で、大相撲は現場においても、飲食や雑談などをしながら試合観戦もできる娯楽なのである。他方、海の向こうには大リーグというスポーツがあって、これもまた投手と打者の「取り組み」が延々と続き、全体的に、ゆっくりとしたペースで試合が進むので、客は他のことをしながらでも観戦ができるのである。その特質が、大リーグがNational Pastime(国民的娯楽)と呼ばれ、人気がある所以であって、同様の特質を持つ大相撲こそ、日本のNational Pastimeであると言える。


2022/11/16

死ぬにはまにあわない!*

ハロウィンから二週間経って、コロナウイルス感染者数の棒グラフが急激に伸びた。第7波の流行が収まらないうちに、次の波が来たようだ。政府の新型コロナウイルス対策分科会(尾身会長)は、第8波が来ても一番の対策は「ワクチン」であると発言したようだが、それは二次的な「重症化対策」であって、ワクチンを接種していても感染はするのだから、一次的「感染対策」としてのマスクの着用は、なお求められて当然だろう。

それはともかく。脚本家で映画監督、大阪芸術大学の教授も務めた大森一樹さんが、白血病のため亡くなった。70歳の死は現代人としては早い。

大森さんとは三度会って、対話している。初回は自分が大学生の頃、彼が自主製作した16ミリ映画『暗くなるまで待てない!』を借りて上映するため、お願いと挨拶を兼ねて、芦屋のご自宅を訪ねたのである。大森さんと私と私の友人の会話は和やかに進んだ。応接間のソファに座った大森さんの靴下に大きな穴があいていたのを、今でも思い出す。

『暗くなるまで待てない!』は、神戸の御影公会堂で上映された。萩原健一・桃井かおり主演の『青春の蹉跌』との二本立てだった。私が上映前の場内アナウンスをプロのものまねで演るのを聴いて面白がってくれたのが、当日ゲストとして来てくれていた大森さんだった。

それから何十年も経って、宝塚の小劇場(たぶんシネ・ピピア)で開かれた大森作品のマラソン上映会に行って、偶然お会いした。「おう、あの時の……」と互いに昔を懐かしんだのが、最後となった。

大森一樹さん、どうぞ安らかに。

*「死ぬにはまにあわない!」は大森監督・長編8ミリ映画(1974年)のタイトル

2022/11/15

ジブリパーク特集号

最近めっきり、本や雑誌を買う機会が減った。そもCOVID-19のせいで、本屋に足を踏み入れて立ち読みをすることが、なくなった。そんな中、Twitterに流れてきた広告を見て、書店に買いに走った雑誌がある。月刊『カーサ ブルータス』2022年12月号である。今号の特集は「ジブリパーク」。宮﨑駿の息子でランド・アーキテクチャでもある吾朗の設計・監修で、名古屋博覧会の跡地に建設されている「公園」である。自分よりも、むしろ「となりのトトロ」の大ファンである母の方が大いに興味を持つであろうイシューである。

自分は、スタジオ・ジブリにもアニメーション映画にも、あまり関心はない。それにもかかわらず『紅の豚』だけは気に入っているというのは、何としたことだろう。たぶん、飛行機が好きなのと「韜晦」する主人公に共感を覚えるからだろう。

雑誌を読んで(内容が濃い!)にわかに感化され、YouTubeでジブリ関連の動画を検索した。各作品の主題歌をメドリで流しているものがあった。非常に心惹かれる一曲があったのだが、曲名を特定するために、他のクリップを片端からチェックすることになってしまった。

その曲の名は『君をのせて』。スタジオ・ジブリの第一回作品『天空の城ラピュタ』の主題歌で、宮﨑駿作詞・久石譲作曲である。自分が気に入っただけでなく、ジブリファンによる人気コンテストでは、ぶっちぎりの第一位だそうである。

ちなみに、久石譲(ひさいし・じょう)は芸名で、彼が尊敬する音楽家のQuincy Jonesを、もじっている。すなわちクインシーを久石(くいし)、ジョーンズを譲に置き換えたものである。




2022/11/14

ミステリこそ我が命

国葬なんてくそくらえだ。なんであいつがスーパースターのように扱われるんだ? そう言ったのは特捜部Qのカール・マーク(『アサドの祈り』より)。

 個人的な好のみにより、常に新作を期待している作家と、そうでもない作家がある。前者はABC順にアーチャー、チャイルド、クレイヴン、マッキンティ、ネスボ(ハリー・ホーレのシリーズ)、ランキン、シルヴァです。書店で新刊を見つけたら、中を見ないでレジ直行です(チャイルドはビニ本になったので、そも見られない)。残念ながらスローターは前者から脱落、エズラ=オールスンその他は後者です。

『アサドの祈り』(原題:Offer 2117/吉田奈保子訳/早川書房)によると、デンマークには「引きこもり」は、ないようです。それが本当なら厚生労働省の担当者は彼の地に行ってみるべし。

カール・マークとよく似たタイプのリーバス警部のシリーズは『寝た犬を起こすな』(原題:Saints of the Shadow Bible/延原泰子訳/早川書房)が出た後、翻訳刊行がストップして甚だ残念。

『ポリス・アット・ザ・ステーション』(武藤陽生訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)と並らんで今年度ベストを争う『キュレーターの殺人』(原題:The Curator/東野さやか訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)には、リーバスへのオマージュと思われる台詞が現われて、にやりとさせられます。

がんばれ、翻訳ミステリ。

(武田伴兵衛・翻訳ミステリ応援団65歳プラス1)

2022/11/13

愚かなり日本郵便は

My Foolish Heartというジャズのスタンダード曲がある。「愚かなり我が心」という、いい邦題がついている。今なら、さしずめマイ・フーリッシュ・ハートとカタカナ化するだけだろう。

宅配便の受け取りを「置き配」一本に、しぼっている。在宅であろうが留守であろうが、これで受け取れる。「非接触受領」「再配達防止」ができて、配送業者と顧客の両者にとってメリットがある。拙宅では玄関脇にバッグを吊るし、置き配だけでなく「入れ配」もできるようにしている。配送各社が、これを利用してくれるようになった。ただ一社を除いて。

Amazonで買い物をした。納品方法は「置き配」をデフォルトに設定してある。その配送を日本郵便が請け負って、納品にやって来たのだが、「置き配」をせずに帰ってしまった。吊るしてあったバッグを宅配ボックスと見なし、ボックスを利用するには郵便局への申請が必要、しかも施錠できることが条件というメモと申請書類および今回の不在配達票を残して。

送り主と受取人が「置き配」を指定しているのだから、置いていってくれるだけでいいのに。他の業者さんすべてが「置き配」に対応してくれているので、日本郵便だけ特別扱いする気になれないし、宅配ボックスの申請書類は見取り図を書き起こす必要があって煩わしいので、無視することにした。愚かなり、日本郵便。無駄を覚悟で何度でも配達しに来るがいい。


2022/11/12

古い本:シンプリー・パーム

『本の雑誌』には「三角窓口」以外にも投稿できる「読者アンケート」というコーナーがある。アンケートに回答して誌面に採用されると謝礼がもらえる。昔は掲載誌と図書券がもらえた。最近のお題「あなたの好きな創業者物語は?」に答えて送った原稿はボツになったのだが……このブログで復活。私の好きな創業者物語は、以下の本です。

 『シンプリー・パーム 理想のPDAを目指して』原題:Piloting Palm/アンドレア・バター、デビッド・ポーグ著/小林淳子訳/伊藤正宏(パーム航空・機長)監修/ソフトバンククリエイティブ

技術的には優れているのにマーケットの事情によって消えていかざるを得なかったモノたちがあります。ベータマックス(by SONY)然り、PHS(Personal Handy-phone System)もまた然りです。二十一世紀に入ってすぐの頃、私は二つ折りにしたPHS機をズボンのポケットに入れたまま、左手に持ったPDA(Personal Digital Assistant)でメイルチェックやウェブの閲覧をしていました(この時、PDAとPHSはBluetoothによって無線接続されている)。PHSをデータ通信用のプラン(実は音声通話もできる)で契約していたので、通信費は月額九百八十円ぽっきりでした。

『シンプリー・パーム』はPalm(たなごころ)と名付けられたPDA(およびその基本ソフトウェア)を開発したジェフ・ホーキンスと仲間たちの波乱万丈の創業物語です。禅に影響を受けたホーキンスの設計思想は「PC的でないものを作る」であり、それは、ポケットに入ること・素早い起動・簡単な操作・高コスパ・長寿命電池・PCとの簡単連携、という製品コンセプトに反映されました。Palmは熱狂的に受け入れられて、IBM社にOEM供給されたり、SONYが互換機を作ったりして日本国内でも一大ブームを形成したのですが、スマートフォン(PDAと同等のサイズで、電話とカメラ機能の付いた超小型コンピュータ)の登場によって絶滅してしまったのは、読者の皆さんもよく知るところでしょう。


2022/11/11

利子とポイント

大阪大学の経済学の教授が「私たちが銀行に預金するのは、現金がいつ必要になるかわからないけれど、金利も欲しいからだ」と書いていた。えっ、そうなんか。もの心つく前から、お金は親か銀行に預けるものと思い、利息を意識したことはない。いまだに意識が薄いのは、そも利子を生むほどの金を貯蓄していないからである(爆)

けれども今、銀行に預金をするのは、自分の金を安全に保管しておいてくれると思うからである。実のところ、本日の財布の中身は数百円で、即ち紙幣が一枚も入っていない。日々の買い物はクレジットカードやポイントカードで済ませるか、インタネット通販(これもクレジットカード決済で、ポイントが付加される)を利用する。低金利の時代にあって、期待されるのは口座利息ではなく、ポイントなのではないか。


2022/11/10

日本SF戦後出版史は、まだか

腕試しのつもりで、商業誌の読者投稿欄に毎月投稿している。『本の雑誌』の「三角窓口」というコーナーが、それである。打率は三割ぐらい。ときどき採用されるので、不定期連載などと嘯いている。

2022年12月号に拙稿が採用された。ロバート・A・ハインラインの新刊(といっても第二次大戦のころに書かれたもので、いまになって翻訳されたもの)を買ったことを書き、その本の解説のことについても書いた。

解説者の名は高橋良平。ハインラインの『夏への扉』(ハヤカワ文庫SF)の解説も書いている。SFが専門なので、詳しく説明してくれているのが、非常にありがたい。高橋氏は『本の雑誌』に「日本SF戦後出版史」という文を長らく連載していて、こちらも大いなる興味を持って読み続けていたのである。その連載はすでに終了したので、いずれ本の雑誌社が単行本にまとめて、刊行してくれるものと思っていたのだが……その気配が感じられないのである。たぶん、いや絶対にまとめの作業をしていると思うのだが、著者が大幅に手直しをしている可能性もある。そこのところに探りを入れてみたくて、拙稿の末尾を「日本SF戦後出版史は、もうそろそろか!?」と結んだ。


2022/11/09

怪奇月食

ご返還、ぢゃなかった誤変換です。

かいきげっしょく、とフルで打ってから変換すれば「皆既月食」と出ます。

星を観るのが好きな母から「月食が始まったよ、観てるか〜」とEメイルが来た。南向きのベランダに出たが、見えない。ウェブで調べてみると、月は真東の空に、あるようだ。身支度をして、外に出る。アパートの階段の踊り場からなら見える位置だった。しばらく眺めていたが、寒くなってきたので帰室。月食の途中からと天皇制、そのテンノーセーぢゃなくて天王星食のライブ映像をYouTubeで観覧した。

遠くて見えないが、月面にはアメリカの旗が立っているはずである。2020年には中国旗が加わった。中国はロシアと共同で月面基地を建設する計画をしているそうだ。アメリカに先んじて、中ロが月を食う?


2022/11/08

解約:U-NEXT

一か月の間無料で映画を観まくる、というセコい計画は一日にして破綻した。無料視聴からは除外される作品(地雷のようにあちらこちらに埋め込まれている)とは知らず、最初に『トップガン/マヴェリック』を観てしまったからである。しかしながら、観たかった作品を自室で安価で観ることができた。007シリーズの最新作も観たし、若い頃のケイト・ウィンスレットも観られたし。

▼何十本かを観て、心に残った作品は、わずかである。

◎インターステラー(原題:Interstellar)監督:クリストファー・ノーラン

(現代の)科学的にはあり得ない話を、莫大な費用をかけて(ハリウッドならでは)大真面目に映像化した作品。2015年の第87回アカデミー賞・視覚効果賞を受けた。

◎ザ・コンサルタント(原題:The Accountant)監督:ギャヴィン・オコナー

公開当時の宣伝コピーでは「職業、会計コンサルタント。本業、腕利きの殺し屋。」となっているのだが、額面通りに捉えると裏切られる。ネタバレになるので、詳しくは書かないでおく。

◎アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!(原題:The Other Guys)監督:アダム・マッケイ

そんなアホな!というホン(脚本)だが、いっそのこと、それが楽しいと思えた作品。邦題は、全くセンスなし。

×記憶にございません! 監督:三谷幸喜

逆に、面白なさが印象に残った作品。観続けるのに耐えられず、導入部だけで視聴終了。金返せ。いや、無料で観たけど。


2022/11/07

ミッション:インポッシブル

君、または君の仲間が捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないから、そのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する……(ジュン、ジュワ〜)これは懐かしきテレビドラマ『スパイ大作戦』でお馴染みとなった台詞である。ジュンジュワーはネプチューンの堀内健のギャグだが、ここで指令の録音テープから白煙が吹き出すのである。

人気のあった『スパイ大作戦』を映画化したのがMission: Impossible[M: I]シリーズで、トム・クルーズが主演している。舞台を現代に置き換えたので、オープンリールのテープによる指令の伝達方法も、新しいメディアによるものに変化した。これにより、テレビの『スパイ大作戦』の雰囲気は失なわれたのだが。『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(原題:Mission: Impossible - Fallout)ではオープンリールが復活し、導入部のタイトルもテレビ版オリジナルを彷彿させるデザインになっているのである。

Falloutとは、核爆発が起こった後に降る「死の灰」を意味するのだが、カタカナの邦題では、それが全く伝えられていないのが残念。

『フォールアウト』に、アンジェラ・バセットという俳優がCIAの長官役で出演しているのだが、えっシークレットサービスの長官ぢゃなかった?と思ったのは、つい数日前に観た『エンド・オブ・キングダム』の中では、その役だったからである。


2022/11/06

ガンバ大阪、辛くも残留

地元のチームを応援するのが、Jリーグの基本理念である。という訳で、ガンバ大阪というチームを応援している。ただし、地元であることに間違いはないが「大阪」という範囲が、広すぎる。本当は「吹田フットボールクラブ」で、愛称が「ガンバ」であるべきだ。

そも日本には「プロ野球」が蔓延っていて、Jリーグも発足当時はチーム名に企業の名を冠したものが大勢を占めた。ガンバにも最初はパナソニックの名が付いていたのである。これに対してリーグのチェアマンだった川淵三郎が異を唱え、徐々にチーム名から企業名が外されるようになっていったのである。

現在の株式会社ガンバ大阪は、パナソニックスポーツ株式会社が全株式の70%を持つ子会社で、残りの30%を関西電力・大阪ガス・JR西日本が三等分で保有している。このため、クラブ(=株式会社ガンバ大阪)の社長はパナソニックから天下りしてくるのが通例となっている。一流企業からやって来る人たちなので、プライドは高いが、フットボール文化には馴染んでいない人の場合が多い。

ガンバ大阪がビッグクラブだと言われているが、資本金ではリーグ最小だし、チームが弱いほど収入も少なくなる道理で、最近は縮む一方だと思われる。ただ、サポータに対して「態度がでかい」という意味では確かにビッグなクラブではある。

2022年J1部のリーグ戦34試合を終えて、ガンバ大阪は15位となった。最終試合の相手は鹿島、勝って勝ち点3を加算すれば文句なく1部に残留できるのに、点が獲れない。それならば、相手に点を獲られないように守って時間稼ぎをして、無得点の引き分けに持ち込んで、他のチームが負けることに賭けようとする。その結果、辛くも残留できたのだが、それを喜んで、なんとする。これほど情けないことが、あるでしょうか。少なくとも、サポータとしては恥ずかしいのである。


2022/11/05

薔薇の名前

普段、翻訳ミステリばかりを読んでいるので、国内作家の本を買うと、値段の安いことに驚く。つまり前者には翻訳権料や翻訳家に支払うお金が余分にかかっているということである。

それはともかく。自分の存在というものに疑問を抱き続けて何十年、ハイデガーの『存在と時間』を読めば少しでも慰めが見つかるかと思っていたのだが、難解で取りつく島がない。ある時、筒井康隆の「誰にもわかる」という『存在と時間』の解説本を読んだが、あまりピンとこなかった。

それよりも、解説者(筒井ではない、別の人)が、ウンベルト・エーコを引き合いに出して、あろうことか『薔薇の名前』のネタばらしを書いていることに激しい怒りを覚えた。『薔薇の名前』も翻訳ミステリなのだが、死ぬまでには読もうと思っていた作品だけに、犯人の素性と犯行の手口を、これほどハッキリと書かれてしまっては、もう読む楽しみはないのである。

そんな訳で、読んでから観ようと思っていた映画版『薔薇の名前』をU-NEXTで観ることにした。主演はショーン・コネリーと若きクリスチャン・スレイターである。映画が始まって間もなく、犯人が分かる。もちろん私にだけということだが、興は削がれた。あとは、中世の宗教世界がいかに映像化されたのか(プロダクション・デザイナーの腕の見せ所)を観賞するだけである。


2022/11/04

トランプ・タワー

「heist」という語を辞書(研究社新英和中辞典第2版)で引いたら、いや引こうとしたが、見出しそのものが、なかった。新しい言葉なのだろうか。手近にあったデイリーコンサイスにも、なかった。本棚の奥からリーダーズの初版を引っぱり出してきて、やっと見つけた。

heistとは「強盗」である。紙の辞書を引かずともウェブで調べれば、簡単に分かるのに。


またまたU-NEXTで『ペントハウス』という映画を観た。情けないのは、以前に観たことがあるのを途中で思い出したことだ。

文字通り、あるアパートのペントハウスが舞台となる話。アパートといっても、日本では「タワーマンション」と呼ぶような大きなビルヂングで、原題も「Tower Heist」というのであった。つまり……「タワマン強盗」ですな。

エンドロールの謝辞にドナルド・トランプの名があって、Wikipediaで調べてみると、映画の初期企画段階でトランプ氏(まだ大統領になっていない)の協力があったようである。

映画を観る楽しみの一つは、プロダクション・デザイン(芝居の場合の舞台美術にあたる)を観ることであって、本作の場合は、ペントハウスに飾られた数々の芸術品に、デザイナー(Production Designer)の仕事の成果がある。ここを観るだけでも楽しい。


2022/11/03

ケヴィン・コスナーも67歳

GAFA(ガーファ)とは、Google・Amazon・Facebook・Appleの頭文字を、つなげたのだったね。

運営会社の名前が変わったので(Google→アルファベット、Facebook→メタ)AAMA(アーマ)とするか、MAAA(マー!)としても、ええんぢゃない。


それはともかく。『エージェント:ライアン』にケヴィン・コスナー(一部ではコストナーという表記もあり)が出ていた。1990年代には人気絶頂で、『ダンス・ウィズ・ウルヴズ』は製作と監督も務め、アカデミー賞(作品賞・監督賞)を受賞したコスナーも、年齢を重ね(今年67歳)、それ相応の役どころを演じている。

やはりU-NEXTで観た『メッセージ・イン・ア・ボトル』(壜の中の手紙)では主演を務めていた。総入れ歯(そういえば)、ポール・ニューマンがケヴィン・コスナーが演じる男の父親役で共演していたのだった。この人が、もうこの世にいないとは信じがたい。

ところで『メッセージ・イン・ア・ボトル』だけれど、想定外の結末だった。


2022/11/02

Reboot: ジャック・ライアン

11月に入った。

ウェブログはインスタグラムとは違う、と割り切ることができて、投稿数がアップした。

つまり、写真を添付せなあかんという強迫観念を抑え込むことができたということです。

加えて、U-NEXTで観る映画をネタにできるということもある。

いや、ネタばれは極力せんように。


『エージェント:ライアン』(原題:Jack Ryan: Shadow Recruit)を観た。

ジャック・ライアンとはアメリカの作家トム・クランシー(故人)が創出したキャラクターで、アメリカ海兵隊を除隊後、CIAの情報分析官を務め、大統領にまで出世する男のことである。

クランシーのライアンシリーズ作品は、数次映画化されていて、主役の俳優がアレック・ボールドウィン(『レッド・オクトーバーを追え!』)→ハリソン・フォード(『パトリオット・ゲーム』『今そこにある危機』)→ベン・アフレック(『トータル・フィアーズ』)と変遷している。007と同様に、最初期の配役の印象が最も強い。

『エージェント:ライアン』では、クリス・パインが主演する。テレビ出身の俳優で、映画では『スター・トレック』のカーク船長役で有名になった。

今作の映画でジャック・ライアンは「リブート」される。つまり、クランシーの小説と、その映画化作品の流れを無視して構築された、新しい話である。バットマンシリーズで行なわれているのと同じこと。

ケヴィン・コスナーが共演している。ライアン役はクリス・パインより、やっぱりボールドウィンがいいなあ。


2022/11/01

タイムパラドクス

(承前)ベン・アフレックは『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)でアカデミー賞の脚本賞、製作・監督を担当した『アルゴ』(2012)で作品賞を獲得。ケイシー・アフレックは『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(2016)で主演男優賞を獲った。

『マンチェスター…』という作品については、同じ地名から、てっきりイギリスが舞台であると思いこんでいたが、さにあらず。

ボストンから車で1時間半の距離であることを役者の台詞から知る。

もっとよく調べれば、ボストンという地名もイギリスにはあることが、わかったのだが……やはりアメリカが舞台の作品だった。

そもそも、マンチェスター・バイ・ザ・シーというのが一つの地名だった。

作品自体は、いわゆるホームドラマである。

いつものU-NEXTで観始めたのだが、耐えられず、途中で挫折した。

総入れ歯(そういえば)『鉄道員(ぽっぽや)』でさえ耐えられず、視聴を中止したのだった。

この類のドラマは苦手だ。


ところで。ブログの横幅を狭くしたら、過去ログの写真が枠からハミ出すことになってしまった。

このように、現在にいながら過去のことを変えられたら、どうなる?

(あの時こうしておけば、よかったのに)と思うことは、誰にもあるだろう。実際に、それができれば?というのはSF的発想である。

2004年のアメリカ映画『バタフライ・エフェクト』は、そんな作品である。