ハロウィンから二週間経って、コロナウイルス感染者数の棒グラフが急激に伸びた。第7波の流行が収まらないうちに、次の波が来たようだ。政府の新型コロナウイルス対策分科会(尾身会長)は、第8波が来ても一番の対策は「ワクチン」であると発言したようだが、それは二次的な「重症化対策」であって、ワクチンを接種していても感染はするのだから、一次的「感染対策」としてのマスクの着用は、なお求められて当然だろう。
それはともかく。脚本家で映画監督、大阪芸術大学の教授も務めた大森一樹さんが、白血病のため亡くなった。70歳の死は現代人としては早い。
大森さんとは三度会って、対話している。初回は自分が大学生の頃、彼が自主製作した16ミリ映画『暗くなるまで待てない!』を借りて上映するため、お願いと挨拶を兼ねて、芦屋のご自宅を訪ねたのである。大森さんと私と私の友人の会話は和やかに進んだ。応接間のソファに座った大森さんの靴下に大きな穴があいていたのを、今でも思い出す。
『暗くなるまで待てない!』は、神戸の御影公会堂で上映された。萩原健一・桃井かおり主演の『青春の蹉跌』との二本立てだった。私が上映前の場内アナウンスをプロのものまねで演るのを聴いて面白がってくれたのが、当日ゲストとして来てくれていた大森さんだった。
それから何十年も経って、宝塚の小劇場(たぶんシネ・ピピア)で開かれた大森作品のマラソン上映会に行って、偶然お会いした。「おう、あの時の……」と互いに昔を懐かしんだのが、最後となった。
大森一樹さん、どうぞ安らかに。
*「死ぬにはまにあわない!」は大森監督・長編8ミリ映画(1974年)のタイトル
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