2022/11/14

ミステリこそ我が命

国葬なんてくそくらえだ。なんであいつがスーパースターのように扱われるんだ? そう言ったのは特捜部Qのカール・マーク(『アサドの祈り』より)。

 個人的な好のみにより、常に新作を期待している作家と、そうでもない作家がある。前者はABC順にアーチャー、チャイルド、クレイヴン、マッキンティ、ネスボ(ハリー・ホーレのシリーズ)、ランキン、シルヴァです。書店で新刊を見つけたら、中を見ないでレジ直行です(チャイルドはビニ本になったので、そも見られない)。残念ながらスローターは前者から脱落、エズラ=オールスンその他は後者です。

『アサドの祈り』(原題:Offer 2117/吉田奈保子訳/早川書房)によると、デンマークには「引きこもり」は、ないようです。それが本当なら厚生労働省の担当者は彼の地に行ってみるべし。

カール・マークとよく似たタイプのリーバス警部のシリーズは『寝た犬を起こすな』(原題:Saints of the Shadow Bible/延原泰子訳/早川書房)が出た後、翻訳刊行がストップして甚だ残念。

『ポリス・アット・ザ・ステーション』(武藤陽生訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)と並らんで今年度ベストを争う『キュレーターの殺人』(原題:The Curator/東野さやか訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)には、リーバスへのオマージュと思われる台詞が現われて、にやりとさせられます。

がんばれ、翻訳ミステリ。

(武田伴兵衛・翻訳ミステリ応援団65歳プラス1)

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