2011/12/31

さらばポリテク


2011年6月27日撮影

気がついたらセンターのロゴはなくなっていた(2011年9月27日撮影)


早期退所できないまま、修了式の日を迎えることになった。
同様の状態で出席した4月生は4名。
TKNとTQDの二人はネクタイ姿。
KWBとYMMはいつものカジュアルスタイル。
おいっ。
HRTはこの日も面接があったため、式は欠席。

修了式では指導課長が式辞を述べるが、「おめでとう」とは言われない。
それは、再就職を果たしたときに贈られるべき言葉だからだ。

式の後、半年を過ごした研修室でわれわれ4名に修了証が交付された。
私は「残業」があったので、ここで他の3名に別れを告げた。
前日に掲示板でめぼしい求人を見つけていて、その応募に必要な書類を作るためだった。
Macユーザは、こういうときに辛い。

作業を終えて講師室に報告に行く。
わがままを言って、最後の作品のプリントアウトをもらって帰った。
新・頂極株式会社が提出した標準書類の束だ。
見直すと不満な点が次々と見つかるが、後の祭りだ。
もしやり直しができるならば、自動機のフィンガーのデザインをもう一度やりたい。

さらばポリテク。
ありがとうございました。


サービスカット。頂極工業株式会社CTOのTQD

2011/12/29

こだわり


このロゴはJリーグから拝借































何十年も前に観た初期のロボットコンテストは、東京工業大学やMIT(米国・マサチューセッツ工科大学)のチームがアイディアを競うものだった。
各チームに一つずつ箱が支給される。
中身はどれも同じ構成の、ロボットを作るための部品だ。
ロボットを使って達成すべきミッションが提示される。
ミッションに対応して、各チームがそれぞれのデザインを行う。
その結果、同じ部品を使うのにもかかわらず、さまざまな形のロボットができあがってくる。
そこが面白かった。

ポリテクセンターで作るロボット(自動機)は、フィンガー以外は完成形が同一だ。
どこで他のグループとの差別化を図るのか。
その答が「こだわり」だ。
新・頂極のこだわりは「見た目きれい」。
会社のロゴをデザインするのも、その一環。
頂点を極めるという意味をこめて、上向きの真っ赤な三角にした。
その赤い色が自動機のエアチューブにも反映されている。

フィンガーは磨きあげた。
図面には表面仕上げの指定はなかったが……
平やすりで全体の凹凸をならし、特殊なタワシでこすると、ヘアラインがきれいに入った。
そのままでもよかったのだが、さらに光沢が出るまでコンパウンドで磨いた。
数年前、取材で訪れた金型工場で、表面が美しく磨きあげられた製品を見た経験が、そうさせたのかもしれない。
金型の外側を磨いても、その機能が向上するわけではないのだが、完成品の美しさに感動した。
 

2011/12/27

カメラ


研修室の外にカメラを持って出て撮影するときに、電池が入っていなくてあわてたことがあった。
カメラ本体から取り出して、充電中だったことを忘れていたのだ。

充電することすら忘れて、途中で電池切れになったことも……
電気で動くものって不便とちゃう?
そんなこというたら、フィルム入れないと写せないカメラなんて(爆)

訓練の実習で写真撮影するときに、三脚があると便利だ。
カメラを固定しておいて、被写体を入れ替えてコマ撮りすれば、パラパラ漫画風のアニメーションができる。
そういえば、動画モードで撮影してPowerPointに貼り込むというテもあったはずなのに、誰も挑戦しなかった。

この場合「二脚」状態での撮影(モデル:NSMeister)
 

2011/12/26

破壊!


めりめりっ……ぱきっ。

ディスプレイの液晶を壊すとこんな感じ↓になります。

誰が、誰の持ち物をこんなにしたのかは、秘密
 

2011/12/22

Think Beautiful.


部品の加工ができて、空気圧やPLCの学習も終えると、いよいよ自動機の製作の最終段階である。
「頂極工業」はいったん解散して、といってもグループのメンバーはそのままで、新しい組織を作る。
リーダーには最年少のMTS、サブリーダーには工場長ことYSNが任命された。
私はYSNにそう言われたのが気に入って、会長と呼んでもらうことにした。

ふたたび、新たなコンセプトワークを行う。
新社名は「新・頂極株式会社」となった。
「リーダー、社としてのこだわりは何にします?」
「見た目きれい、でええんとちゃう?」
ええっ、そんなんでええんか。

とりあえず、講師には、
社名:新・頂極株式会社
こだわり:見た目きれい(変更する可能性あり)
と申告しておくことにした。

今回、自分の立場は会長とは名ばかりのフリーのメンバーなので、雑用をすることにした。
手始めは社のこだわり(コンセプト)の書きかえだ。
「見た目きれい」は「Think Beautiful.」とした。
アップルコンピュータ社の1997年のキャンペーン「Think different.」のパクりである。
実は文法的にはおかしいけれど、そこを「あれっ?」と思わせるところがキャッチコピーとしての狙いだ。
正しくは、Think beautifully.(美しく考えよ)またはThink about beauty.(美しさについて考えよ)だ。

SWプレートの中間デザイン案

2011/12/20

PLC


昔の話だけれど……
最初の就職で印刷会社に入って一週間経ったころ、大学の同窓生でもある先輩社員が亡くなった。
自分よりたった2、3歳年上の営業マンだった。
死因は、校正刷りを断裁する際にカッターで傷つけた指からウイルスに感染したことによる、劇症肝炎だったと聞かされた。

部品加工の訓練においても充分な注意が必要だ。
けがき針の尖端で指を突いてケガをした訓練生がいたが、亡くなった先輩のことを思い出して、ひやっとしたものだ。
小さな傷でも、死に至る。

閑話休題。
2種類のフィンガーが完成したら、自動機にセットしてテストランを行う。
いや、自動機だけれど、とりあえずテストの段階ではマニュアル(手動)で動かす。
フィンガーがワークを把持(はじ)するのを確認するのが主目的だ。
本番はまだずっと先のことで、その時には自動機はシーケンサによって制御される。

映画用語で「シークエンス(sequence)」はひと続きの場面を指す。
論理的な順序でつながったストーリーという意味だ。
シーケンサ(sequencer)とは、論理的な順序にプログラムして機械を自動制御する装置と思えばいい。
Programmable Logic ControllerすなわちPLCと呼ばれるゆえんだ。
PLCは専用ソフトを使ってプログラムするのだが、それが画面上にハシゴ(ladder)状に表記されるので、「ラダー」と呼ばれている。
ラダーの技術者には求人の引き合いも多いが、生産管理技術科の訓練ではそれをきわめるところまではいかない。

Arduino(アルドゥイーノ)もPLCのようなものだ。
むき出しの基板の上にマイコンチップが搭載されていて、USBポートでPCと接続できる。
PCにダウンロードされた専用アプリケーションソフトを使ってマイコンをプログラムするわけだ。
ラダーとはまったくちがう言語で記述するので、訓練の参考にはならなかった。

左上がUSBポート。I/Oと電源のルートを兼ねる

2011/12/15

デザインと加工


フィンガーの初期アイディアスケッチ


ワークと呼ばれる対象物をくわえて持ち上げるための「フィンガー」を作る。
講師に指示されるままにデザイン(設計)から始める。
フィンガーという言葉を耳にすると、デザインの思想も指の形へと流れていってしまう。
ここをなんとかしたい。
思い込むな、ということだ。

フィンガーとワークの接点は3以上が求められる。
この接点にゴムを使うことを考えていた。
フィンガーの内側に小さいパッドを貼り付けておくわけだ。
これは講師にあっさり却下された。

要求通り、アルミ素材だけを使用するA、B二つの案を、メンバーの力を結集してデザインした。
Jw-cadで製図して、ワークをつかんだ状態をPCの画面上でシミュレートしておく。
完成した図面を携えて工場(機械棟)に入る。
工場で訓練を受けるためには安全靴が必要だが、これを購入する金が惜しかった。
空き缶を切って靴にかぶせて自作できないかと思案したものだ。

部品の加工について、「まっすぐ」とか「水平」という当たり前の要求がもっともむずかしい。
のこぎりで切った線が直線でなかったり、切断面のやすり仕上げが凸凹になったりする。
やり直しているうちに材料のサイズが小さくなり過ぎて、使い物にならなくなる。
おいおい、だいじょうぶか!


見たらわかるわい!


2011/12/13

頂極工業カバ式会社


頂極工業のコンセプトワークに使っていた「マインドマップ」という手法



いよいよ本物の工場実習に入る。
実際に部品を手加工するのだが、いきなり設計から始まる。
あとになってからわかることだが、加工を経験してから設計をした方がいい。
それは、設計に無理があって加工がしにくい場合があるという意味だが、反対に、設計における自由な発想を阻害するおそれもある。
自分としては「ドラえもんの手」のように愉快なものや「ターミネーターの手」のようにメカニカルなデザインを支持するのだが……

Eグループは6名構成で、4月生は自分だけだ。
どうやらお前一人で7月生を引っぱれということらしいが、はなはだ荷が重い。
さっそくリーダーを任されることになった。
メンバーは出席番号順に以下のとおり。

TQD55(またはB.T.)……E班ただ一人の4月生。クリエイティブワークのスペシャリスト。
NKO(またはエミリー)……E班で紅一点の在日中国人。滞日13年になるも日本語はたどたどしい。大阪のおばはん化が顕著。
MTS28……電気に強い。メーカーで検査員歴6年。
MTN32……元は人材派遣会社の営業マン。S南大学時代に生産管理を学んだ。
MYW43……バイクの部品メーカーで営業、生産管理の経験あり。愛車はCannondale。
YSN45……段ボールのマシン加工をしていた。花を売っていた経験もある。

7月生はまだ知らなかったことだが、架空の組織をつくり上げるのがいつものことなので、コンセプトづくりやネーミングから始めた。
ブレーンストーミングはまったく低調だった。
ルールを知らないメンバーが必ずいるが、驚くにあたらない。
それほどブレストは浸透していないツールだ。

とにかく「最高のモノをつくる」というコンセプト(企業理念)が決まった。
消極的にみえたYSNからそれに対して「ベスト」という言葉が社名のキーワードとして提案された。
「ベスト工業株式会社」という社名もあり得たわけである。
ひとひねりして、ベストのまだ上という意味の中国語「頂極(Ding-Ji)」を社名に入れた。
「頂極工業(ちょうきょくこうぎょう)株式会社」の誕生である。
中国を手始めに、ユーラシアを制覇するという壮大な目標を掲げる企業だったが、MYWには「妄想か」と揶揄されたものだ。
ええやんか、その辺はシャレで。
株の代わりにカバ式会社にして、誰がカバやねん!とシャレるテもあったなあと今になって思う。


マインドマップから進化したロゴタイプ
 

2011/12/11

Jw_cad応用編


バスレフ方式のエンクロージャ


Jw_cadを使って、さらに↑こんなものを描いた。
スピーカの箱(エンクロージャと呼ぶ)である。
安物のスピーカユニットでも、しっかりしたエンクロージャにおさめると、けっこういい音で鳴る。

図面のエンクロージャは、口径5センチのスピーカユニット用のものだ。
なので、105×105×210ミリという小さな箱である。
溝を彫ってほぞをはめ込むように設計したので、自分で作るのは無理!
というわけで、知り合いの木工房でオーダーメイドした。
できあがってきたのが↓こちら。


ユニットを内側から取り付けたのち横板を閉じる

2011/12/07

フットボールが心の支え


緑のフィールドが戦いの場



















Jリーグの2011年シーズンが終わった。
応援しているガンバ大阪は第3位。
ACL(アジアチャンピオンズリーグ)は決勝ラウンドの1回戦で敗退。
リーグ杯(ナビスコカップ)はベスト4どまり。
天皇杯も3回戦で敗退。
満足できない結果だったけれど、最終戦(対清水エスパルスのアウェイ戦)では監督がもういいと言っているのにがんがん攻め続けた。
フットボールはこうでなくては。

閑話休題。
Jw_cadの訓練がつらいと言いながら、自習時間にフットボールフィールドを描いていた。
発表で述べたとおり、原寸で。
FIFA(国際フットボール連盟)がワールドカップなどの主要大会に要求しているフィールドのサイズは、68×105メートルだが、半端なので70×100メートルとした。
10メートル平方ごとに角度のちがうハッチングを施してある。
もちろん別レイヤーに設定してある。
と、えらそうに書いたが他の図面ではレイヤーまちがいをしょっちゅうやらかした。
そのおかげで別レイヤーへの「乗せ変え」は上手になったのだが(爆)

フリーキックの際、相手チームの選手は10ヤード(9.15メートル)離れなければならないというルールがあるので、キックオフ、ペナルティック、コーナーキックを蹴る定位置からはその距離がわかるようにマーキングがなされている。
ちなみに、ゴールの高さは8フィート(2.44メートル)、幅は8ヤード(7.32メートル)。
けっこう大きな容れ物なのに、なかなかシュートが入らないのである。
 

2011/12/06

三角図法


宇宙飛行士の若田光一がTVの番組でこんなことを言うとった。
「人間の価値は、努力した量で決まる」
こげんこつ言うやつぁ、わしゃ好かんと!

閑話休題。
訓練の半年振り返りは前半の3か月が終わった。
1月生が訓練所を出ていき、新たに7月生が入所してきた。
ものすごいストレスを感じた。
新入社員を受け入れる側の企業の人たちも同じようなストレスを感じるのだろう。
6か月の訓練コースの半ばで半数の訓練生を入れ替えるという独特のシステムは、再就職のシミュレーションとして意義のあることだと思う。

7月は機械製図ではじまった。
製図のテキストを2千数百円で購入するのだが、正直に言ってこれを買う金に困っていた。
1月生のTKSが、使用済みのテキスト(旧版)を持ってきてくれて、それをいただいた。
正確にいうと、ある朝自分のロッカーにテキストが入れられているのをBRが発見し、それを私にゆずってくれたのだ。
真夏のサンタさんとBRに感謝!

実のところ、三角図法の訓練が半年の中でもっとも楽しかった。
まるで立体のパズルを解いているようで。
そして、Jw_cadの訓練がもっともつらかった。
一日中PCの画面を見ていなければならなかったので。
この頃から体調が下り坂になっていった。


6番の立体は、凹んでいるのか、突き出ているのか?
 

2011/12/05

【J特】後悔は先に立たず


Jリーグ1部第34節、浦和レッドダイヤモンズ対柏レイソル戦をTVで観た。
もちろん、レッズを応援するためだ。
1-3で終了。
ガンバ大阪逆転優勝のミラクルは起きず。
新潟対名古屋も0-1だったので、3位でシーズンを終えた。

後刻、清水エスパルス対ガンバ大阪戦を録画で観た。
感動した、と正直に書いておく。
1-3とリードしていながらもまだ攻め続けるチームの姿に勇気づけられた。
これぞガンバと言うべき2011シーズンのベストゲームだった。

ヴァンフォーレ甲府に2敗したのが痛かった、と選手たちはコメントした。
その甲府がJ2に降格したのは皮肉だが、フットボールではよくあることだ。
勝てなかった試合で残念だったのは5月29日の川崎戦(1-2)と7月2日の浦和戦(1-1)だ。
どちらもアウェイゲーム。

土砂降りの川崎戦は、試合終了間際に#14中村憲剛に2点目を入れられて負けた。
CBで先発した#30内田の顔を濡らしていたのは雨だったか涙だったのか。
浦和戦は#24原口に#21加地越しのヘッダー(ヘディングシュート)を決められた。
甲府に勝てなかったことより、これらの方が悔しい。

西野監督が契約を打ち切られたことも悔しい。
マンネリ化したからというクラブの首脳の説明には納得できない。
その問題は監督と直に相談するべきことで、それをしないで新しい監督をシーズン中に探しはじめるのは「非紳士的行為」だと思う。
クラブのゼネラルアドバイザーにならないかという紳士的申し出は、後からとってつけた感が大きく、実現はしないだろう。

むしろ入れ替えるべきは選手だ。
優秀だが賞味期限が切れかかっている選手、絶対的に能力の劣っている選手、若いけれど与えられたチャンスにいい結果を出さない選手こそ保有の再検討が必要だ。

偏固ジャーナルが選んだガンバ大阪の2011年のMost Valuable Playerはイグノ。
同じくMost Impactive Playerはアドリアーノ(途中移籍済み)。

最後に、今シーズンの柏レイソルとガンバ大阪の違い。
柏はネルシーニョ監督が「優勝する」と公言していたのに対し、ガンバはクラブの方針でその言葉を封印して使わなかった。
だから優勝するとは言わなかったでしょう、という言い訳は絶対に成立しない。
 

2011/12/01

【J特】日本人監督


ガンバ大阪の次の監督が呂比須ワグナーだという話。
だから、なぜこのタイミングでその情報をリークするのか。
今季もっとも大切な試合を控えているチームのために、四日だけ待ってほしかった。

呂比須と漢字で書いてもなお日本人という感じがしない人だ。
日本人が大リーグの監督になることができたら、プロ野球もほんとうに認められるだろうと考えていたことがある。
2008年にガンバ大阪が大活躍をして、パンパシフィック、ACL、全日本選手権大会(天皇杯)で優勝し、世界のクラブの中で第三位になった。
この頃に、西野朗に海外のクラブチームから監督職のオファーがあってもおかしくはない、そうなれば日本初の快挙だと思っていた。

ところが、である。
呂比須ワグナーは、生まれ故郷のブラジルですでにクラブチームの監督になっていたわけだ。
彼が日本人(1997年に国籍取得)で初めての例になる……充分調べていないので自信がないけれど、たぶん。
(注:日本人が他国の代表チームの監督を務めた例はある)

ガンバ大阪といえばトップにブラジル人ストライカーを配して得点するチームだったが、その路線を踏襲することになるのだろう。
とにかく、監督とのコミュニケーションは「ばっちり」だ。