2016/02/28

Jリーグ1部開幕


2016年2月27日土曜日、1試合をのぞいてJリーグ1部が開幕された。
その8試合のうち、ホームで勝ったのはサガン鳥栖だけだった。
翌る日、ガンバ大阪対鹿島アントラーズの試合結果は0-1、ここでもホームチームは勝てず。
新スタジアムでの記念すべき公式戦で、チームはクルヴァのブーイングを浴びることになった。






勝って喜ぶサポーターに挨拶した直後のアントラーズの選手たち




 

2016/02/26

『悲愴』と二・二六事件


『本の雑誌』への投稿を、ほぼ毎月している。
最近はあまり採用されないが……
もったいない?のでボツ原稿をリサイクルしようぞ。

投稿のタイトルも『偏固ジャーナル』なので、ブログ版と『本雑』版が存在することになるが、ダブりはないのである。
(以下、改行位置をブログ用に変更)

△偏固ジャーナル忘月。
隣に引っ越してきた人が出すノイズに悩まされている。
直接会って苦情を言うのが正攻法だが、対決を嫌って次善の策をとることにした。
PCでiTunesを起ちあげてBGMを流す。
ハードディスクに収められたリッピングデータの音源であるCDはB●●K・●FFに売り払い、一枚も残っていない。

陽の高いうちならボッサノーヴァを聴く。
隣室の音を遮りつつも読書の妨げにならないようにインストゥルメンタルの曲を選ぶ。
ところが今読んでいる本にラテンアメリカのノリが合わないのである。
そこでiTunesの検索窓にclassicalと打ち込むと、わがコレクションの中からトップでヒットしたのがチャイコフスキーの交響曲第六番『悲愴』であった。

小雪舞う早暁、首相官邸に反乱軍が討ち入りを果たす場面のBGMとして『悲愴』がまさにおあつらえむきだったのが『大日本帝国の興亡』である(つまり討ち入りとは二・二六事件)。

翻訳以外も読むんかいと突っ込まれそうだが、著者はアメリカ人のジョン・トーランドで毎日新聞社訳のレキとした翻訳本(全五巻)である。終戦とほぼ同時に設立された早川書房が七十周年企画として旧版に加筆してリメイク(価格は二〇〇五年比で六割七分六厘アップ)した。
私がすすめる一冊(五冊)および二〇一五年のベスト2(注:ベスト1は『街で出会った欧文書体実例集』)でもある。
(武田伴兵衛・ハヤカワの宣伝マンか59歳プラス1・豊中市)

終戦から71年。
開戦はその4年前、二・二六事件はその5年前のことだった。


 

2016/02/25

日本橋ショップツアー


(長文)
電子バナーの部品を買う必要が生じて、大阪市内に出かける。
たいていのものはネット通販で間に合わせる。
買いに出かけると、通販の送料よりも交通費の方がかさむからである。
今回はネットで見つからない部品を求めてのツアーである。

求めているのは何かというと、単3形電池をタテに2本直列収納するケースである。
こんな単純なものがネットで見つからないとは意外である。
以前購入したことのあるリアルの店を目指す。

地下鉄で難波まで行く。
ここから日本橋(ニッポンバシ)の電器屋街までは少し離れているが、途中の店店をのぞきながらぶらぶら歩くのがいつものスタイルである。
電器屋街に足を踏み入れたのは今から四十数年前、中学にあがったばかりの頃である。
当時、深夜放送をトランジスタラジオで聴くのが中学・高校生の間で大流行していた。
番組そのものやレコードをテープに録音して楽しむことも続いて流行した。

ラジオやテープレコーダを買うなら日本橋で、というのが我我の合言葉だった。
まとまったお金を持って店から店をまわり、目当ての製品の販売価格を比較していた。
価格ドットコム・オン・マイ・フットであります。
子どもながら、値切るということを当たり前にやっていた。
先輩たちに、そう教わっていたからである。

現在の難波に戻る。
高島屋百貨店の真下から地上に出て、日本橋方面に歩き出す。
銀行を襲い、口座から軍資金を引き出す。
銀行を出て少し行くと、厨房や飲食店向けの商品を扱う道具屋筋商店街を通る。
自宅の台所用品の過半はここで購入したものたちである。
陶器を主に扱う店にふらりと入る。
姿形のいいラーメン鉢があれば買いたいけれど……
三つの店をはしごして何十鉢も拝見したが、気に入ったものなし。
妥協を許さぬこの性格、なんとかならないか。
(なりまへん)

道具屋筋を抜けると日本橋エリアである。
大昔は家電とオーディオ、ちょっと昔はPC、現在は携帯電話とメイドカフェといった店が目立つ界隈。
自分でラジオやオーディオ機器を組み立てるマニアのための部品屋も、昔は大通り沿いに店を開いていたのである。
ニノミヤ無線しかり、サトーパーツしかり。

マニアの呼称はいつの間にかオタクと変わり、その人たち向けの店は大通りから一、二本裏の通りへと移動したのである。
今回目指すのは、そんな裏通りにある店店である。




千石電商で電池ケースを買う。交差点の向こう側にマルツが見える






















裏通りだけれど、道幅は広い。
信号を左に折れて少しのところに「DIGIT(デジット)」、右に折れて大通りに当たる角のところに「シリコンハウス共立」という店があり、写真の店と合わせて4店をはしごする。
同じ商品でも店によって価格に幅があるのは当たり前なので、足を使って調べ、最も安い店で買う。
ネットでこれをすると送料が店の数だけかさむので、実店舗ツアーならではのメリットがここにある。

千石電商で、目当ての電池ケースを購入。
とりあえず1個あれば用は足りるのだが、4個まとめて買っておく。
他にユニヴァーサル基板(部品をのせる)、プラスチックのケース(基板を入れる)を購入。

マルツ(元は丸通という名前)はパスしてDIGITへ行く。
この店のみが昔の部品屋の風情を現在まで残している。
抵抗器1本(120オーム)、積層セラミックコンデンサ10個(0.1μファラッド)、セラミック発振子4個(8MHz)、ICソケット4台(28ピン)、スペーサー12本(基板取付け用)を購入。
Arduinoに搭載されているのと同じマイコンを見つけたが、生の状態で600円は高い。

パスしたマルツに入店。
さきほどのと同じマイコン、しかもブートローダ書き込み済みの状態で420円。
3個まとめて買ってしまった。

一番大きな店、シリコンハウス共立へ行く。
エスカレータで昇り降りする立派なビルヂングである。
プッシュスイッチ1個(押すたびにON-OFF切替え)、トグルスイッチ1個、ピンソケットいろいろを買う。
プッシュスイッチが250円、そのサイズに比すと非常に高価だが、電気で動くものにスイッチがあるとないとでは格好の良さが違う。
ものによると、電池ケースに電池を入れることがスイッチオンとなったりするのである。

井之頭五郎ぢゃないけれど、腹が減った……
最近数が増えたコンビニエンスストアに飛び込んでパンを二つ買う。
イートインというスペースに席を借り、帰途のエナジー補給。

ジュンク堂千日前店に入る。
部品屋よりも買いたいものの多い、危険な店である。
講談社のブルーバックスの棚でRaspberry Pi(ラズベリーパイ)関連の入門書を検索。
Arduinoはたんなるマイコンボードだが、こちらはレキとしたコンピュータだ。
電子工作関連の棚も検索したが、一冊も買わずに退店。





千日前店閉店のお知らせ。他のジュンク堂とダブるからか?





















この店の向かいに「なんばグランド花月(NGK)」があって、人通りが多い。
ジュンク堂を出て、NGKとは反対方向にあるゲームセンターを通り抜けて帰るのが常である。
そこでゲーセンを抜けて……のつもりが、いつの間にかゲーセンはパチンコパーラーに模様替えされていた。
そこを通り抜けたとき、体中が煙草くさいのに気づいた。

戎橋筋から心斎橋筋へと、東アジアの人たちの群をかき分けながら歩いた。
都心にしか店のない「GU」に入る。
フランネルのパジャマを、約2,000円で買う。
ターンブル&アッサーによく似たデザインのパジャマがあるのだが、そちらは20倍の価格である。
ブラボー、GU。

改装中の大丸百貨店の下から地下鉄に乗り、帰る。


 

2016/02/18

ひさびさに掲載


『本の雑誌』2016年3月号に、偏固ジャーナルからの投稿が採用された。
毎月せっせと電子メイルで送稿しているのだが、ここのところ「打率」が低迷していた。
久しぶりのヒットというわけだ。
毎回、本にまつわる話を短いエッセイに仕立てているが、今回はナベサダがテーマだった。

ナベサダこと渡辺貞夫が航空機の中で、北原亞以子あての手紙を書いている。
北原とは『深川澪通り木戸番小屋』という時代小説シリーズなどの作者であり、このブログを書いている時点ですでに故人となっている。
渡辺は、作者自身か編集者に依頼された北原作品の解説を、ヨーロッパの公演先からの帰途、書こうとするのだが……

ナベサダという人は、本業のジャズ以外に写真の腕前でも評価されているが、文章の方もたいしたもんやということがわかるのである。




















 

2016/02/15

杮落とし


こけらおとし、である。
春のごとく暖かい2月14日、市立吹田サッカースタジアムにおいて、杮落としの試合がガンバ大阪と名古屋グランパスの間で行われた。
市立といって、どこの市かといえば吹田なので、正式には吹田市立吹田サッカースタジアムという名称になるのか。
偏固ジャーナルでは独自に(勝手に)「万博フットボールパーク(Expo Football Park)」と呼んでいる。

VIPの友人からの招待を受けて、彼らが利用するラウンジ付きの席で観戦することができた。
いつもの調子で、受付開始直後に入場したのだが……
VIPがそんな早い時間にスタジアムに行かないということは、自分の頭の中にはなかった。
という訳で、VIPラウンジはまったく受入れの準備ができていない状態だった。
対応できるスタッフをようやく見つけ、ラウンジのすぐ内側(つまりフィールド側)の指定席に座らせてもらうことになった。



VIPラウンジに一番乗り。早過ぎて迷惑な客だった



















ラウンジから観覧席へ出られる




















フィールドでは前前座の、ジュニアの試合が行われていたので、観戦する。
それが終わると、前座の試合があり、それも観る。
ガンバOBの中山悟志と山口智ご両人の引退試合である。
天才・礒貝洋光をはじめ、ガンバに縁のある人たちが顔を揃える。
初代監督の釜本邦茂、「FOOT x BRAIN」の勝村政信、松平健の各氏もゲスト参加した。
引退する二人に花束を渡したのは、ガンバの遠藤キャプテンと、対戦相手の名古屋に移籍した明神選手。





本戦前、整列したG大阪と名古屋のイレヴン




















バック側スタンド。前前座試合中の図




















スタジアムへのアクセスは「最悪」。
最寄りのモノレイル駅「万博記念公園」からダイレクトに歩ける道を、昨年11月にオープンした「EXPOCITY」にさえぎられ、迂回路を延々と歩かされる。
試合終了後、スタジアムから駅までの長蛇の列ができた。
牛歩で進むこと20数分、駅に着いてからホームに降り立つまで、さらに30分。
入線してきた列車を1本見送って、やっと乗車。
イワシの缶詰め状態で帰った。
予想した通りの混雑だったが、うんざりである。


 

2016/02/12

Remake: プロトタイプ01


専門のベイカリーではなく、一般の市場で気に入ってよく買うフランスパンがある。
小麦粉が原料の製品が軒並み値上げをするなかで、ずっと同じ値段で売られている。
これはありがたや、というわけでまた買うのだが……
焼き上がりサイズが小さくなっている気がするのである。
(がくっ)

ところで、LEDマトリクスの話の続きである。
プロトタイプの一つ目は、実際にスタジアムに持って行き、パフォーマンスを確かめた。
陽光の下では、微かに点滅しているのが見えるだけで、何を表示しているかはまったく判らない状態だった。
という訳で、あっさりボツになった。
しかし、捨ててしまうのはもったいないので、本棚の片隅に置いておいた。

それから三年。
部品屋で手に入るLEDの性能が上がり(つまり明るくなり)、かつ安価になった。
そのLEDでよりパフォーマンスの高い電子バナーを作ることにした。
懲りていないわけである。

プロトタイプ01のLEDを新しいものに置き換えることは非常にやっかいなので、新規に作った。
その際のノウハウを活かして、プロトタイプ01を少し改良したのである。
ガソリンスタンドの価格表示を参考にして、LEDの光を拡散するケースにすべてを収めた。
ケースは100円ショップで手に入れた小物入れである。

メインボードも小さな互換機が新たに手に入ったので、全体を小さくまとめることができた。
しかも、これまた安価なのがうれしい。
Arduinoが3,000円ぐらいするのに対し、今回使用した最小構成の互換機はその四分の一ほどの値段なのである。




リメイクなったプロトタイプ01は半透明のケースに収納。全点灯した状態



















単四形の電池ケース、スイッチ、マイコンボード


















 

2016/02/08

プロトタイプ01


四年ぐらい前のことになる。
LEDのマトリクスを自作しようと思い立った。
その頃よく通っていたスタジアムの最前列の手すりに、横断幕の代わりに電子バナーを吊るそうという思惑だった。

市販品のLEDマトリクスは一体成型されているので、分解して中の構造を調べることは、素人には不可能である。
64個のLEDが8かける8のマス目状に並べられている。
背面には端子のピンが8本、上下に一列ずつ、合計16本突き出ている。
64個のLEDの点滅を、この16ピンで制御するのである。

LEDのメーカーのウェブサイトで調べてみると、各製品の仕様書がPDFで読めるようになっていた。
現物をリエンジニアリングすることは無理でも、仕様書が読めればOKだ。
その仕様書の中に、64個のLEDの回路図が記載されていたのである。
中学校のアマチュア無線クラブに所属していた頃から、回路図を読むのは苦手だ。
しかし、部品は脚が2本のLEDだけなので、つなぎ方さえ理解できればいい。
要は、LEDのプラス側の脚だけ連結して8行、マイナスの脚を連結して8列のマトリクスを作る。

脚の連結は、ハンダ付けで行う。
これまた苦手種目だ。
手先は器用だと自惚れていたのが間違いだったと思い知らされる時。

材料のLEDは、日本橋の部品屋で手に入れておいたものだ。
特売品で、ポリ袋にがさっと100個入れられたものが、1000円だったと記憶している。



とりあえず、これが最初にできたLEDマトリクス



















配線が終わった時の状態



















Arduinoそのものが取り付けられている



















LEDマトリクスの点滅を制御するプログラムは、他人が書いたものをウェブ上から拝借して、それに手を加えた。
Arduinoは、ハードもソフトもオープンソースなので、気兼ねなく使えてありがたい。

プログラムに手を加えた、と書いたが、回路図同様にプログラムもほぼ読めない。
少ないながら読める部分があって、そこには文字の形が64個のドットで記述されていたのである。
点灯するドットは「1」、消灯するドットは「0」で書かれていて「1」の部分をつなげると1個の文字に見える。
8かける8ドットのフォントならば、得意分野である。
こつこつ「1」と「0」を書き分けていけば、やがて文字列ができ上がる。
文字列を右から左へスクロールさせるのはプログラムの残りの部分がやってくれる。

こうしてプロトタイプ01、と今では呼んでいるLEDマトリクスは完成したのだが……
特売品のLEDは光量不足で、昼間のスタジアムではとても使い物にはならなかったのでした。


 

2016/02/06

立春をすぎて


ブログエントリー低調。
2015年12月は末日にやっと一件。
明けて2016年1月はゼロエントリー。

書く、と誰に約束したのでもなく、自分の正気を保つためという理由で始めたが……
他のことに時間をとられることが多くなってきた。
つぶやくぐらいならできるかも、とTwitterまですることになった。
140字なら、あっという間に書けるからね。

ちなみにTwitterのアカウントを作るのは三つ目。
140字で連載小説を書こうとしたが、中途挫折。
最新のアカウントは実名登録にした。
アプリ連携というやつで、ツィートしたらFacebookの方に自動的にアップされるようにした。
TwitterがFacebookと違うところは、スパンが広いこと。
つまり、閉鎖的でなくオープンで、一言つぶやくと世界中からリツィートがあるということだ。
ロシア人がリツィートしてくれたので、彼のところを覗きにいったのだが、一語も理解できなかった。

それはともかく。
今もっとも時間をとっているのが「電子バナー」の製作である。
Arduino(アルドゥイーノ)という、マイクロコントローラをプログラミングするボードを手に入れたのが事の始まり。
このボードのピンソケットにLEDを挿して点滅させるだけなら、ただの理科実験に終わる。
タテ8行×ヨコ8列(逆かな?)のマトリクス状に並んだLEDを順番に点滅させられることを知り、これはスタジアムで使えるのでは、と思いついた。

プロの試合で審判が使用する、交代選手の背番号や追加時間を表示するための電光表示板をイメージした。
あの表示板は数字のみを表示するが、そこに何らかのメッセージを「流したい」。
それがつまり「電子バナー」と呼ぶ所以である。

マトリクス状のLEDは市販されている。
前述のハチハチ(8×8)や、5×7、5×9、他のバリエーションがある。
8×8の製品で、大きくても60ミリ角なので、到底スタジアムでのメッセージ表示の役には立たない。
という訳で、LEDをバラで64個買ってきて、大きな枠に並べてマトリクスを作ることにしたのである。
この話、先が長いので、今回はここまで。





市販品のLEDマトリクス(60ミリ角)を基板に載せたところ