2016/02/25

日本橋ショップツアー


(長文)
電子バナーの部品を買う必要が生じて、大阪市内に出かける。
たいていのものはネット通販で間に合わせる。
買いに出かけると、通販の送料よりも交通費の方がかさむからである。
今回はネットで見つからない部品を求めてのツアーである。

求めているのは何かというと、単3形電池をタテに2本直列収納するケースである。
こんな単純なものがネットで見つからないとは意外である。
以前購入したことのあるリアルの店を目指す。

地下鉄で難波まで行く。
ここから日本橋(ニッポンバシ)の電器屋街までは少し離れているが、途中の店店をのぞきながらぶらぶら歩くのがいつものスタイルである。
電器屋街に足を踏み入れたのは今から四十数年前、中学にあがったばかりの頃である。
当時、深夜放送をトランジスタラジオで聴くのが中学・高校生の間で大流行していた。
番組そのものやレコードをテープに録音して楽しむことも続いて流行した。

ラジオやテープレコーダを買うなら日本橋で、というのが我我の合言葉だった。
まとまったお金を持って店から店をまわり、目当ての製品の販売価格を比較していた。
価格ドットコム・オン・マイ・フットであります。
子どもながら、値切るということを当たり前にやっていた。
先輩たちに、そう教わっていたからである。

現在の難波に戻る。
高島屋百貨店の真下から地上に出て、日本橋方面に歩き出す。
銀行を襲い、口座から軍資金を引き出す。
銀行を出て少し行くと、厨房や飲食店向けの商品を扱う道具屋筋商店街を通る。
自宅の台所用品の過半はここで購入したものたちである。
陶器を主に扱う店にふらりと入る。
姿形のいいラーメン鉢があれば買いたいけれど……
三つの店をはしごして何十鉢も拝見したが、気に入ったものなし。
妥協を許さぬこの性格、なんとかならないか。
(なりまへん)

道具屋筋を抜けると日本橋エリアである。
大昔は家電とオーディオ、ちょっと昔はPC、現在は携帯電話とメイドカフェといった店が目立つ界隈。
自分でラジオやオーディオ機器を組み立てるマニアのための部品屋も、昔は大通り沿いに店を開いていたのである。
ニノミヤ無線しかり、サトーパーツしかり。

マニアの呼称はいつの間にかオタクと変わり、その人たち向けの店は大通りから一、二本裏の通りへと移動したのである。
今回目指すのは、そんな裏通りにある店店である。




千石電商で電池ケースを買う。交差点の向こう側にマルツが見える






















裏通りだけれど、道幅は広い。
信号を左に折れて少しのところに「DIGIT(デジット)」、右に折れて大通りに当たる角のところに「シリコンハウス共立」という店があり、写真の店と合わせて4店をはしごする。
同じ商品でも店によって価格に幅があるのは当たり前なので、足を使って調べ、最も安い店で買う。
ネットでこれをすると送料が店の数だけかさむので、実店舗ツアーならではのメリットがここにある。

千石電商で、目当ての電池ケースを購入。
とりあえず1個あれば用は足りるのだが、4個まとめて買っておく。
他にユニヴァーサル基板(部品をのせる)、プラスチックのケース(基板を入れる)を購入。

マルツ(元は丸通という名前)はパスしてDIGITへ行く。
この店のみが昔の部品屋の風情を現在まで残している。
抵抗器1本(120オーム)、積層セラミックコンデンサ10個(0.1μファラッド)、セラミック発振子4個(8MHz)、ICソケット4台(28ピン)、スペーサー12本(基板取付け用)を購入。
Arduinoに搭載されているのと同じマイコンを見つけたが、生の状態で600円は高い。

パスしたマルツに入店。
さきほどのと同じマイコン、しかもブートローダ書き込み済みの状態で420円。
3個まとめて買ってしまった。

一番大きな店、シリコンハウス共立へ行く。
エスカレータで昇り降りする立派なビルヂングである。
プッシュスイッチ1個(押すたびにON-OFF切替え)、トグルスイッチ1個、ピンソケットいろいろを買う。
プッシュスイッチが250円、そのサイズに比すと非常に高価だが、電気で動くものにスイッチがあるとないとでは格好の良さが違う。
ものによると、電池ケースに電池を入れることがスイッチオンとなったりするのである。

井之頭五郎ぢゃないけれど、腹が減った……
最近数が増えたコンビニエンスストアに飛び込んでパンを二つ買う。
イートインというスペースに席を借り、帰途のエナジー補給。

ジュンク堂千日前店に入る。
部品屋よりも買いたいものの多い、危険な店である。
講談社のブルーバックスの棚でRaspberry Pi(ラズベリーパイ)関連の入門書を検索。
Arduinoはたんなるマイコンボードだが、こちらはレキとしたコンピュータだ。
電子工作関連の棚も検索したが、一冊も買わずに退店。





千日前店閉店のお知らせ。他のジュンク堂とダブるからか?





















この店の向かいに「なんばグランド花月(NGK)」があって、人通りが多い。
ジュンク堂を出て、NGKとは反対方向にあるゲームセンターを通り抜けて帰るのが常である。
そこでゲーセンを抜けて……のつもりが、いつの間にかゲーセンはパチンコパーラーに模様替えされていた。
そこを通り抜けたとき、体中が煙草くさいのに気づいた。

戎橋筋から心斎橋筋へと、東アジアの人たちの群をかき分けながら歩いた。
都心にしか店のない「GU」に入る。
フランネルのパジャマを、約2,000円で買う。
ターンブル&アッサーによく似たデザインのパジャマがあるのだが、そちらは20倍の価格である。
ブラボー、GU。

改装中の大丸百貨店の下から地下鉄に乗り、帰る。


 

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