2017/02/18

ときどき新聞-->


中国の電視台(テレビ)のニュース番組のタイトル画面をみると、
「○○新聞」と表示されていて、違和感をおぼえた。
それは自分が、新聞とは印刷されたものと思い込んでいたからである。
NEWSの漢字訳が「新聞」なのだと気づけば、腑に落ちる。
新聞すなわちニュース(英語の発音は、語尾が濁る)であるのに、日本では紙媒体と電波媒体で使い分けをしているのであった。

日々のニュース、つまり「Daily News」はその名のままの新聞がアメリカにある。
和訳すれば……「毎日新聞」だ!

新聞の月ぎめ購読をやめて、もう何年にもなる。
特段の不自由は感じていない。
実家の母は、どうやら惰性で購読しているようである。
こんなロクでもないニュースばっかり載ってるもんに金払て、とこぼしている。

その母から毎日曜日の朝刊をもらって、貪るように読んでいるのはこの自分である。
主たる目的は、書評である。
自分が読みたくなるような本がとりあげられることはめったにないが、さまざまな知識人が書いている評文を興味深く読んでいる。

月に一度は、朝日新聞の日曜の朝刊を買う。
別刷りの「The GLOBE」を手に入れるためだ。
紙面デザインが気に入っている。
自転車に乗って、鉄道の駅の売店まで買いに行く。
コンビニエンスストアで売られているものには、別刷りがついていない。

朝日新聞も日曜の朝刊に書評欄がある。
他紙と同じ本がとりあげられることもあるが、似たような評にならないところが面白い。
例えば、ピーター・ペジック著『近代科学の形成と音楽』(NTT出版)。
2月5日に五十嵐太郎氏(建築批評家・東北大学教授)が約800字の評を書いている。
毎日新聞1月29日には、中村陽一郎氏(東大名誉教授[科学史])も約1,500字で評を書いているのである。
本のタイトルをふせれば、これが同じ本のことを紹介しているとは、わかるまい。
かろうじてニュートンの名と、天文学・算術・幾何学・音楽という単語が共通しているぐらいである。



朝日新聞・2月5日朝刊















毎日新聞・1月29日朝刊

























いいとか悪いとかの問題ではなく。
一冊を十人が読めば、十通りの読みとり方・十通りの感想・十通りの評価があり得るということである。
書評家Aが絶賛する本を同業者Bはけなすし、Bが激賞した本を一般人Cが読んだら超面白い、とは限らない!



 

2017/02/13

書くのも遅い-->


ジャーナルの更新がなかなかされない、ということである。
このジャーナル(ブログ)も、なんと今年で創刊(開設)9年目である。
初年度180近くあったエントリも、100を切り、50ぐらいになって、これではジャーナル(日誌)とはいえない。
ウェブログの「ログ」にしても日誌という意味だから、いっそ「偏固カジュアル(casual=不定期)」とでも改名しようか。

年間50エントリということは、平均で週一回の割である。
日誌なのだから、どこ行った、何食べたの記録でもいいのだろうが、それでは自分でさえもつまらない。
せめて400字ぐらいは、何ごとか意味のあることを書きたいと思うのである。
すると今度は、書きたい何ごとかが見つからない。
書くのが義務ではないので、ほうっておく。
言い訳を、誰にする必要もない。



 




キートップはUS表示。青黒のペンはスタイラス兼用のBic































そういう訳で書くのは遅いが、実は打つのは速い。
近ごろはPCよりタブレットを使う機会の方が多くなって、ソフトウェアキーボードでの入力をしていた。
キーを打ったという手応えがないのでブラインドタッチができないし、皮脂でディスプレイを汚すのが気に入らない。
そこで、ハードウェアキーボードをiPad miniに装着して文字入力をするようになった。
やはりこちらの方が、かなり効率がいい。
つくづく、PC向きの人間だなあと思うのである。

 


2017/02/12

読むのが遅い!-->


『騎士団長殺し』。
心惹かれるタイトルである。
中世の騎士物語は大好きだし、ミステリとくれば即買いでしょう。
バットゼン、いやBut then,
作者が村上春樹と知れば、おおいに躊躇してしまう。
『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』まではおおいに楽しんだ。
『ノルウェイの森』も読んだが、そこで村上熱は冷めてしまったのである。

今、読み進めているのは、
『[完全版]ビートルズ全曲歌詞集』(スティーヴ・ターナー著/ヤマハミュージックメディア刊)である。
昨年末に公共図書館から借り出して、年をまたいで読み続け、しかしまだ読み終えられず、借りっぱなしの状態なのだ。



A4版変型・352ページ

























他市の図書館の決まりは知らないが、当市では一回二週の期間で本を借りることができる。
その本を他の人が借りたいと思っていないのであれば、つまり予約が入っていなければ、一回限り二週間の借り出し延長ができることになっている。
年が明けて、延長の申請をして受理された。
これは図書館のWEBで簡単に手続きができる。
予約の有無も確認できるのである。

二週間延長したのに、読み終わらない。
なぜそんなに時間がかかるのか。
一番の理由は、集中力がないからである。
もともと読むのは遅い方であるが、今回の本はとくに「読みで」があり過ぎる。

ビートルズの全曲歌詞集、と聞けば英文の歌詞に和文対訳が羅列されたものと想いがちである。
しかしこれは違う。
それぞれの曲ができたバックグラウンドを、でき得るかぎり事細かく書き込んであって、うっかりと読みとばすことができない。
ライナーノーツよりも詳しく、もっと下世話な部分もある。
ビートルズが地方公演先で、どのホテルに泊まったか、そのとき誰女(だれじょ)が一緒でとか、何それを吸飲食したとか……

いわゆる「ビートルズ番」のジャーナリストが、長年にわたって取材した素材を、時系列にそってレイアウトしたものに、歌詞が添えられているといった方がいいかも知れぬ。
一曲あるいは数曲分の解説文を読み、該当曲をiPodから呼び出して、歌詞を読みながら聴くということを繰り返している。
この作業を全曲スルーで行うほどの集中力は、自分にはない。

図書館からの借り出しは、二回目の延長はできない決まりになっている。
そこで、期限が来た日の朝、しぶしぶ返却しに行った。
夕方、また図書館に行って、同じ本を借り出した。
若干の後ろめたさはあるが、ルール違反はしていない。
少なくとも数時間は他人の目にふれるところにあったが、誰も借りなかったのである。

あらたに借り出してからそろそろ二週間。
まだ読み終わらない!
またまた延長を申請するところである。