2019/12/29

ジュンク堂書店難波店


難波千日前の、なんばグランド花月[NGK]の斜(はす)向かいにあったジュンク堂書店が移転してから久しい。
ロケーション・店舗規模・店内レイアウトすべて良し、の書店だった。
聞いたところによれば、ビルの所有者との賃貸契約更新交渉で折り合いがつかず、明け渡したということであるが、後には「ドン.キホーテ」が入居した。
何はなくとも、書店がここ難波にないのは不便で、寂しい。

実は、ジュンク堂書店難波店は難波千日前から撤退した後、湊町に移転したのである。
湊町も広い意味では難波である、と言えないこともない。
であるが、髙島屋百貨店を基準に考えると湊町は、かなり遠い。

12月のある日、修理に出していたRX100を引き取りに、難波に行った。
その後、別の用事(ドローンの講習会)で住之江公園に移動するまでの空き時間を使って、ジュンク堂の新・難波店に行った。
場所が、分かりにくい。
何度もビルの前を通り過ぎて、時間を無駄にしてしまった。

当日買ったのは、この二冊。
『HTML5&CSS3 デザインレシピ集』/狩野佑東著/技術評論社/3,025円
『本の雑誌』2020年1月号/897円




HTMLがこれほど(5まで)進んでいるとは知らなかった。
自分の知識は1.0どまりだ。
ちなみに、小説本がこの値段なら躊躇するけれど、技術関係の本は簡単に買えてしまう。
『本の雑誌』は、三角窓口に拙稿が採用されている。
編集部がつけてくれた二段抜きの見出しは、
上巻を買った人がなぜ下巻を買わないのか!?
である。
 

2019/12/28

LeicaとZeiss[メモ]


カメラレンズのマウント方向(およびリングの回転方向)が正反対、という話の補遺。

1840年代後半のドイツに、ともに顕微鏡の製造からスタートした、後のライカ[Leica]とツァイス[Zeiss]という二大ライヴァルメイカーの萌芽がみられる。

LeicaはLeitz(ライツ:人名)のカメラという意味合いからして、カメラのメイカーだという姿勢を強く打ち出しているのに対して、Zeiss(これも人名)はレンズ専業という印象が強い。
それは現在の話で、かつてZeissにもZeiss Ikon(ツァイス・イコン)というカメラブランドが存在した。

Webで調べたことの受け売りだが、日本光学がカメラを製造する際にZeissを目指し、精機光学研究所(後のキヤノン[Canon])はLeicaを手本とした、ということである。
ZeissのカメラとLeicaとは、レンズのピントおよび距離リングの回転方向が異なっていたために、それぞれを手本としたNikonとCanonでも逆転が起きたのである。
ちなみに、日本光学(現ニコン)のブランドであるNikonも、ZeissのIkonに通じるものがある。

Leica、Canonと同方向に回転するレンズを採用しているカメラは、他にはオリンパス[Olympus]、シグマ[Sigma]ぐらいで、実は少数派である。
 

2019/12/26

PENTAXを忘れてた


またカメラの話だ。

デジタルカメラ3台
・一眼レフ(Nikon D60)
・コンパクト(SONY DSC-RX100)
・スマートフォン(iPhone SE)
を所有している。
もう使わなくなって押入れにしまってあるフィルムカメラ(Nikon EM)も1台ある。
EMは、かの有名なジウジアーロの手になるデザインである。

近ごろは、RX100を首から袈裟がけにして携帯し、撮影をしている。
小型だが高性能で、これ一台で満足している。
それにもかかわらず大規模電器店の売り場を、しばしば素見すのは、カメラが好きだからだろう。
すきあらば、ぢゃなかった金があったら、必要もないのに買ってしまうかもしれない。


カメラの「命」はレンズである、と思っている。
その意味において、レンズのメイカーから写真機のメイカーに進化した企業の製品を支持する。
国産ならNikon(日本光学)、PENTAX(旭光学)といった「光学」と名のつくメイカーのカメラが、これにあたる。
実は、今まで使った中で最も写りのよかったのはPENTAXの、所謂「バカチョン」カメラだった。
やはり、レンズがよかったのである。


一眼レフの交換レンズには、各社独自のマウントシステムが設定されていて、互換性がない。
一社の中でも、例えばNikonの有名なFマウントと、新しいZマウントは互換性がないので、マウントアダプタを介して装着できるようにしているのである。

Nikonのカメラボディにレンズを装着する場合、右利きの人であれば、左手でボディを保持して、右手でレンズをマウント部に嵌め込み、反時計回りで固定する。
Canonの場合は、これを時計回りで行なうのである。
そればかりではなく、レンズの距離リング・絞りリングの回転も逆方向に行なう。
すなわち、Nikonであれば、カメラボディに対して反時計回りに距離を伸ばしていく[あるいはフォーカスを絞っていく]のだが、Canonでは正反対となる。
カメラマンの使い勝手の点においても、機種の乗り換えは簡単にいかないことが、想像できる。
ちなみに、PENTAXはNikonと同じ回転方向を採用している。


PENTAXは、光学機器およびガラスのメイカーであるHOYAに買収・子会社化された後、現在はリコーイメージング株式会社の製品ブランドとしてのみ、名を残している。
「PENTAX」の名を冠した現行機種が、存在するのである。
デザインがクラシカルなのが、うれしい。
いや、買わへんけどね……
 

2019/12/07

グランメゾン東京


連続ドラマを観ないようにしている。
ワンクール追いかけなければならないのが面倒で、そんなことをしている暇があったら、翻訳ミステリを読む時間にあてたい。
ちなみに、昔は放映されるドラマの初回を全部チェックして、面白そうなものだけを続けて観ていたが……。

『グランメゾン東京』(TBS系)を観る気はなかったのに、中村アンが出演すると知って、第2回から観始めた(その回に彼女の出演シーンはなかった!)。
三つ星を目指すフレンチレストランの話なので、興味の範囲外。
であるが、アン観たさに惰性で観続けているのである。

舞台となるレストランの名が「グランメゾン東京」という。
主役のオウナーシェフを演じるのが、鈴木京香。
そのスーシェフ役に木村拓哉。
メートルドテル役に沢村一樹を配している。

毎度のことであるが、木村がドラマの中で使用する大小の道具に注目が集まり、世間では同じものを買い求める人が多いようである。
道具のメイカーも、そのことを承知していて、ドラマの中で使用されるように「タイアップ」を申し出るわけである。

『グランメゾン東京』でいえば、まずはオウナーシェフのスバル。
スーシェフの木村は助手席に座らされている。
フォレスターというスポーツ用多目的車(SUV)で、きれいな淡いブルーの車体が人気を呼びそうである(車両価格は約300万円)。
ファッション小物では、木村がかけているRay-Banのウェイファーラーという眼鏡。
定番商品だが、木村拓哉効果で、さらに売れる可能性がある(価格は1万〜2万円ぐらい)。

今回木村が演じる役柄は、パリから落ちのびてきた料理人という設定なので、衣装は古着ばかり(コックコートを除く)である。
くたびれた感じの革のジャケットが目にとまったので調べてみると、ラルフ・ローレンのカーコートだと判った。
これは欲しい、と思って値段を見たら……28万円。
絶対無理。
 

2019/11/21

運命のコイン


今年は大流行と聞いて、久しぶりにインフルエンザのワクチン注射を受けた。
自分が罹患して現在同居中の母に移さないようにとの配慮である。
想定の内だったが、注射をしてから体調不良である。

それはともかく。
愛読誌『本の雑誌』では、毎年度の文庫本ベストワンを読者から募り、それを同社『おすすめ文庫王国』の毎年版で紹介している。
今回の募集のレギュレイションは「2019年11月以降発行の文庫」を「11月5日までに」応募せよ、というものであった。
絶対に無理とはいえないが、かなり厳しい日限である。
五日間で一冊読めたとして、それがベストワンになる必然性が高い。

偏固ジャーナルが選んだベスト&オンリーワンは……
ジェフリー・アーチャー著、戸田裕之訳『運命のコイン』(上・下巻/新潮文庫・2019年11月1日発行)である。


帯つき


帯なし


「前科者」アーチャーは七部の大作『クリフトン年代記』の後、例によって短編集『嘘ばっかり』を出版した。
『嘘ばっかり』に付録されたのが『運命のコイン』の予告編である。
こんな形で自作の販売促進をしたのは、たぶんアーチャーが最初だろう。

ネタばれしないように『運命のコイン』を紹介したい。
レニングラードで幕を開けた物語は、まるでコインの表裏のようにイギリスへ、あるいはアメリカへと展開して、再びレニングラード(サンクトペテルブルク)に回帰する。
主人公はレニングラード生まれのアレクサンドル・カルペンコ。
愛称はアレックス、あるいはロシア風にサーシャである。
レニングラード時代にウラジーミルという友人がいた。
予告編でニコという名だった叔父は、本編ではコーリャとなっている。
以上w
もしかして、アーチャー初のSFか?という気がしないでもない。

『運命のコイン』をもって文庫ベストワンへの応募を果たすことができた。
厳しい締め切りについては、編集部から「2018年11月以降」の誤りでした、と連絡があった。
 

2019/11/06

N-3Bもどき


「N-3Bジャケット」というものを買った。
ユニクロブランドでカンボジア製、本来7,990円のところ、4,990円に値引きされて売られていた。

N-3Bは偏固ジャーナルに、よく登場するアイテムである。
米国の軍用仕様(ミルスペック)に従って作られた、防寒用のコートの一つである。
MA-1というのも、よく耳にするスペックナンバーだが、これはパイロット用の短ジャンパーのことで、短い衿と袖口がリブ編みである。
N-3Bは尻を覆うほどの丈の長さで、縁にボアのついたフードが付属する。
こちらも袖口はリブだが、リブを袖が覆う仕立てになっている。
N-3Bを丈だけ短かくしたものがN-2Bである。

N-3Bは、またの名をアラスカンコートといい、極寒地で寒さをしのぐために開発されたものである。
寒がりの私は、30年前のある日、西心斎橋の服屋で一着買い求めた。
ミルスペックに沿った衣料品の有名ブランドには、AVIREX(アヴィレックス)、ALPHA(アルファ)、Buzz Rickson(バズ・リックソン)などがある。
いわゆる軍の放出品なのだが、民間人のファッションアイテムとして人気を得たのである。
私が購入したN-3Bは紙製のタグが縫い付けてあるだけの、いわゆるノーブランド品だった。
価格は3万円。
有名ブランドよりは、かなり安い買い物だった。

軍国主義などと批判を受けることがある。
なにゆえに、戦争服を着るのか。しかも、かつての敵国のものを。
自分としては、たんに機能を重視した結果の選択だったのである。
軍の要求するスペック(耐寒性、耐久性や、それらに関わる材質等)は非常の厳しいもので、そこから生まれた私のN-3Bは、なんと30年の使用に耐えたのである。
まさか、30年の使用に耐えうること、という仕様ではなかったであろうが、一気に力尽きて朽ち果てるような最期だった。

さて、ユニクロの「N-3Bジャケット」である。
つまるところ、ミルスペックに則っていないはずのものが、N-3Bを名乗ってはいけないのである。
N-3B「風」ジャケット、とか、N-3Bジャケット「もどき」、が相応しい。
そういうことを言っておきながら、値段の安さに負けて、買ってしまった。
やっぱり、見るからに温かそうでもあるし。
消費税込みで5,489円。
30年前のN-3Bの、約6分の1だから、5年保ってくれれば御の字である。
 

2019/10/24

ザ・ゴールド


10月23日水曜日。
Amazon.co.jpからメイルが来て、注文品(ポータブルHDD)を発送した、納品予定日は11月1日金曜日である、と言う。
発送してから納品まで9日もかかる、という計算である。
そんなに急いでいるわけではないから、ええねんけど。


一昨年の秋、カリン・スローターという作家を知り、その作品を読んだら虜になってしまった。
アメリカ・ジョージア州捜査局(GBI)を舞台にした警察小説のシリーズを追いかけて読んでいるのだが、新作が出るのを非常に楽しみにしている。
スローターを教えてくれたのは、北上次郎さんである。
大阪梅田の蔦屋書店の企画で、氏の書評トークイヴェントが催された際に「聴講」させてもらった。

さて、そのスローターがリー・チャイルドと組んで新作を書いたという。
チャイルドもまた、お気に入りの作家で、元軍警察官(MP)ジャック・リーチャーを主人公とする「アクション小説」のシリーズを書いている。
非常に面白い!と個人的に思っているだけであって、翻訳刊行の速度は遅い。

GBIのシリーズの方の主人公ウィル・トレント捜査官とリーチャーが絡むということで、その共作に対する期待感は大きかった。
紙媒体では発行されず、電子書籍のみの販売だったので、Amazon.co.jpからKindle版をダウンロードした。
タイトルは『ザ・ゴールド』(原題:Cleaning The Gold)、価格は220円。
キャンペインの安売りなどではなく、短編小説だったからである。
あっさり読み終わり、後に残ったのは飢餓感だけであった。
朗報は、2019年12月にスローターの新作が出ること、そのさわりの部分が『ザ・ゴールド』の後に付録されていたことである。


電子書籍版だけなのに、表紙デザインに凝っている

iPad mini(第一世代!)の画面で読むのに、ちょうどいい


 10月24日木曜日、雨が降る中、宅配便が届いた。
件のハードディスクドライヴの、予定より8日早い納品だった。
どうなってんの?


開梱!


MacBook Airにフィットするデザイン。容量は1テラバイト



2019/10/22

リアルショッピング


デジタルカメラで日常的に写真を撮るようになって、画像データが「ハンパない」量になってきた。
撮影画像は各カメラ(DSLR、コンパクト、iPhone)から取り出して、PCの内蔵HDに保存している。
デジタルカメラからは物理的に取り出せる(記憶メディアを抜く)が、iPhoneからはクラウドを経由して行なう(いずれiPhoneからは「ファイル」経由で読み出し可能となるはずである)。

画像のデータ群がハードディスクの容量を、かなり大きく侵食してきたので、外付けHDDの新規購入に踏みきった。
外付けで、かつポータブルである。
こういう買い物は、ネットで間に合う。
価格.comでチェックして、メイカーのウェブサイトで調べて、ネットショップに発注すれば事足りる。
検討の結果、Logitech製のものに決めて、Amazonに注文した。
納品まで十日近くかかってしまうのは、プライム会員への勧誘を断わりつづけているからだ。




過日、植松奎二展を観に行った。
神戸出身の彫刻家で、彼の作品カタログの制作に関わったことで、知り合った。
物理の法則を、石や金属を使って表現する作家である。
という説明は簡単にすぎるが、一端を表わしている。


作家インタビュウのビデオ画像が流されている

ストーンヘンジの写真と石のドローイングを組み合わせた作品


エッフェル塔と石のドローイングのコンビ


昼休み中だったギャラリーを、無理をお願いして開けてもらい、たっぷりと鑑賞させてもらった。
その帰り、久しぶりに大阪・ミナミに行く。
30年ぐらい前に心斎橋で買ったN-3Bは、昨年まで現役だったのだが、ついに朽ち果ててしまった。
冬に備えて、新たなN-3Bを求めるツアーである。
N-3Bは、アメリカ軍の定める仕様にしたがって、いろいろなメイカーが作っている。
たとえば、ALPHAとかAVIREXが有名どころである。

N-3Bは手に入らなかった。
紺色が欲しかったのだが、今年は製造されていないという店員の話だった。
ALPHAも、AVIREXもである。
(何てこった……来年は作るのか?)


たまたま見かけた「UBER eats」の配達員


CONVERSE ALL★STAR




諦めて、心斎橋筋をぶらぶら歩く。
ショートブーツを求めて、ABC-Martに入る。
外国人客でいっぱいだった。
ブーツは気に入るものがなかったが、CONVERSEのスニーカーを買った。
黒一色のALL★STARである。
24.5センチと25.0を試し履きして25.0を選んだ。
ネットショッピングでは、こういうことはできない。


心斎橋から梅田新道へ。正面のビルに「wework」のロゴ

 

2019/10/12

本の雑誌11月号




超大型台風19号の恐怖に慄きながら、自室でブログ書き。

今月の読者アンケートに拙稿が採用されました。
お題は「私の偏愛タイムトラベル小説」です。

タイムトラベル小説といえば……
まず思い出すのは、ロバート・A・ハインラインの『夏への扉』です。
非常に多くの人に愛されて、Tatsu Yamashitaの歌曲にもなっている有名な作品です。
それをアンケートの回答にはしていません。

11月号から新たに連載される企画「SF音痴が行くSF古典宇宙の旅」では、ふだんSFを読まない高野秀行さんが、SFに挑戦します。
12月号の連載第2回では、その『夏への扉』について書くそうなのですが……
福島正実訳版を読むのか、小尾芙佐訳版を読むのか?

両方を読んだ者として、あくまで個人的意見であるが、福島訳の方を好む。
古いのだが、小尾訳とて新味があるわけではないのである。
同じ版元から新訳として出した意味が、まったく分からない。
高野さんが、どちらを読むのか、興味津々である。

新訳といえば、三角窓口への投稿で試飲販売人の田村さんが、マルティン・ベックの新訳のシリーズが途絶えてしまったことを嘆いている。
こちらの場合も同様のことが言える。
「ロゼアンナ」(高見浩による旧訳)と「ロセアンナ」(柳沢由実子による、原語版からの新訳)を読み比べたが、新訳が旧訳より、いいね!とは思えないのである。
旧訳(高見浩)が、英語版からの重訳であったとしても、である。
結局、売れないので、版元はシリーズを途中で打ち切らざるを得なかったというわけだろう。

売れているのは(売れているのか?)村上春樹によるマーロウ・シリーズの新訳ぐらいではなかろうか。
 

2019/10/11

脱・絶対ニコン主義


カメラはニコン。
そう思って、何の疑いもなかった。
一眼レフカメラで本格的に写真を撮るようになったのは大学生の頃だから、それ以来40年以上のニコン党だったことになる。

途中、デジタルカメラが出現したときに、キヤノンのPowerShot 350を使っていたことがあるが、当時ニコンがまだコンパクトデジタルカメラを販売していなかったか、あるいは高価で手が出なかったかだ。

そもそもニコン党になったのは、機材を父親と先輩から受け継いだからである。
新聞社に勤めていた父は、写真部の古いNikon Fを払い下げてもらって使っていた。
取材で酷使されたそのカメラは、ペンタが凹み、ペイントも剥げハゲだった。
また、同じ高校の先輩が報道カメラマンをしていて、彼から譲り受けたNikomatが、初めての自分専用機となった。

初めて使ったレンズはNikomatに装着されていたNikkorの35ミリ[広角]で、主に風景を撮るのに使った。
当時、風景以外にスポーツシーンを撮りたいと思い、135ミリ[望遠]を追加購入した。
135ミリをときどき父に貸し、代わりに55ミリ[マクロ]を借りる、というようなこともあった。
やがて父が亡くなり、彼のカメラ資産を引き継ぐことになったのである。

これはすなわち、Fマウントの呪縛でもある。
ニコン以外のカメラに乗り換えるということは、Fマウント対応のレンズたちが使えなくなるということを意味する。
そもそもニコンが選ばれる理由は、レンズが優秀だからであって「乗り換え」の必要性は低い。

ニコンのデジタル一眼レフカメラ(DSLR)が発売された時は、嬉しかった。
FマウントのNikkorレンズが使えたからである。
D70という機種の購入を検討したが、ボディサイズが大きくて手になじまず断念。
その後、小さくなったD60を、ボディだけ買った。

気軽にスナップ写真を撮るために、コンパクトタイプのデジタルカメラ(コンデジ)も買った。
ニコンのレンズが付いているから信頼できる、コンデジもニコンを買っておけば間違いない、というのがその理由である。
コンデジは固定レンズであり、交換はできない。
更新するときは、レンズごと行なう。
されば、新しく買うコンデジは、必ずしもニコン製である必要はないことに気づいたのである。

そうして行き着いたのがソニーのRX100だったというわけである。
このコンデジに、ニコンに優るとも劣らぬZEISS(ツァイス)のレンズが搭載されていることが購入の決め手となった。
最近、ニコンはZマウントのカメラとレンズを開発・販売するようになった。
このこともまた、Fマウントの呪縛からの解放を促すことになったように思えるのである。
次にDSLRを買うことがあったら、ソニーのαを選択するかもしれない。

2019/10/10

感服ジョー・ネスボ


いやはや、すごい作家がおったもんだ。
私がそう感じているだけかも知らんけど。




ノルウェイのジョー・ネスボのことである。
『スノーマン』という旧作(2013年/戸田裕之訳/集英社文庫)を読んで、圧倒された。
読者の首根っこをつかんで、あっちこっちと振り回し(相撲に「とっくり投げ」という技がある)驚くような結末へと引っぱっていく。

『スノーマン(雪だるま)』はオスロ警察の刑事であるハリー・ホーレが主人公の警察小説シリーズで、現在までに8作書かれているうちの第7作目である。
邦訳はシリーズ第3作の『コマドリの賭け』(2009年/井野上悦子訳)が最初で、翻訳のシリーズによくあるように、必ずしも本国での出版順には従っていない。
『コマドリの賭け』は、その後集英社文庫に「移籍」して、2013年に訳者が戸田裕之に交替して『スノーマン』が出る。
3作目の次が7作目、とまるでサイコロを振って決めたかのような順番である。

つまり、シリーズの邦訳2作目が『スノーマン』で、この作品はヒットしたのだろう。
その後、シリーズ第1作の『ザ・バット 神話の殺人』(2014年)からは順当に邦訳が出ている。
(ただし第2作は未訳)

第3作『コマドリの賭け』(2009年)、第4作『ネメシス 復讐の女神』(2015年)、第5作『悪魔の星』(2017年)を「オスロ三部作」と呼んでいるようだが、シリーズの舞台の中心がオスロであることを考えると不適当(菅式に言えば「まったく当たらない」)である。
あえて「プリンス三部作」と呼んだらどうだろうか。

プリンスが片付いてしまったら、オスロ警察もさびしくなるのではないかと思っていたら、さにあらず。
第6作『贖い主 顔なき暗殺者』(2018年)でもまた、ネスボ-ホーレは難事件を読者の目の前で捜査、解決していくのである。
警察は、常に忙しい。
第6作までを順番に読んでから『スノーマン』(2013年)を読まないと、あっと驚く展開にはならない。
なぜか。
当然ながら、詳しいことは書けない。

ホーレのシリーズは2019年、8作目『レパード 闇にひそむ獣』が出たところである。
 

2019/09/24

秋の彼岸


台風17号が接近してきて雨を降らせると予報士が言うものだから、土曜日にするつもりだった墓参りを金曜日に変更した。
ちょうど彼岸に入った、その日である。
同じブログで、また墓参の話である。

いったい何度、墓参に出かけているのか。
まず、正月。
元日は実家で祝い、二日に墓参および初詣に行くことが多い。
次いで、春の彼岸。
ちょうど大相撲の大阪場所が終盤戦の頃だ。
そして、盛夏の頃の盂蘭盆。
暑さとの闘い。
最後に、秋の彼岸。
合計して、年に4回である。

30年ぐらい前は、毎月墓参していたこともある。
勤めていた事務所の用事で毎月、寺の近くに行っていたついでである。
仏教に対する信仰の心は、あくまでも薄い。
他の宗教にも、あまり関心はないのだが、仮に履歴書に宗教の欄があったら「フットボール」と書くだろう。

それはともかく。
跡取りがいないということで、我が家の墓の行く末が知れる。
考えるのは「墓じまい」のことである。
墓を建てるのも一大事、しまうのもまた一大事。
墓が転売できればいいのに、と思ってしまった。
 

2019/09/11

キャッシュレス決済


意外にも、決済のキャッシュレス化は進んでいないらしい。
物を買って代金を支払うのに、現金を使う人が、まだまだ多いということである。
意外にも、と書いたのには理由があって、個人的にキャッシュレス決済を応援しだしてから20年以上が経ち、かなり大きな割合で浸透していると思い込んでいたからである。

1989年4月に消費税が初めて導入された。
その当時の税率は3%で、店での支払い時に、まず金額を計算するのが大変で、次に1円単位の小銭を財布の中から選り出す作業が億劫であったことを、思い出す人も多いだろう。
金額の計算はレジスター任せにできたとしても、小銭との「格闘」は、払う側とお釣りを返す側で頻繁に起こっていたのである。
キャッシュレス決済は、この格闘から我々を解放する妙手だと思っていた。

3%の暗算に慣れきった1997年4月、消費税率は5%に引き上げられた。
税額の暗算は、かなり楽になったが、1円単位の支払いがなくなったわけではなかった。
同年10月、神戸市で行なわれた「VISA Cash(ヴィザキャッシュ)」の利用実験に参加した。





(ヴィザキャッシュというネーミングは「電子マネー」を標榜していると思われる)
VISA Cashが使えるICカード(接触型、後述)を3万枚発行し、11月末までに総利用金額1千8百万円を記録した。
非常にスムーズに買い物(決済)ができて、利便性が実証されたと確信した。
知人・友人・家族にも「これええで!」と吹聴した。
……しかし、確信したのは己ばかりなり、その後国内市場への導入は見送られた。

ちなみに、VISA Cashには「Reloadable」と「Disposable」の2種類があり、前者は銀行口座から一定金額を補充できるタイプ、後者は使い捨てのプリペイド式であった。



イヴェントに協賛して普及を図る





同時期に、プリペイド式の電子マネー「BitCash(ビットキャッシュ)」も出現、現在も流通しているようである……


1000クレジット=1000円に相当



それから7年経って、関西では「PiTaPa」が登場する。
非接触型のICカードを利用し、カードと読み取り専用端末(リーダ)間で短距離の通信が行なわれる仕組みである。
PiTaPaカードを入れたままの財布を、鉄道の改札口に設置された端末に「ピタッと」タッチすると、乗降のデータが「パッと」記録され、1か月分まとめて指定口座から引き落とされる「ポストペイ」式である。
鉄道だけでなく、リーダを設置した店舗や自動販売機で使えるようになって、普及した。

非接触型という文言は誤解されるが、ICカードをリーダに挿入する式が「接触型」であるのに対して、挿入不要という意味で「非接触型」と呼ぶようである。
すなわち、読み取り端末にタッチする必要があるにもかかわらず、非接触型と呼ぶので誤解される。
非接触型には通信距離の長短によって密着型(距離2mmまで)近接型(同10cmまで)近傍型(70cmまで)遠隔型(70cm以上)の4タイプがある。

現金を持ち歩かない(そもそもお金がない)自分には、PiTaPaで買い物ができて便利であった。
加えて、スーパーマーケットでもコンビニエンスストアでもクレジットカードが使えるようになり、世間的にもキャッシュレス決済へのハードルが下がったものと思っていたのである。
 

2019/09/04

携帯カメラ


インスタグラム(Instagram)が爆発的に流行りだしたのは、携帯電話にカメラが搭載され(写メールという言葉ができた)、スマートフォンに進化してアプリが搭載されるようになったからだ。

写真を撮った、その機械から直接Instagramへとアップロードできる点は、非常に便利である。
カメラと無線伝送システムを内蔵した機械が、シャツの胸ポケットに収まるサイズなのだ。
多くの一般人に使われる所以である。

一般人以外のカメラを趣味とする人にとっての不満は、スマートフォン搭載のカメラのレンズは小さいということだろう。
DSLR(ディジタル一眼レフ)の撮影画像と比較してみると、画質の違いは一目瞭然である。
画質の良さを追求するならば、レンズは大きい方がいい。
当然、スマートフォンよりレンズの大きい単体カメラを選択することになる。

偏固ジャーナル子の選択が、SONY Cyber-shot DSC-RX100であった。
DSLRではなく、いわゆるコンパクトデジカメである。
本体は煙草のパッケージぐらいの大きさで、胴体にツァイス(ZEISS)製のレンズが直付けされている。
レンズ部の外径は、およそ49ミリメートル。
レンズの出っ張りを含めて、カメラの厚みは約5センチメートルである。
シャツやズボンのポケットには収まらない(ジャケットのポケットなら、なんとか)。

シャッターチャンスが多々ある中、ディジタルカメラを携帯しなけりゃ意味がない。
というわけで……RX100を身につけている。
ネックストラップを装着して、首から提げているのである。
ちょっとカッコ悪いけれど(カメラ小僧みたい)撮影する態勢としてはベストである。




Instagramに執心しているわけではないけれど、撮影データを伝送する手だては講じてある。
それが、TOSHIBAのFlashAirである(有村架純がCMに出演)。








スマートフォンに専用アプリをインストールしておき、カメラに挿入されたFlashAirカードと通信する。
アプリ側に表示されたサムネイルを選択して、スマートフォン本体に画像データをダウンロードする。
すごく簡単。
 

2019/08/30

相変わらずパスワード問題


一年と少し前、パスワードが盗まれた話を書いた。
そういう事件があったので、沢山あったパスを全部見直して、作り直した。
同じパスを使いまわすな、というのが安全策の基本だから、全部異なるパスにした。
すると……そんなに沢山、覚えられない!
という当然の事態に陥った。

覚えていられない事は、メモをすればいい。
しかし、パスをメモするな、というのも安全策の基本だ。
というわけで、覚えられないからメモするけれど、暗号化して記入するという「二段階認証的」措置をとった。
これならば、メモしたパスを他人に見られても、大丈夫だ。

うーん、しかし。
自分が作った暗号が……解けない/*{>_<}
 

2019/08/28

マンハッタン・ビーチ


『マンハッタン・ビーチ』(Manhattan Beach by Jennifer Egan:ジェニファー・イーガン、中谷友紀子訳/早川書房)
に対する書評の多くが、手放しの好評価であることを知り、慌てて書いておく。

自分は、ストーリー上の誤謬が気になった。
ネタばれにならないよう、極力ぼかして書く。

1)D男が、主人公の女性の住まいを訪れた際、以前にも訪れたことがあるのを思い出さない。
もう少し詳しく書くと、訳文上は(以前に)主人公の住まいと家族の特殊事情を目にしたことが書かれている[p.412]。
住まいの場所を失念したとしても、特殊事情の方を思い出しそうなものだ。

2)二つ目は、小さな疑問。
主人公の父親の懐中時計の所在……いつまで身につけていたのか?
これに関しては、いかようにも言い繕うことができそうなので、誤謬とまでは言えない。

3)最後の点も、誤謬とまでは言えない。
甚だしい、ご都合主義である。
文字通り絶体絶命の窮地(両手両足を縛られて)からの脱出が簡単すぎて、納得がいかない。

というわけで、星五つが満点とすれば『マンハッタン・ビーチ』は★★★☆☆(星三つ)です。
1)の減点が大きい。

 

2019/08/25

久しぶりコンパクトディジタルカメラ


誰憚ることもなく、一年ぶりの投稿。
ちなみに、故郷本山北町のまちづくり協議会のブログの更新は、ときどき行なっている。
https://ameblo.jp/motoyamakitamachi






上は、昨年と同じ寺での墓参りの写真である。
(8月13日RX100で撮A)

DSLR(ディジタル一眼レフカメラ)は重いし、かさばる。
かといって、携帯端末のカメラには満足がいかない。
メイカーがいくら頑張ったとしても、レンズの能力差は埋まらない。

というわけで、新しくコンパクトタイプのディジタルカメラを買ってしまった。
新しく、といってもSONYのRX100は2012年のモデルである。
いわゆるマーク1で、その後続々とヴァージョンアップをして、現在はマーク7にあたるRX100M7が市場に出ている。
マーク7だけでなく、マーク1までの過去ヴァージョン機が、現行販売されている。
その中の最も廉価なマーク1の新品を、かなり値切って買った。

コンパクトタイプとしては、PowerShot 350(Canon)、COOLPIX 5400(Nikon)に続く3機目である。
COOLPIXはYahoo! オークションで落札し、PowerShotと共に再びオークションで売却した。

RX100が何より、いいのはレンズが「ZEISS(ツァイス)」であること。
次いで、撮像素子が大きいこと。
撮Aした画像の質がアップしたことは、言うまでもありません。

お盆の墓参りは、重労働である。
我が家の墓は分家のものを合わせて、墓石が8基ある。
掃除もたいへんで(簡単に済ませるが)、香華の費用も、ばかにならない。
そろそろ「墓じまい」を考えるべき頃合いである。