2019/10/10

感服ジョー・ネスボ


いやはや、すごい作家がおったもんだ。
私がそう感じているだけかも知らんけど。




ノルウェイのジョー・ネスボのことである。
『スノーマン』という旧作(2013年/戸田裕之訳/集英社文庫)を読んで、圧倒された。
読者の首根っこをつかんで、あっちこっちと振り回し(相撲に「とっくり投げ」という技がある)驚くような結末へと引っぱっていく。

『スノーマン(雪だるま)』はオスロ警察の刑事であるハリー・ホーレが主人公の警察小説シリーズで、現在までに8作書かれているうちの第7作目である。
邦訳はシリーズ第3作の『コマドリの賭け』(2009年/井野上悦子訳)が最初で、翻訳のシリーズによくあるように、必ずしも本国での出版順には従っていない。
『コマドリの賭け』は、その後集英社文庫に「移籍」して、2013年に訳者が戸田裕之に交替して『スノーマン』が出る。
3作目の次が7作目、とまるでサイコロを振って決めたかのような順番である。

つまり、シリーズの邦訳2作目が『スノーマン』で、この作品はヒットしたのだろう。
その後、シリーズ第1作の『ザ・バット 神話の殺人』(2014年)からは順当に邦訳が出ている。
(ただし第2作は未訳)

第3作『コマドリの賭け』(2009年)、第4作『ネメシス 復讐の女神』(2015年)、第5作『悪魔の星』(2017年)を「オスロ三部作」と呼んでいるようだが、シリーズの舞台の中心がオスロであることを考えると不適当(菅式に言えば「まったく当たらない」)である。
あえて「プリンス三部作」と呼んだらどうだろうか。

プリンスが片付いてしまったら、オスロ警察もさびしくなるのではないかと思っていたら、さにあらず。
第6作『贖い主 顔なき暗殺者』(2018年)でもまた、ネスボ-ホーレは難事件を読者の目の前で捜査、解決していくのである。
警察は、常に忙しい。
第6作までを順番に読んでから『スノーマン』(2013年)を読まないと、あっと驚く展開にはならない。
なぜか。
当然ながら、詳しいことは書けない。

ホーレのシリーズは2019年、8作目『レパード 闇にひそむ獣』が出たところである。
 

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