2019/10/11

脱・絶対ニコン主義


カメラはニコン。
そう思って、何の疑いもなかった。
一眼レフカメラで本格的に写真を撮るようになったのは大学生の頃だから、それ以来40年以上のニコン党だったことになる。

途中、デジタルカメラが出現したときに、キヤノンのPowerShot 350を使っていたことがあるが、当時ニコンがまだコンパクトデジタルカメラを販売していなかったか、あるいは高価で手が出なかったかだ。

そもそもニコン党になったのは、機材を父親と先輩から受け継いだからである。
新聞社に勤めていた父は、写真部の古いNikon Fを払い下げてもらって使っていた。
取材で酷使されたそのカメラは、ペンタが凹み、ペイントも剥げハゲだった。
また、同じ高校の先輩が報道カメラマンをしていて、彼から譲り受けたNikomatが、初めての自分専用機となった。

初めて使ったレンズはNikomatに装着されていたNikkorの35ミリ[広角]で、主に風景を撮るのに使った。
当時、風景以外にスポーツシーンを撮りたいと思い、135ミリ[望遠]を追加購入した。
135ミリをときどき父に貸し、代わりに55ミリ[マクロ]を借りる、というようなこともあった。
やがて父が亡くなり、彼のカメラ資産を引き継ぐことになったのである。

これはすなわち、Fマウントの呪縛でもある。
ニコン以外のカメラに乗り換えるということは、Fマウント対応のレンズたちが使えなくなるということを意味する。
そもそもニコンが選ばれる理由は、レンズが優秀だからであって「乗り換え」の必要性は低い。

ニコンのデジタル一眼レフカメラ(DSLR)が発売された時は、嬉しかった。
FマウントのNikkorレンズが使えたからである。
D70という機種の購入を検討したが、ボディサイズが大きくて手になじまず断念。
その後、小さくなったD60を、ボディだけ買った。

気軽にスナップ写真を撮るために、コンパクトタイプのデジタルカメラ(コンデジ)も買った。
ニコンのレンズが付いているから信頼できる、コンデジもニコンを買っておけば間違いない、というのがその理由である。
コンデジは固定レンズであり、交換はできない。
更新するときは、レンズごと行なう。
されば、新しく買うコンデジは、必ずしもニコン製である必要はないことに気づいたのである。

そうして行き着いたのがソニーのRX100だったというわけである。
このコンデジに、ニコンに優るとも劣らぬZEISS(ツァイス)のレンズが搭載されていることが購入の決め手となった。
最近、ニコンはZマウントのカメラとレンズを開発・販売するようになった。
このこともまた、Fマウントの呪縛からの解放を促すことになったように思えるのである。
次にDSLRを買うことがあったら、ソニーのαを選択するかもしれない。

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