ボツ原稿復活(落穂拾い)の連続、本日第二弾。
『本の雑誌』の読者アンケートに答えて書いた原稿を、ちょうど終戦記念日なので、ブログに公開する。
今日たまたま目にした、ある人(僕より年長)のツイッターに「日本は世界に誇れる国になった」と書かれていた。
そうかなあ。
第二次世界大戦の敗戦国となって以来「残念な国」であり続けているような気がするのですが。
▼以下は、お薦めの海外ノンフィクションの紹介。
大日本帝国の興亡〔新版〕全五巻
ジョン・トーランド著/毎日新聞社訳/ハヤカワ文庫NF
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☆戦後七年も日本が米軍に占領されていたことは、忘れられているのではないでしょうか。日本をアメリカ化するために文書のローマ字つづりを強制する計画が、あったそうです。また、日本全島をアメリカの在外農場化してしまう計画も。まるでSFのような話ですが、ノンフィクションです。
以上のことは『大日本帝国の興亡』には【書かれていません】。この本には大日本帝国が第二次世界大戦を、いかに戦い、いかに砕け散ったかがリアルに記されています。それがリアルと信じられるのは、著者トーランド(戦時中はアメリカ陸軍大尉)が、主に東と南のアジアで五百人から聴き取った話を基にして書き上げたということからです。
『大日本帝国の興亡』(原書は一九七〇年刊のThe Rising Sun: The Decline and Fall of the Japanese Empire, 1936-1945)をイチオシする理由は、文庫本で読める・さほど頁数が多くないので通史としては読みやすい・ピュリツァー賞受賞作(1971年)である、こと。モノクロの写真に原色のタイトルを配したカヴァデザインも気に入っています。
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