2019/10/24

ザ・ゴールド


10月23日水曜日。
Amazon.co.jpからメイルが来て、注文品(ポータブルHDD)を発送した、納品予定日は11月1日金曜日である、と言う。
発送してから納品まで9日もかかる、という計算である。
そんなに急いでいるわけではないから、ええねんけど。


一昨年の秋、カリン・スローターという作家を知り、その作品を読んだら虜になってしまった。
アメリカ・ジョージア州捜査局(GBI)を舞台にした警察小説のシリーズを追いかけて読んでいるのだが、新作が出るのを非常に楽しみにしている。
スローターを教えてくれたのは、北上次郎さんである。
大阪梅田の蔦屋書店の企画で、氏の書評トークイヴェントが催された際に「聴講」させてもらった。

さて、そのスローターがリー・チャイルドと組んで新作を書いたという。
チャイルドもまた、お気に入りの作家で、元軍警察官(MP)ジャック・リーチャーを主人公とする「アクション小説」のシリーズを書いている。
非常に面白い!と個人的に思っているだけであって、翻訳刊行の速度は遅い。

GBIのシリーズの方の主人公ウィル・トレント捜査官とリーチャーが絡むということで、その共作に対する期待感は大きかった。
紙媒体では発行されず、電子書籍のみの販売だったので、Amazon.co.jpからKindle版をダウンロードした。
タイトルは『ザ・ゴールド』(原題:Cleaning The Gold)、価格は220円。
キャンペインの安売りなどではなく、短編小説だったからである。
あっさり読み終わり、後に残ったのは飢餓感だけであった。
朗報は、2019年12月にスローターの新作が出ること、そのさわりの部分が『ザ・ゴールド』の後に付録されていたことである。


電子書籍版だけなのに、表紙デザインに凝っている

iPad mini(第一世代!)の画面で読むのに、ちょうどいい


 10月24日木曜日、雨が降る中、宅配便が届いた。
件のハードディスクドライヴの、予定より8日早い納品だった。
どうなってんの?


開梱!


MacBook Airにフィットするデザイン。容量は1テラバイト



2019/10/22

リアルショッピング


デジタルカメラで日常的に写真を撮るようになって、画像データが「ハンパない」量になってきた。
撮影画像は各カメラ(DSLR、コンパクト、iPhone)から取り出して、PCの内蔵HDに保存している。
デジタルカメラからは物理的に取り出せる(記憶メディアを抜く)が、iPhoneからはクラウドを経由して行なう(いずれiPhoneからは「ファイル」経由で読み出し可能となるはずである)。

画像のデータ群がハードディスクの容量を、かなり大きく侵食してきたので、外付けHDDの新規購入に踏みきった。
外付けで、かつポータブルである。
こういう買い物は、ネットで間に合う。
価格.comでチェックして、メイカーのウェブサイトで調べて、ネットショップに発注すれば事足りる。
検討の結果、Logitech製のものに決めて、Amazonに注文した。
納品まで十日近くかかってしまうのは、プライム会員への勧誘を断わりつづけているからだ。




過日、植松奎二展を観に行った。
神戸出身の彫刻家で、彼の作品カタログの制作に関わったことで、知り合った。
物理の法則を、石や金属を使って表現する作家である。
という説明は簡単にすぎるが、一端を表わしている。


作家インタビュウのビデオ画像が流されている

ストーンヘンジの写真と石のドローイングを組み合わせた作品


エッフェル塔と石のドローイングのコンビ


昼休み中だったギャラリーを、無理をお願いして開けてもらい、たっぷりと鑑賞させてもらった。
その帰り、久しぶりに大阪・ミナミに行く。
30年ぐらい前に心斎橋で買ったN-3Bは、昨年まで現役だったのだが、ついに朽ち果ててしまった。
冬に備えて、新たなN-3Bを求めるツアーである。
N-3Bは、アメリカ軍の定める仕様にしたがって、いろいろなメイカーが作っている。
たとえば、ALPHAとかAVIREXが有名どころである。

N-3Bは手に入らなかった。
紺色が欲しかったのだが、今年は製造されていないという店員の話だった。
ALPHAも、AVIREXもである。
(何てこった……来年は作るのか?)


たまたま見かけた「UBER eats」の配達員


CONVERSE ALL★STAR




諦めて、心斎橋筋をぶらぶら歩く。
ショートブーツを求めて、ABC-Martに入る。
外国人客でいっぱいだった。
ブーツは気に入るものがなかったが、CONVERSEのスニーカーを買った。
黒一色のALL★STARである。
24.5センチと25.0を試し履きして25.0を選んだ。
ネットショッピングでは、こういうことはできない。


心斎橋から梅田新道へ。正面のビルに「wework」のロゴ

 

2019/10/12

本の雑誌11月号




超大型台風19号の恐怖に慄きながら、自室でブログ書き。

今月の読者アンケートに拙稿が採用されました。
お題は「私の偏愛タイムトラベル小説」です。

タイムトラベル小説といえば……
まず思い出すのは、ロバート・A・ハインラインの『夏への扉』です。
非常に多くの人に愛されて、Tatsu Yamashitaの歌曲にもなっている有名な作品です。
それをアンケートの回答にはしていません。

11月号から新たに連載される企画「SF音痴が行くSF古典宇宙の旅」では、ふだんSFを読まない高野秀行さんが、SFに挑戦します。
12月号の連載第2回では、その『夏への扉』について書くそうなのですが……
福島正実訳版を読むのか、小尾芙佐訳版を読むのか?

両方を読んだ者として、あくまで個人的意見であるが、福島訳の方を好む。
古いのだが、小尾訳とて新味があるわけではないのである。
同じ版元から新訳として出した意味が、まったく分からない。
高野さんが、どちらを読むのか、興味津々である。

新訳といえば、三角窓口への投稿で試飲販売人の田村さんが、マルティン・ベックの新訳のシリーズが途絶えてしまったことを嘆いている。
こちらの場合も同様のことが言える。
「ロゼアンナ」(高見浩による旧訳)と「ロセアンナ」(柳沢由実子による、原語版からの新訳)を読み比べたが、新訳が旧訳より、いいね!とは思えないのである。
旧訳(高見浩)が、英語版からの重訳であったとしても、である。
結局、売れないので、版元はシリーズを途中で打ち切らざるを得なかったというわけだろう。

売れているのは(売れているのか?)村上春樹によるマーロウ・シリーズの新訳ぐらいではなかろうか。
 

2019/10/11

脱・絶対ニコン主義


カメラはニコン。
そう思って、何の疑いもなかった。
一眼レフカメラで本格的に写真を撮るようになったのは大学生の頃だから、それ以来40年以上のニコン党だったことになる。

途中、デジタルカメラが出現したときに、キヤノンのPowerShot 350を使っていたことがあるが、当時ニコンがまだコンパクトデジタルカメラを販売していなかったか、あるいは高価で手が出なかったかだ。

そもそもニコン党になったのは、機材を父親と先輩から受け継いだからである。
新聞社に勤めていた父は、写真部の古いNikon Fを払い下げてもらって使っていた。
取材で酷使されたそのカメラは、ペンタが凹み、ペイントも剥げハゲだった。
また、同じ高校の先輩が報道カメラマンをしていて、彼から譲り受けたNikomatが、初めての自分専用機となった。

初めて使ったレンズはNikomatに装着されていたNikkorの35ミリ[広角]で、主に風景を撮るのに使った。
当時、風景以外にスポーツシーンを撮りたいと思い、135ミリ[望遠]を追加購入した。
135ミリをときどき父に貸し、代わりに55ミリ[マクロ]を借りる、というようなこともあった。
やがて父が亡くなり、彼のカメラ資産を引き継ぐことになったのである。

これはすなわち、Fマウントの呪縛でもある。
ニコン以外のカメラに乗り換えるということは、Fマウント対応のレンズたちが使えなくなるということを意味する。
そもそもニコンが選ばれる理由は、レンズが優秀だからであって「乗り換え」の必要性は低い。

ニコンのデジタル一眼レフカメラ(DSLR)が発売された時は、嬉しかった。
FマウントのNikkorレンズが使えたからである。
D70という機種の購入を検討したが、ボディサイズが大きくて手になじまず断念。
その後、小さくなったD60を、ボディだけ買った。

気軽にスナップ写真を撮るために、コンパクトタイプのデジタルカメラ(コンデジ)も買った。
ニコンのレンズが付いているから信頼できる、コンデジもニコンを買っておけば間違いない、というのがその理由である。
コンデジは固定レンズであり、交換はできない。
更新するときは、レンズごと行なう。
されば、新しく買うコンデジは、必ずしもニコン製である必要はないことに気づいたのである。

そうして行き着いたのがソニーのRX100だったというわけである。
このコンデジに、ニコンに優るとも劣らぬZEISS(ツァイス)のレンズが搭載されていることが購入の決め手となった。
最近、ニコンはZマウントのカメラとレンズを開発・販売するようになった。
このこともまた、Fマウントの呪縛からの解放を促すことになったように思えるのである。
次にDSLRを買うことがあったら、ソニーのαを選択するかもしれない。

2019/10/10

感服ジョー・ネスボ


いやはや、すごい作家がおったもんだ。
私がそう感じているだけかも知らんけど。




ノルウェイのジョー・ネスボのことである。
『スノーマン』という旧作(2013年/戸田裕之訳/集英社文庫)を読んで、圧倒された。
読者の首根っこをつかんで、あっちこっちと振り回し(相撲に「とっくり投げ」という技がある)驚くような結末へと引っぱっていく。

『スノーマン(雪だるま)』はオスロ警察の刑事であるハリー・ホーレが主人公の警察小説シリーズで、現在までに8作書かれているうちの第7作目である。
邦訳はシリーズ第3作の『コマドリの賭け』(2009年/井野上悦子訳)が最初で、翻訳のシリーズによくあるように、必ずしも本国での出版順には従っていない。
『コマドリの賭け』は、その後集英社文庫に「移籍」して、2013年に訳者が戸田裕之に交替して『スノーマン』が出る。
3作目の次が7作目、とまるでサイコロを振って決めたかのような順番である。

つまり、シリーズの邦訳2作目が『スノーマン』で、この作品はヒットしたのだろう。
その後、シリーズ第1作の『ザ・バット 神話の殺人』(2014年)からは順当に邦訳が出ている。
(ただし第2作は未訳)

第3作『コマドリの賭け』(2009年)、第4作『ネメシス 復讐の女神』(2015年)、第5作『悪魔の星』(2017年)を「オスロ三部作」と呼んでいるようだが、シリーズの舞台の中心がオスロであることを考えると不適当(菅式に言えば「まったく当たらない」)である。
あえて「プリンス三部作」と呼んだらどうだろうか。

プリンスが片付いてしまったら、オスロ警察もさびしくなるのではないかと思っていたら、さにあらず。
第6作『贖い主 顔なき暗殺者』(2018年)でもまた、ネスボ-ホーレは難事件を読者の目の前で捜査、解決していくのである。
警察は、常に忙しい。
第6作までを順番に読んでから『スノーマン』(2013年)を読まないと、あっと驚く展開にはならない。
なぜか。
当然ながら、詳しいことは書けない。

ホーレのシリーズは2019年、8作目『レパード 闇にひそむ獣』が出たところである。