2013/02/24

【J特】奪われた星


2013年2月20日、水曜日。
ガンバ大阪後援会が主催する「ファンの集い」が豊中市立アクア文化ホールで開かれた。
まるまる一日休暇をとり、主催者側のスタッフとして参加した。
後援会を運営しているメンバーは、商店や事務所を個人で経営している人が多い。
そうでなければ、平日の昼間に時間を融通できるわけがない。

私は人の列を整理する班のチーフを任された。
とても適任とは思えない。
列整理のほかに事前告知のチラシや入場チケット、記念品のクリアフォルダのデザインを手がけたが、こちらが本職だ。

何ごとにも「想定外」があって、この日最初のそれは入場前の人の列が2倍になったことだ。
予定のラインコントロールができずに右往左往する。
なんとか列を作り、入場してもらう順番の抽選をする。
先着順に整理券を渡していくのとは、方法が異なる。
抽選の後、入場順の番号札をゲットした客を、別の場所に集める。
番号順に呼んで入場してもらうので、あえて列を構成する必要はない。

入場してもらう段になって、一番札の女性客が入場券を持っていないと言い出した。
整理券を持っていても、受付け手続きをすませていないと入場券が発行されないシステムだ。
「列整理の武田より。トラブル発生です……」
インカムでアナウンスする。
せっかく一番札をとったのに、最初に会場入りできなければ気の毒だ。
かといって、彼女の受付け手続きをする間に二番以降の客を待たせるのもまたトラブルだ。
結局、客の鞄の中で入場券が発見されて、トラブルは解消した。
「武田より、トラブルは解決しました。お客さまの勘違いでした」
「了解」
安堵の応答。


客の入場後、外のモニターで観覧
























ロビーに展示された全日本選手権の準優勝トロフィ群
















会場内ではアトラクションが始まる。
われわれはそれを楽しむ余裕はない。
やがて選手とコーチングスタッフがアトラクションに参加するために入場を開始した。
この間に遅れてやって来た客を足止めする。
#7の有名選手がトイレに行ってしまい、予定が遅れた。
万事マイペースなやっちゃ。

その後もいろいろなことがあったが、割愛。
とりあえず大失敗はなく終了。



500枚分のチケット、乾燥中
























完成品
























客に配った記念品のクリアフォルダ(表裏)



















最終デザイン案 





















クリアフォルダには五つの星がつくはずだった。
これはもちろん、ガンバが獲得した「優勝」の数を表わす星だ。
クラブから、それは使わせないとの達しがあり、すでに印刷会社に入稿済みだったデータから星は削除された。
誰のおかげで星がとれたと思っているのだろう。
これらの星はチームとクラブとサポーターが力を合わせた結果だ。
理不尽としか言いようがない。


▼ガンバ大阪公式ウェブサイトのニュースリリース 
 

2013/02/14

亜種フットボールその2


偏固ジャーナルが『本の雑誌』に進出した。
ただ今店頭販売中の3月号(No. 357)の98ページに掲載。


A5判128ページのチビ雑誌
















ラグビーフットボールのシックスネイションズとは。
グレートブリテン島にあるイングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズの4協会と、海を隔てたフランスにイタリアも後から加えて対抗戦を行うようになった。
1999年まではイタリア以外の5か国で「ファイブネイションズ」と称していた。

イングランド対スコットランドの試合の録画が手に入ったので観戦。
36-18でイングランドの勝ち。
スコットランドは最近、世界ランクを下げている。

ラグビーはフットボールの試合中に、ある少年が手でボールを持って走り出したことから生まれた「突然変異種」といえる。
フットボールは手でボールを扱ってはならないというルールでしばられた不自由なゲームだが、ラグビーはボールを前方にバスしてはならないという、これもまた不自由を強いられるゲームだ。
二つのゲームは趣きがまったく異なる。
フットボールは文字通りのキッキングゲームだが、ラグビーはボールを奪い合う肉弾戦だ。

フットボールからラグビーが生まれ、ラグビーは大西洋を渡ってアメリカンフットボールへと「進化」する。
アメラグ(=アメリカンラグビー)と呼ばれた所以だ。
前方へのパスが許され、選手同士のぶつかり合いは激しさを増して、防具の着用が必要となった。

オーストラリアにはオーストラリアンフットボール(=オージーボール)と呼ばれる亜種がある。
このゲームをつぶさに観たことはないが、噂では激しさではラグビーやアメリカンを上回るらしい。
扱うボールも楕円なら、球技場も楕円だという。

亜種は、まだまだある。
フットボールにはファイブ・ア・サイドという5人制のものがあり、最近流行のフットサルによく似ている。
フットサルはサロン(室内)で行うフットボールという意味である。

同様に、ラグビーには7人制のものがある。
また、タックルするかわりに腰につけられたタグを奪い取る、タグラグビーがある。
コンタクトを避けて、ラグビーを安全に楽しむためのものだ。
これらは亜種の亜種というべきものである。

タグラグビーは、アメリカンの亜種であるフラッグフットボールを参考にしたということだ。
腰につけられたフラッグを、タックルするかわりに奪い取るところが同様である。
ラグビー→アメリカン→フラッグフットボール→タグラグビーという順に転化していることになる。

以上、思いつく限りの亜種と亜種の亜種。
 

2013/02/13

亜種フットボール


30万冊の図書へICタグを装備する作業は、およそ半分が終わった。
一方、ガンバ大阪後援会が主催する「ファンの集い」も準備作業が忙しい。

図書館が休みの月曜日の朝、同僚のSが電話をかけてきた。
こちらはまだ布団の中だ。
「もひもひ?」
「そろそろスーパーボウルが始まりますよ」
「ふーぱー」
「フットボール好きでしたよね」
「ふぁあ……」

という訳で、第47回スーパーボウルを観ることになった。
会場はニューオリンズにあるメルセデス・ベンツ・スーパードーム。
対戦カードはボルチモア・レイブンズ(AFC)対サンフランシスコ49ers(NFC)。
ボルチモアのヘッドコーチ(監督)ジョン・ハーボーは、サンフランシスコのヘッドコーチであるジム・ハーボーの兄。
34-31でボルチモアの勝ち。NFLの試合においてセイフティで点が入るのを初めて観た。
もちろんその直後のキックオフがフリーキックでされるのを観るも初めてだ。

「フットボール好きですよね」というSの言葉に間違いはない。
現地およびビデオでJリーグやイングランドプレミアリーグを年間100試合ぐらいは観ている。
ラグビーフットボールもときどき観る。
第50回日本ラグビーフットボール選手権大会の準々決勝戦、パナソニック対帝京大学。
54-21でパナソニックの勝ち。
帝京大学の揺るぎないファイティングスピリットに感動。

昨年のラグビーワールドカップでは、スクラムを組むときのレフェリーのシグナルが、
「クラウチ、タッチ、エンゲイジ」だった。
最後のエンゲイジが「セット」に変わったことを、日本選手権大会やシックスネイションズの試合を観て知った。
ラグビーでは、ルールが頻繁に変わる。
タッチキックからのインプレイのルールが、どう変わったのか、いまだにわからないでいる。