2016/05/30

翻訳専攻


翻訳小説を専門に読んでいる、っていう意味です。
菊池光、永井淳、高見浩などのベテラン訳者が続々と鬼籍に入り、今や日本の翻訳界は「乱世」である。
新人翻訳者が使う日本語そのものが乱れていると思うのである。

訳語のセンスも悪いと思う。
例えば……ケン・フォレットの『巨人たちの落日』『凍てつく世界』『永遠の始まり』の三連作には「The Century Trilogy」という冠がついているのだが、これを「百年三部作」と訳している。
百年には違いない。
しかしどこの百年か?
『巨人…』で第一次世界大戦、『凍てつく…』で第二次世界大戦、『永遠…』で冷戦、が中心テーマとして描かれているのだから、ここは『20世紀三部作』と訳してもらった方が腑に落ちるのである。

そういえば、読んでいて腑に落ちない箇所に、よく出会う。
意味がよくわからない文章、誤解を招く読点の使い方などがあって、その部分でつかえて先へ進めなくなってしまう。
訳している本人は理解できているのだろうか。
それとも理解できないまま訳語だけを順番に並べているのだろうか。

校正も行き届いていないと思う。
『永遠の始まり』には「発砲ワイン」という間違いがあった。
これほどありがちなミスを見過ごすとは……
また別のページには、
『…ダヌタ及びで保安官彼女の友人が…』
という文が出てくる。
ダヌタは女性の名前で、
『…ダヌタ及び彼女の友人が…』
が正しく、「で保安官」という部分が余分である。



図書館から借り出し。J.F.ケネディ(左)とキング牧師

ジョン・レノンとベルリンの壁。合計四巻の大部


































 

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