2022/12/07

悲しみよこんにちは

『悲しみよこんにちは』(原題:Bonjour Tristesse)は、フランスの作家フランソワーズ・サガンの、あまりにも有名な小説のタイトルである。かつてガンバ大阪がホームスタジアムでサガン鳥栖に敗戦したときに、自分がつぶやいた台詞でもある。この洒落に気付いてくれた人は、ごく僅かだった。

日本対クロアチア戦の終了から時間が経つにつれて、悲しみが増してきた。本当は、日本は負けていない。負け惜しみではない。競技規定上、延長戦を行なっても決着のつかない場合は引き分けである。どちらのチームがトーナメントの先に進むのかを決める「抽選」が5人対5人のPK戦である。昔、学校対抗の地域リーグの試合で、優勝を決めるのにキャプテン同士によるジャンケンを行なったことがあった。我がチームは一発勝負のジャンケンに負けた。

ミスを犯した者をかばい、責任の所在を有耶無耶にしてしまうのが、日本の悪しき慣習である。PK戦で負けた「戦犯」については、はっきりと書いておきたい。まず第一に森保監督。帰国したら辞任するだろうけれど。ペナルティキックを蹴る順番を予め用意しておらず、選手に決めさせるという無責任さである。翻って、もしもPK戦を想定していなかったのであれば、120分で決着をつけられる戦術を実行していなければならなかった。第二にPKそのものを失敗した南野・三苫・吉田の3選手。取り返しのつかないミスだったのは事実だ。おかげで「新しい景色」なるものは見ることができなかった。モロッコチームが羨ましい。


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