2022/12/12

イタリアの小さな村

ワールドカップの期間中は、読書と本屋通いを自粛していたが、準々決勝戦が終わったところで、本屋に走ってしまった。いろいろと買ってしまった中に『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』(内田洋子著/文春文庫/935円)が、あった。本の雑誌社さんが送ってきてくれた『文庫王国2023』の中で、東(あずま)えりかさんが、ノンフィクションのベストワンとして紹介していた作品である。ちなみに、東さんは北方謙三氏の秘書を長く務めていた人である。秘書というのは単なる肩書で、作家の雑用を片付ける他に、作家作品のベースとなる資料を収集する、いわゆるリサーチャーであったということだ。

文庫の著者紹介をみると、内田洋子さんは在イタリアのジャーナリストで、日本で出版された随筆集が日本エッセイスト・クラブ賞と講談社エッセイ賞を受けている。それにしては文章が上手いとは思われないのだが、内容の面白さに惹きつけられて、短時間で読み切ってしまったのである。

モンテレッジォ(イタリア・トスカーナ州)は、その名の示すとおり山の中にある村で、Googleマップでも+ボタンを何度もクリックしなければ表示できないほどの小さな村である。その村の人たちは大昔から、生計を助けるために、本を担いで行商に出かけていたというのである。その話をヴェネツィアの古書店で耳にした一人の日本人・内田洋子さんが大いなる興味を持ち、取材を重ね、まとめた本である。

BS日テレに『小さな村の物語 イタリア』という番組があって、放送回数が、すでに370回以上にもなっている。NHKがやっていた『新日本紀行』のような番組である。なぜBS日テレが「新イタリア紀行」をやろうとしたのかが判らないのだけれど、内容は面白い。内田洋子さんの作品内容に通じるものがある。過去の放送をたどってみると、モンテレッジォから程近いポントレーモリの村を二度訪れている(2008年と2020年)。ポントレーモリにはイタリア中の貴重な古書を扱う本屋があり、モンテレッジォには本の行商人が住んだ。無関係であるはずがない。

そういえば。イタリアがワールドカップに出場していないなんて!


0 件のコメント:

コメントを投稿