2016/07/27

映画の中の自転車


自由民主党の谷垣幹事長が自転車で事故をおこし、頸髄を損傷したとの報道があった。
車輪が二つしかないのだから、こけやすいのは当然だ。
かくいう自分も、わりと最近に続けて事故に遭って、一度は救急車で搬送されたのである。
高校の同級生だったKは、自転車で通勤中に転倒事故をおこし、半身不随となった。
彼はその後消息を断ち、鳴門海峡を見下ろす橋の上で、運転していた自動車だけが発見された。
今もなお行方不明のままである。


自転車をメインのテーマにした映画は、自分の知るかぎりあまりない。
もちろん、ツール・ド・フランスなどのドキュメンタリーを除く。
『自転車泥棒』(ヴィットリオ・デ・シーカ監督作品、1948年)、
『メッセンジャー』(馬場康夫監督作品、1999年)
ぐらいである。

『明日に向って撃て!』(ジョージ・ロイ・ヒル監督作品、1969年)
では主役のポール・ニューマンが自転車に乗って遊ぶ印象的なシーンが描かれている。
無骨な黒塗りの車だった。

自転車好きとして、映画の背景に映り込んでいる車にも目をひかれる。
『ジャッジ 裁かれる判事』(デヴィッド・ドブキン監督作品、2014年)
では、インディアナの片田舎に25年ぶりに帰郷した主人公が、実家のガラージから古い車を引っぱりだして走るシーンがあった。
大いなる興味を持って、その車のダウンチューブにペイントされたメーカーロゴを読み取ると……
日本製のPだった。


 

2016/07/18

礼儀正しいアビスパ、侮辱するガンバ


動かなくても汗がにじみ出てくる。
ニッポンの夏、蒸し暑い夏。
そんな中、7月17日の日曜日にJリーグの試合が開催された。
1部の第2ステージ第4節、ガンバ大阪対アビスパ福岡戦は0-0の引き分け。

福岡は試合開始前の練習のときに、選手が整列してスタジアム各方向に挨拶を行なった。
こんな礼儀正しいチームは珍しい。
私の経験したかぎりでは、ACL戦で万博を訪れた済州ユナイテッド(韓国)とジュビロ磐田ぐらいである。

福岡の選手たちのお辞儀に、北のクルヴァはブーイングで応えた。
メインスタンドにいた私は、恥ずかしくてしかたなかった。
代わりに謝るよ。
ほんま、ごめん。










どんより曇っていて、雨が降りそうな気もしたが、MTBで出かけた。
新バッシュガードを装着してのテストランを兼ねて。
テストが必要だとは思えぬが……












問題はなかった、バイクの側には。
人間側が、最下位のチームから1点も取れなかったことに落胆した結果、帰宅するのに時間がかかった。
勝った試合の後は早いんだが。









2016/07/14

本の扱いについて


チェーンリングガード、またの名をバッシュガードの取り替え作業に着手。
塗装をほどこすか否か考え中……

『本の雑誌』8月号の読者投稿欄に、偏固ジャーナル採用さる。
ここのところ打率低迷だったのが、二か月連載。
まるでイチローみたい。
いや、比べてごめん。

投稿欄は「三角窓口」というタイトルで、その窓口で読者が編集部に質問するという体裁なのだが、みんな好き勝手なことを書いて送り付けているのである。
ちなみに、今回採用された原稿の内容は、本の扱いに関するショートエッセイである。
約600字で、亡父がどんな扱いをしたか、わが同僚がどんな仕打ちをしたかを書いた。







 


2016/07/12

久しぶりのボール盤


ユーロが終焉を迎えた。
もちろんフットボールの方である。
パリのサン・ドニ球技場で決勝戦が行なわれ、ポルトガルが1-0でフランスに勝った。
予想し得なかった結果である。
今後四年間、ポルトガルが欧州チャンピオンの座を保持する。

いつも行くホームセンターがDIYコーナーを無料で貸してくれることになった。
道具も借りることができる。
さっそく、卓上ボール盤を借りに行った。
アルミの円板に穴をいっぱい明けて、自転車のチェーンリングガードを作るためである。

ところが、ボール盤は借りられるがドリルビットは装備されておらず、借りる側が持ち込まなくてはならないということだった。
やむを得ず、金工用のドリルビットをその場で購入。
これで径6ミリの穴を明ける。




150ミリ径のアルミ円板にテンプレートを貼り付けてある





















アルミの円板は以前購入したものである。
ほんとうは144ミリにしたかったのだが、それでは円板からオーダーせねばならず、10倍ほどもコストがかかるので、既成品の150ミリを採用した。

設計図はグラフィック・アプリケーションを使って描き、プリントアウトを材料に直接貼付した。
紙ごと穴を明けてしまうという寸法だ。

2011年の夏に職業訓練校に通っていた。
工場の管理運営を学ぶためである。
結局それは仕事に活かせなかったのだが、モノ作りを実体験することができた。
ボール盤を扱ったのも、そのときのことである。

工場では軍手をはめて作業するものと思っていたら、素手でやれと教わった。
材料や工具に直接触れて負傷するよりも、手袋や衣服が工作機械に巻き込まれて事故を起こす方が危険なのだと後で知った。


 

2016/07/03

iPad miniでテザリング


最近、タブレット端末のことを「板(いた)」と呼ぶようになった……

我が家のISP(インタネット・サーヴィス・プロヴァイダ)は、長年Yahoo! BBである。
とにかく料金が安いところを追求した結果、そうなった。
いまだに12MBのADSLを使っている。
上りではなく、下りが12MBである。
今どきこの値でBB(Broad Band)と呼ぶのも恥ずかしいだろうに。

その12MB ADSLが、最近不調である。
なかなかつながらなくて、イライラさせられることが多くなった。
そんな中、当のYahoo! BBからセールスのメイルが届いた。
もっと高速なシステムに変更したらどうでっか、という勧誘である。
それに変えると、現在の3倍ぐらいの料金がかかってしまう。

こちらにすれば速くなって、さらにお安くなりますよ、というお誘いならば喜んで受けよう。
高いものを買わせてもうけようという魂胆なら、お断りである。
12MB ADSLの調子が悪くなったことと、関係があるのか?

そんな時、思いついたのがテザリングである。
携帯端末をモデムがわりに使って通信する「技」である。

初代のiPad miniをSoftBankで購入するとき「テザリングはどうなさいますか?」と尋ねられた。
考えてないので要りません、と答えたのだ。
テザリングをオプションとして付与すると、毎月の料金が何百円かアップするのである。
その時は、iPad miniをPCのモデムがわりにするという発想もなかった。

やがてiPad miniをiPad mini 2のSIMロックフリーのマシンに買い替えた。
SoftBankは大枚はたいて解約。
DMMモバイルの格安SIMを買って、iPad mini 2にインストールしたのである。
初代iPad miniはWi-Fiを経由してiPad mini 2に接続し、インタネットを共有できるようになった。

このインタネット共有を、PCとの間でもできないか、トライしてみた。
これが思いのほか簡単にできたのである。
PC(Mac mini)のAirMacからiPad mini 2のネットワークを探し、パスを入力するだけだった。
もちろん、12MB ADSLより高速である。
テザリングの追加料金も発生していない。
Yahoo! BB、どうする?


 

2016/06/23

ユーロPK失敗の話


ユーロ2016のグループD・第3節、クロアチア対スペイン戦。

クロアチアのフットボール協会は、前節サポーターが起こした騒ぎの責任を問われ、罰金10万ユーロを科されることになった。
1,400万円ぐらいかな?
選手は気落ちせず(彼らが払うわけぢゃない)、前回チャンピオンに挑んだ。

スペインが1点先行したが、クロアチアが前半のうちに追いついた。
スペインは今大会初の失点である。
後半、スペインがPKをもらう。
キッカーは主将のセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー所属)。

クロアチアの主将スルナが、自軍のベンチに向かって何ごとか言っている。
ラモスと同じクラブチームに所属しているルカ・モドリッチに、ラモスがどちら側に蹴るか尋ねているのだ。
モドリッチからの返事を、スルナがゴールキーパーに伝えた。
そしてキーパーは、ラモスのPKを止めることができたのである。
同点のまま後半も40分を経過した後、クロアチアが1点追加して勝利を収めた。
あのPKが決まっていれば……

そういえば、グループF・第2節のポルトガル対オーストリア戦。
引き分けで終わったのだが、クリスチャーノ・ロナウドがPKを決めていれば、ポルトガルが勝っていた。
彼が蹴ったボールは、ゴールポストに当たってはね返ってしまったのである。
ロナウドもまた、レアル・マドリー所属の選手である。


 


2016/06/20

ユーロ破れた話


ユーロ2016のグループA・第3節。
スイス対フランス戦では珍事があった。

この試合の前半に三人、後半に一人のスイス選手のユニフォームが裂けた。
もちろん、フランスの選手がつかんで引っ張ったからだ。
スイスの方も相手を引っ張っているが、フランスのは破れないのである。
審判がユニフォームを着替えるように命じるのだが、その一瞬間にもゲームは激しく動いているので、選手とチームにとっては大きな迷惑となる。

こうなると、ユニフォームのメーカーの責任問題である。
スイスのは独のP社、フランスのは米のN社の製品である。

さらにこの試合では、独・A社のボールも破裂するアクシデントがあった。
アタッカーとディフェンダーがイーヴンのボールを取り合った際に、アタッカーのシューズのスパイクがボールの縫い目にくい込んでパンクする瞬間をカメラがとらえた。

ユニフォームとボールは破れたが、試合は無得点の引き分けに終わった。


 

ユーロ国歌の話


ユーロは国同士の戦いなので、試合開始の前に両国の国歌が演奏される。

例えばオーストリアの場合。
国歌の作曲者は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトである。
ドイツの国歌は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作曲者である。
どちらもオーストリアの人だけれど。

音楽界のビッグネームが作った国歌は、なるほど格調が高い。
しかし、戦いの前に歌うものとしては、ちょっとおとなしい。
フランスの「ラ・マルセイエーズ」のような歌こそふさわしい。

イングランドは馴染みのある「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」。
今回ユーロ初出場の北アイルランドも同じ曲を使う。
両国が対戦したら、国歌斉唱は一回ですませるか?
 
スペインのには歌詞がないので「国歌」とは言いがたい。
しかし、サポーターたちは演奏に合わせて歌っている。
試合用に特別な歌詞をつけているのかもしれない。

初めて耳にするアイスランドの国歌には、賛美歌が使われていた。
ユーロが国歌の美しさを競う大会なら、優勝候補だ。

個人的に最も好きなのは、ロシア国歌である。
ソヴィエト連邦時代に使われていた、あの曲である。
50年ほど前は、国際競技大会の表彰式で頻繁に聴いたものだ。
曲を売りたければ、ヘヴィ・ローテーションするに限る。



2016/06/19

ユーロ降ってくる話


フットボールは、相当悪い天候でも試合を行なう。
実際に万博記念競技場で、豪雨の日に観戦していたことがある。
スタンドの最前列で、上から流れてくる水にくるぶしが浸かってしまうほどだった。
それでも、雷が鳴ったときだけは危険なので、フィールド上の選手も観客も退避させられる。

ユーロ2016のグループC・第2節。
ウクライナ対北アイルランドの試合がはじまったときは、陽が射していた。
ところが、会場のリヨンに寒冷前線が急接近。
にわかに暗くなった空から、雹(ひょう)が降ってきた。
これは氷でできた弾丸なので、危険である。
というわけで、審判が試合の中断を宣した。
珍しいケースである。

同じくグループD・第2節。
チェコ対クロアチア戦も、はじまったときには晴れていた。
ところが、後半戦の途中にクロアチアのサポーター席から発煙筒が降ってきたのである。
赤々と燃えながら煙を吐き出す筒が、十本以上もフィールドに転がった。
チェコに2点先行して、もう少しがまんしたら勝てる、というシチュエーションで、なぜそんなことをするのかがわからない。
この試合も審判が中断を宣した。
再開後、クロアチアはチェコにPKを与えて、同点に追いつかれた。


2016/06/18

ユーロこぼれ話


ユーロといっても、英国が離脱しよかしよまいかと悩んでいる欧州連合ではない。
イングランドが絶対にその覇者ならんとする欧州フットボール選手権大会(European Football Championship、通称:ユーロ)のことである。

ユーロの開催は四年に一度。
ワールドカップの開催年とは二年ずらしてあり、北半球のワールドカップと呼ばれることもあるのだが、実際にはアジアや北アメリカは含まれていない。
UEFA(欧州蹴球連盟。ユーエフアー、ウエファとも)に所属する国だけが参加する。
フットボールのおいしいところが堪能できる大会なのである。

それはともかく。
試合を見ていると、入れ墨(タトゥー)をしている選手が多くいる。
日本では、その筋のモンが、表からは見えない部分に施すものであるのに対して、外国人のは隠すのが困難な部分にタトゥーを彫っていることが多い。

アルバニアの選手の、耳の直下の首筋にタトゥーがあった。
そのタトゥーは漢字だったので、私にも読めた。
「防止」と彫ってあった。


 

2016/06/17

ガンバもその気になれば


Jリーグ1部は2016年シーズンの第1ステージ(全17節)を15節まで終了した。
いよいよ大詰めである。
そんな中、未消化だった第10節・ガンバ大阪対浦和レッドダイヤモンズ戦が行われた。
わずか四日前の第15節で湘南ベルマーレと情けない引き分け試合を演じたばかりである。
3点取って勝てないとは……
どうせまた、と思いつつもまたスタジアムに出かけていく。

最近やっと自転車でスムーズに行き来できる方法が確立した。
スタジアム付属の駐車場に置くと、帰りは人波にさえぎられて出られない。
そこで、最寄りのモノレール駅の直下に置いて、スタジアムまで歩くことにした。



MTBを鉄柵にしばりつけておく




















当日の服装。
濃紺色のポロシャツ、白い帽子(野球帽タイプ)。
日本では古来「褐色(かちいろ)」と呼ばれる色がある。
「勝ち」につながるその色が、濃い紺色なのだ。
そして白い帽子はもちろん「白星」を意味している。




最大音量・最強調和のレッズ応援団





















応援に関しては、ガンバはレッズに勝てない。
みんなの声がぴったり合っているし、ボリュームが非常に大きい。
当日は、それを覚悟して耳栓を右側の耳に押し込んでおいた。
そうしておいてさえ、ガンバの応援団よりも大きい音で聞こえてくるので、レッズの応援に拍手のリズムを合わせてしまいそうになる。

試合は、1-0(得点者:宇佐美貴史)でガンバが勝った。
四日前の湘南戦とはうって変わって、観る価値のある好ゲームだった。
このカードが「ナショナル・ダービー」と呼ばれるようになったほどに、浦和レッズはガンバ大阪にとって好敵手である。
この相手にだけは負けたくない、そんな気になれば強豪レッズには勝てるのに、なぜ下位の下のチームに勝てないのか。


 

2016/06/14

キックオフがなくなる?


2016年3月に国際フットボール評議会がルールの改訂を行い、6月から2年間試行されることになった。
日本ではキリンカップサッカーから新ルールが適用されたので、違和感を持たれた人がいるかもしれない。

フットボールはラグビーなどとは違って非常にシンプルなルールのゲームだと思っていたけれど、ルールを整備すればするほど、ルールブックの厚みが増していく。
ルールが増えれば審判が笛を吹く回数も増えていく。
審判なしで試合をした方がスムーズにいくのではないかと思うことさえある。
(アルティメットという競技には審判がつかないらしい)

それはともかく。
今回の改訂による変更の大きなものの一つに「キックオフはどの方向に蹴ってもいい」がある。
これまでは、キックオフの権利を持ったチームの3人だけがセンターサークルに入ることを許され、必ずセンターラインを越えて相手陣地にボールを蹴り入れることになっていた。
(近年は、一人がちょんと蹴り入れて、もう一人がうしろに戻すというスタイルが主流になっていた)
新ルールでは前に蹴らなくてもいいので、キックオフは一人で真うしろに行なえばいいのである。

相手のサイドに蹴り出す、という意味でそう呼ぶのなら、これはもはやキックオフではなく「キック・オン」とちゃう?


 

2016/06/12

読書の原点を探せ!


『本の雑誌』2016年7月号の特集テーマは「読書の原点を探せ!」。
子どもの頃にどんな本を読んでいたのか、さまざまな人の話。

小生は昔から翻訳ものが好きで、シャーロック・ホームズ譚やH・G・ウェルズ、ヴェルヌ、名前も憶えていないソ連の作家のSFなどを読んでいた。
ロビン・フッドやアーサー王と円卓の騎士の物語に触れたのも、その頃だ。

7月号の読者投稿欄に拙稿が採用された。
打率(採用率)が低迷していたが、久しぶりのヒットだ。
今回はトム・ボウマンの『ドライ・ボーンズ』(ハヤカワ・ミステリ文庫)に関するお話。



















 

吹田スタジアムで3試合


吹田スタジアム、あるいは吹スタという略称が浸透しつつある。
6月7日火曜日、ここで初めての国際Aマッチが開催された。
記念すべき最初の試合は日本代表戦ではなく、デンマーク代表対ブルガリア代表だった。

キリンカップサッカー2016の第3位決定戦は、デンマーク 4-0 ブルガリア。
2試合で11失点したブルガリアは、顔をあげて国に帰れまい。

決勝戦は日本代表対ボスニア・ヘルツェゴヴィナ代表。
若い浅野は最期にへこたれてシュートを撃てず、日本 1-2 ボスニア・ヘルツェゴヴィナ。
このスタジアムでホームチームが快勝するのを、まだ見ていない。

当日の模様をダイジェストで。
ほんとうはiPad miniを三脚に固定するべきだけれども、全てのカットを手持ちで撮影した。
だから、画角がまちまちだけれど、そのままつないでストップモーションビデオにしてみた。


▼KIRIN CUP SOCCER 2016, Day 2 digest



2016年J1第15節、ガンバ大阪対湘南ベルマーレ、間もなくキックオフ


6月11日土曜日にはリーグ戦。
ガンバ大阪対湘南ベルマーレはJ1第15節。
0-1、1-1/2-1、2-2、3-2と推移して、3-3で終了。
ガンバは苦労して3点取るも、相手に三つのクリーンシュートを許して追いつかれた。
攻撃にAmbitionなく、守備はなまぬるい。




2016/06/04

キリンカップサッカー2016準決勝


Japan Football Association(JFA)→日本サッカー協会
つまり、フットボールを日本ではサッカーと翻訳するんかい!と思っていたけれど、キリンカップサッカーの英文表記は「KIRIN CUP SOCCER」となっている。
(当然ながら……サッカーはsoccerという語の日本語読みである)
ちなみに、中国語でフットボールは、フット=足+ボール=球ということで「足球」と書く。
ソッキュー、はなんとかくサッカーに語感が似ている。
それがどやさ。

2016年6月3日、金曜日。
愛知県の豊田スタジアム(フットボール専用)で、キリンカップサッカーの準決勝戦2試合が行われた。
参加するのが4チームなので、最初の試合がいきなりセミファイナルだ。
その第1試合が、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表対デンマーク代表だった。
少数の人しか観ていないと思うので、簡単にレポートしておこう。簡単に。

ボスニア・ヘルツェゴビナといえば、まずエディン・ジェコ選手(元・英国プレミアリーグのマンチェスター・シティ所属)を思い出す。
今シーズンはイタリア・セリエAのローマで過ごしたが、キリンカップには怪我のため出場していない。
残念。
デンマークのゴールキーパーは、キャスパー・シュマイケル選手。
英国プレミアリーグの現チャンピオンであるレスター・シティに所属している。
背番号10のミッドフィルダーは、同じくトットナムに所属するエリクセン選手。
つまり、プレミアリーグで観たことのある選手以外は、ほとんど知らない……

試合は0-2、2-2と推移。
デンマークが2点先行し、ボスニア・ヘルツェゴビナが2点入れて追いついた。
キリンカップでは延長戦は行わず、決勝戦への進出資格をジャンケン、ぢゃなかったペナルティキック戦で争う。 シュマイケルが一本止めて優位に立ったが、同僚2名が失敗。
最後の一本を、シュマイケルは動きすぎて止められず、万事休した。

さて、第2試合はみなさんご存知のとおり日本代表が勝った。
決勝戦は日本代表対ボスニア・ヘルツェゴビナ代表、第3位決定戦はデンマーク代表対ブルガリア代表という取組で6月7日火曜日に行われる。
日本代表は自らの監督の母国を打ち負かして、ワールドカップ予選へのはずみとしたいだろうが、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表はかなりしぶとい相手である。
なにしろ、ボスニア・ヘルツェゴビナは準決勝戦の後半の途中で一選手が退場になってから、点をとって追いついているのだ。

一方、負けた者同士の対決となったデンマーク対ブルガリアだが、こんな好カード。
欧州選手権(通称:ユーロ)かワールドカップでしか観られまへんで。
スタジアムはエキスポ・フットボールパーク(正しくは市立吹田サッカースタジアム)、日本代表戦を開催するのはもちろん初めてである。

 

2016/06/01

翻訳専攻・2


以前読んだことのある翻訳作品を、新訳で読み直すには勇気がいる。
気に入って何度も読んだ『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン著、福島正実訳、ハヤカワ文庫)には、同じ出版社の2009年版新訳が存在する。
書店でちらっと見かけたが、まだ第三種接近遭遇を行っていない。
そやかて、怖いやん。
名前を聞いたこともない訳者やし。

その点で、レイモンド・チャンドラー作品の新訳は違う。
訳者が村上春樹だったので、すんなりと手にとって読むことができたのである。

四十年ぐらい前に、夢中で読んでいた警察小説がある。
刑事マルティン・ベックの物語である。
角川文庫から出ていたこのシリーズは全部で10冊あった。
作者はスウェーデン人で、マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールーというカップルだった。
日暮修一の装幀もスタイリッシュで気に入っていた。
後年、10冊まとめて古書店に売ってしまったけどね……

最近になって、マルティン・ベックにも新訳が出たのである。
漏れ聞くところによると、本国で復刊されてブームが再燃したらしい。
新訳はそれに便乗したのだろう。
旧訳は英米文学翻訳家の高見浩が、英訳版を翻訳したものだったのだが、新訳はスウェーデン語から直接日本語に翻訳したものである。




図書館の書庫に眠っていた『ロゼアンナ』



新訳版『ロセアンナ』(角川文庫)





















『ROSEANNA』(原題)は、シリーズの第一作である。
高見浩訳ではこれを『ロアンナ』、新訳では『ロアンナ』としているところが違う。
新訳者は、スウェーデン語の発音では濁らないのだと言うのだが『ROSEANNA』は固有名詞で、アメリカ人女性の名前なのである。
彼女の名が最初に登場するとき、それをマルティン・ベックに口伝えするのはアメリカの人なのである。
当然『ロアンナ』とすべきである。
残念。


 

2016/05/30

翻訳専攻


翻訳小説を専門に読んでいる、っていう意味です。
菊池光、永井淳、高見浩などのベテラン訳者が続々と鬼籍に入り、今や日本の翻訳界は「乱世」である。
新人翻訳者が使う日本語そのものが乱れていると思うのである。

訳語のセンスも悪いと思う。
例えば……ケン・フォレットの『巨人たちの落日』『凍てつく世界』『永遠の始まり』の三連作には「The Century Trilogy」という冠がついているのだが、これを「百年三部作」と訳している。
百年には違いない。
しかしどこの百年か?
『巨人…』で第一次世界大戦、『凍てつく…』で第二次世界大戦、『永遠…』で冷戦、が中心テーマとして描かれているのだから、ここは『20世紀三部作』と訳してもらった方が腑に落ちるのである。

そういえば、読んでいて腑に落ちない箇所に、よく出会う。
意味がよくわからない文章、誤解を招く読点の使い方などがあって、その部分でつかえて先へ進めなくなってしまう。
訳している本人は理解できているのだろうか。
それとも理解できないまま訳語だけを順番に並べているのだろうか。

校正も行き届いていないと思う。
『永遠の始まり』には「発砲ワイン」という間違いがあった。
これほどありがちなミスを見過ごすとは……
また別のページには、
『…ダヌタ及びで保安官彼女の友人が…』
という文が出てくる。
ダヌタは女性の名前で、
『…ダヌタ及び彼女の友人が…』
が正しく、「で保安官」という部分が余分である。



図書館から借り出し。J.F.ケネディ(左)とキング牧師

ジョン・レノンとベルリンの壁。合計四巻の大部


































 

2016/05/15

四年ぶりのリーグ戦


ガンバ大阪とジュビロ磐田の間には因縁がある。
2012年3月25日、シーズン開幕後間もないJ1で対戦。
この時点ですでにガンバには監督解任の危機が訪れていた。



当日、クルヴァに掲げられた「責任問題発生中!!」の横断幕(万博記念競技場)


















そしてこの日、ジュビロの前田遼一選手(現在はFC東京所属)にシーズン初得点を許してしまう。
彼が初ゴールを奪ったチームは降格するというジンクス通り、ガンバはJ2に降格することになる。
奇しくも降格が確定した敗戦の相手もジュビロだった。
「J2降格なんて、まったくイメージしていない」と言い続けた当時の金森社長は、アウェイの地でガンバサポーターから罵声とペットボトルを投げつけられたという。

ガンバは2013年シーズンにJ2で優勝してJ1に返り咲く。
一方、ジュビロはJ1の17位に沈み、降格。
ジュビロはJ1に戻ってくるのに2年を要したため、再び対戦するのに長い時間がかかった。
2016年5月13日金曜日。
J1第12節、ガンバ大阪対ジュビロ磐田は四年ぶりのリーグ戦となった。

新しいホームスタジアムに観戦しに来ているサポーターたちは、ここで二か月も勝ち試合を観ていない。
アウェイの前節においても無得点(引き分け)という不甲斐ない結果に終わっている。
今節負けたりすることがあれば「責任問題発生中!!」となりかねない雰囲気があった。

その雰囲気を払拭したのが、#7遠藤選手の決勝ゴールだった。
この日長谷川監督が選択したシステムは、攻撃的な4-2-4。
なんとFWが四人の構成で、パトリック、アデミウソン、宇佐美につづく第四のFWが遠藤だったのである。
ゴール後に、あんなにはしゃぐ遠藤を、これまでに見たことがない。




ジュビロ戦キックオフ前のクルヴァ(吹田スタジアム)




















試合終了後、ジュビロのイレヴンは南のクルヴァに挨拶した後、メインスタンドの前でも整列して、我々の拍手を浴びたのである。
リーグ戦において、これは珍しい光景である。

試合後「万博記念公園」駅まで歩く。
この日、MTBを駅の下に駐車してあった。
スタジアムの駐車場に置くと、帰り客の雑踏を突破して帰るのは不可能だからだ。
駅から自宅まで、休む必要なく走ることができたのは、贔屓チームが試合に勝って脳内麻薬が出たからだろう。


 

2016/05/05

頭文字Gの憎いやつ



五月に入って、ようやくガス・ストウヴをしまった。
これほど肌寒い日が続く春もめずらしい。

暖かくなってくるのと同時に、あの害虫が姿を現わし始めた。
ハリー・ポッターと同じように、その名を口にするのもはばかられる、頭文字Gの虫である。

さっそく台所に現われた一匹を追いかけたが、あいにく見失ってしまった。
いつまた現われるかと思うと、夜も落ち着いて眠れない。
まる一日ぐらい経った頃に、少し離れた場所に出現したやつを、殺虫剤を噴霧して退治した。
困るのは、こやつがきのうのと同じやつか判らない、ということである。
ネットの評判を読んで「ブラックキャップ」を2ダース買ってきて、家中にばらまいた。
その名のとおり黒いので、これを見てもドキっとしてしまうのである。

家の中だけでなく、外の壁を這っているやつもいた。
目撃した以上、ほうっておけないので、殺虫剤をもって追う。
同じ日に二匹を退治した。
翌日にもまた二匹。
自分よりもはるかに小さな虫だからいいが、もし映画のエイリアンだったら大変だ。

この虫がよくトイレに現われるのが不思議でならなかった。
用を足しに入ると、そこに待ち受けている、ということが再三あったのである。
そしてついに、換気口の細い隙き間から侵入しようとしている現場を目撃した。

とりあえず、内側から換気口を封鎖。
換気扇が使えなくなるが、Gが入ってくるよりはましだ。
100円ショップで網を見つけて買ってくる。
ほんとうは料理に使うシートなのだが、これで換気口を覆う作戦だ。
あまりに目のつまった網だと、換気効率が悪くなる。
5ミリのグリッドなら、成虫は防げるだろう。

頼むから、入って来んといて。




換気扇のカヴァの内側にネットを貼った




















表側。このスリットをGがすり抜けて侵入したのである




















 

2016/04/30

観る価値はありません


四月になって、やっと二回目のジャーナル更新。

試合の日、ほぼ一年ぶりに自転車でスタジアムまで走る。
久しぶりなので、ちょっとキツい……

途中で、後援会仲間のMさんに偶然出会う。
いや、彼女もスタジアムに行くつもりだろうから、偶然とも言えない。

Mさんは、スタジアムへの経路を案内している若い男に詰め寄っている。
君が指示している道でなくても行けるぢゃないの、という訳なのである。

実のところ、その道は「山岳コース」と言うべきもので、アップダウンが大きくて距離も長い。
一方、小生とMさんが行こうとしている道は、ほとんど平坦で距離的にも短い。
クラブが雇ったと思われる男は、あくまでも遠く険しい道を行かせたいらしい。

そうはいくか、とMさんと小生は(自転車を押しながら)近道を行く。
自転車が変わりましたね、とMさんが言う。
そうそう、前の青いバイク(後輪にカヴァを付けて「GAMBA 12」の文字をプリントした)で続けて二回事故に遭ったので、験をかついで廃車したのである。
というわけで、この日乗っていたのはシルバーカラーのMTB。

Mさんとは席が別なので、ゲートの前で別れる。
クラブが指定する自転車置き場にMTBをとめて入場。
キックオフまでにはまだたっぷり一時間以上、スタジアムの雰囲気を楽しむことができる。

試合は、Jリーグ1部の第9節、ガンバ大阪対川崎フロンターレである。
予想した通り、ガンバはよれよれのゲーム運び。
審判がPKを見逃がしてくれて助かったのに、大久保選手に頭で決められて1-0。
リーグ通算162得点は史上最高である。




南のクルヴァを埋め尽くした川崎のサポーターたち





















宇佐美選手と大久保選手との間で喧嘩騒ぎがあった。
試合の最中に相手の手が顔に当たって怪我をするなんて、よくあることなのに、激昂するのは宇佐美選手の方が子どもじみている。
試合は1-0のままで終了。
もはや観る価値もありません。

観る価値のあるのは新築したスタジアムだが、おなじみになってしまえば、珍しさもそこで終わる。

とぼとぼと帰途につく。
クラブが指定する自転車の帰り道は、歩行者がふさいでしまっていて、通れない。
無理をして、自転車を押して歩行者の列に入っていく人がいるが、危険なのである。
反対側の指定路も同様であった。
クラブ側がバリケードを設け、しかも「通り抜けできません」と嘘を書いた道を行く。
この道を行けば車道に出られることは、以前に走ったことがあるので知っている。
かなりの回り道になるが、渋滞なく走ることができた。