2023/02/04

ビニ本になった伊丹十三

最近、講談社文庫がシュリンクパックになって売られている。カバーの表面は透かして見ることができるものの、中身(本文)を検めることはできない。どんな内容かは、ウラスジ(ヒョウヨン=表4部分のカバーに印刷されている粗筋)から窺い知るしかない。こういう仕掛けのことを「ビニ本」と呼んだのは、もう半世紀前のことになる。

およそ三年前に、伊丹十三選集・全三巻が岩波書店から発行された。いっぺんにではなく三期に分けて。梅田の紀伊國屋書店、蔦屋書店、地元のT書店で一冊ずつ購入した。これらがすべて「ビニ本」だったのである。中を見せてくれ! せめて見本に一冊、フィルムを脱がせたのを置いといてくれ、と思ったものである。現在まで伊丹十三選集の三巻は、フィルム(たぶん、P.P.=ポリプロピレン製)を被ったまま、我が本棚に積まれている。

実は、積ん読のまま、中身だけを読んでいる。バット、ハウ? 地元の図書館の棚に同じ本があったのを見つけて、借り出してきたのである。このエピソードを書いていて、知り合いのフィギュアコレクタが同じものを二つ買い、一つは開封しないで保存し、もう一つは開封して手にとって弄ぶ、と言っていたことを想い出した。











■メガブログまで、あと2


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