2023/02/18

失敗したんぢゃないの?

韓非子を、たった今まで「かんびし」だと思っていた。つまり「び」の部分が、半濁音ではなく濁音になっているのだが……何十年もの間、間違えて憶えていた。恥ずかしい。

それはともかく。国産初のH3型宇宙ロケットの打ち上げに失敗、という見出しが真っ先に思い浮かんだのだが、宇宙航空研究開発機構(通称:ジャクサ=JAXA)は、これを失敗とは言わなかった。まったく潔くない態度であると、私を含めた多くの人が思っただろう。事後の記者会見の場で、どうしても失敗を認めさせたい共同通信社の記者が「これは一般的には失敗といいます」と言い放ったそうだ。

だが、冷静に考えてみれば、ロケットは実際には打ち上がっていないのだから、打ち上げの失敗ではないと言ってもいいのである。全エンジンが正常に点火して、ロケットが空中に浮き上がった後に高度を維持できず墜落したら、これこそが「打ち上げ失敗」と言えるだろう。後刻、毎日新聞一紙しか拝見していないが、共同通信の失敗言説を採らずに「打ち上げ中止」と報じている。

今回のことから想起するのは「受験に失敗」という言葉である。これなども、受験することができなかったという意味にとれるので、かねて違和感があった。しかし、これをジャクサ式に考えれば、受験できなかったのは「中止」であり、受験はしたけれど不合格だったのが「失敗」と言えるのである。


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