2011/10/13

偶然のメロディ

TVの番組宣伝で「シネマ落語」というものを偶然知り、興味を持った。
忘れないうちに録画予約して、『吉原の休日』という噺を聴く。
演ずるは立川志らく。
フランスの政治家Jacques René Chiracからとった名前だ。
名付け親は師匠・立川談志。

この日の高座での噺は二席演って中入り後もう一席。
『青菜』『唐茄子屋政談』『吉原の休日』の順だった。
『吉原…』は『ローマの休日』が下敷きになっており、『青菜』と『唐茄子…』にその伏線が張られているというなんとも楽しい構成である。

市立中央図書館に借りた本の返却に行ったついでに立川志らくの著書を借りてきた。
『雨ン中の、らくだ』は談志論というコンセプトのエッセイだ。

その夜。
TVで偶然『小さな恋のメロディ』(原題:Melody、Waris Hussein作品、1971年)を放映しているのを見つけて、途中から観た。
自分の映画好きの原点となった記念碑的作品だ。
封切られた時に女子を誘って、座り続けで2回観た。
ビデオさえ普及していない時代だったので、その後2番館や名画座にかかるのを追っかけて、合計10回は観ている。

『雨ン中…』を読み進む。
志らくもその師匠の談志も映画ファンであることがわかる。
師匠を理解するために、弟子も師匠の好きな映画を観る。
志らくの兄弟子の談生も同様で、師匠がある時「おい、お前、一番好きな映画は何だ?」と聞いた。
談生はフレッド・アステアの映画が素晴らしいです、
とは答えずに「『小さな恋のメロディ』です」と答えてしまったそうだ。
以後談生は映画の話の相手にされない。
それが原因かはわからないが、談生は立川流を卒業(廃業のこと)してしまう。

偶然再会した『小さな恋のメロディ』は、五十男も胸キュンする思い出の名画だ。
 

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