2011/10/12

折羽鶴


まずは斜め半分に折る
それをまた半分に折る
いったん開いて垂直に半分に折る
こういう折れ目を入れておくと後の作業がやりやすい


実習では折り紙を使って鶴を作る。
羽を左右に大きく広げた鶴ではなく、折り畳んだ状態の「折羽鶴(おりはづる)」だ。
これを50羽「生産」する。
材料や生産にかかる時間、品質などをグループで管理する。

簡単なはずが、そうはいかない。
人間の手で折るので、メンバーそれぞれの手先の器用さの違いが全体に影響をおよぼす。
また、Bグループは総員5名だが、実習に不熱心なメンバーが2名いる。
4月生のKRSはゴールデンウィークまでに就職を決めたいと公約して、そちらの活動に重きをおいている。
ポリテクに来る理由がわからない。
1月生のS(通称シーバス)は、できるだけ楽をして失業給付金をもらいたいタイプの人だ。
午前中出席して、昼からはメンバーに断わりもせずに消える。
グループ内で勤怠表が開発されたのは、このためだ。
あらかじめ彼らの就職活動の予定を確認しておく。

残りのメンバー3名は、
1月生のKMR……鉄道にはかなり詳しいらしい。
下の名前はナオヤ、どんな字か聞くと志賀直哉のナオヤ、漢字変換で一番に出ますよと生意気を言う。
4月生のTKN……50歳代前半、部長然とした人。
何をするにもそつがない。
そして私、4月生のB.T.……同輩のU(56歳)に次ぐ高年齢。
半年みっちり訓練を受けて、新しいスキルを身につけるつもりで来たのに、就職重視と言われてとまどう。

さて折羽鶴。
材料の折り紙は支給品だが、正方形ではない!
これを無視して折ってしまうか、折る前に「整形」するか?
仕上がりに影響する大きな問題だ。
 

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