2017/02/18

ときどき新聞-->


中国の電視台(テレビ)のニュース番組のタイトル画面をみると、
「○○新聞」と表示されていて、違和感をおぼえた。
それは自分が、新聞とは印刷されたものと思い込んでいたからである。
NEWSの漢字訳が「新聞」なのだと気づけば、腑に落ちる。
新聞すなわちニュース(英語の発音は、語尾が濁る)であるのに、日本では紙媒体と電波媒体で使い分けをしているのであった。

日々のニュース、つまり「Daily News」はその名のままの新聞がアメリカにある。
和訳すれば……「毎日新聞」だ!

新聞の月ぎめ購読をやめて、もう何年にもなる。
特段の不自由は感じていない。
実家の母は、どうやら惰性で購読しているようである。
こんなロクでもないニュースばっかり載ってるもんに金払て、とこぼしている。

その母から毎日曜日の朝刊をもらって、貪るように読んでいるのはこの自分である。
主たる目的は、書評である。
自分が読みたくなるような本がとりあげられることはめったにないが、さまざまな知識人が書いている評文を興味深く読んでいる。

月に一度は、朝日新聞の日曜の朝刊を買う。
別刷りの「The GLOBE」を手に入れるためだ。
紙面デザインが気に入っている。
自転車に乗って、鉄道の駅の売店まで買いに行く。
コンビニエンスストアで売られているものには、別刷りがついていない。

朝日新聞も日曜の朝刊に書評欄がある。
他紙と同じ本がとりあげられることもあるが、似たような評にならないところが面白い。
例えば、ピーター・ペジック著『近代科学の形成と音楽』(NTT出版)。
2月5日に五十嵐太郎氏(建築批評家・東北大学教授)が約800字の評を書いている。
毎日新聞1月29日には、中村陽一郎氏(東大名誉教授[科学史])も約1,500字で評を書いているのである。
本のタイトルをふせれば、これが同じ本のことを紹介しているとは、わかるまい。
かろうじてニュートンの名と、天文学・算術・幾何学・音楽という単語が共通しているぐらいである。



朝日新聞・2月5日朝刊















毎日新聞・1月29日朝刊

























いいとか悪いとかの問題ではなく。
一冊を十人が読めば、十通りの読みとり方・十通りの感想・十通りの評価があり得るということである。
書評家Aが絶賛する本を同業者Bはけなすし、Bが激賞した本を一般人Cが読んだら超面白い、とは限らない!



 

2017/02/13

書くのも遅い-->


ジャーナルの更新がなかなかされない、ということである。
このジャーナル(ブログ)も、なんと今年で創刊(開設)9年目である。
初年度180近くあったエントリも、100を切り、50ぐらいになって、これではジャーナル(日誌)とはいえない。
ウェブログの「ログ」にしても日誌という意味だから、いっそ「偏固カジュアル(casual=不定期)」とでも改名しようか。

年間50エントリということは、平均で週一回の割である。
日誌なのだから、どこ行った、何食べたの記録でもいいのだろうが、それでは自分でさえもつまらない。
せめて400字ぐらいは、何ごとか意味のあることを書きたいと思うのである。
すると今度は、書きたい何ごとかが見つからない。
書くのが義務ではないので、ほうっておく。
言い訳を、誰にする必要もない。



 




キートップはUS表示。青黒のペンはスタイラス兼用のBic































そういう訳で書くのは遅いが、実は打つのは速い。
近ごろはPCよりタブレットを使う機会の方が多くなって、ソフトウェアキーボードでの入力をしていた。
キーを打ったという手応えがないのでブラインドタッチができないし、皮脂でディスプレイを汚すのが気に入らない。
そこで、ハードウェアキーボードをiPad miniに装着して文字入力をするようになった。
やはりこちらの方が、かなり効率がいい。
つくづく、PC向きの人間だなあと思うのである。

 


2017/02/12

読むのが遅い!-->


『騎士団長殺し』。
心惹かれるタイトルである。
中世の騎士物語は大好きだし、ミステリとくれば即買いでしょう。
バットゼン、いやBut then,
作者が村上春樹と知れば、おおいに躊躇してしまう。
『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』まではおおいに楽しんだ。
『ノルウェイの森』も読んだが、そこで村上熱は冷めてしまったのである。

今、読み進めているのは、
『[完全版]ビートルズ全曲歌詞集』(スティーヴ・ターナー著/ヤマハミュージックメディア刊)である。
昨年末に公共図書館から借り出して、年をまたいで読み続け、しかしまだ読み終えられず、借りっぱなしの状態なのだ。



A4版変型・352ページ

























他市の図書館の決まりは知らないが、当市では一回二週の期間で本を借りることができる。
その本を他の人が借りたいと思っていないのであれば、つまり予約が入っていなければ、一回限り二週間の借り出し延長ができることになっている。
年が明けて、延長の申請をして受理された。
これは図書館のWEBで簡単に手続きができる。
予約の有無も確認できるのである。

二週間延長したのに、読み終わらない。
なぜそんなに時間がかかるのか。
一番の理由は、集中力がないからである。
もともと読むのは遅い方であるが、今回の本はとくに「読みで」があり過ぎる。

ビートルズの全曲歌詞集、と聞けば英文の歌詞に和文対訳が羅列されたものと想いがちである。
しかしこれは違う。
それぞれの曲ができたバックグラウンドを、でき得るかぎり事細かく書き込んであって、うっかりと読みとばすことができない。
ライナーノーツよりも詳しく、もっと下世話な部分もある。
ビートルズが地方公演先で、どのホテルに泊まったか、そのとき誰女(だれじょ)が一緒でとか、何それを吸飲食したとか……

いわゆる「ビートルズ番」のジャーナリストが、長年にわたって取材した素材を、時系列にそってレイアウトしたものに、歌詞が添えられているといった方がいいかも知れぬ。
一曲あるいは数曲分の解説文を読み、該当曲をiPodから呼び出して、歌詞を読みながら聴くということを繰り返している。
この作業を全曲スルーで行うほどの集中力は、自分にはない。

図書館からの借り出しは、二回目の延長はできない決まりになっている。
そこで、期限が来た日の朝、しぶしぶ返却しに行った。
夕方、また図書館に行って、同じ本を借り出した。
若干の後ろめたさはあるが、ルール違反はしていない。
少なくとも数時間は他人の目にふれるところにあったが、誰も借りなかったのである。

あらたに借り出してからそろそろ二週間。
まだ読み終わらない!
またまた延長を申請するところである。

 

2017/01/30

古本市で売れた本-->


古本市で売れた本(売れた順に)。
『ぼくのミステリ・クロニクル』(戸川安宣著)が1,000円で。
『オシムの言葉』(木村行彦著)は隣の店主ひなさんの本(200円)と等価交換w
『停電の夜に』(ジュンパ・ラヒリ著)が100円で。



Secondhand…の看板は、当日の朝に急きょ制作

長机に横並びの「一箱古本」のお店



29作(重量にして約11キログラム)持ち込んで、はけたのは3冊。
実質的に売れたといえるのは2冊である。
ちなみに、ひなさんとの交換で手に入れた本は、
『ゴー! ゴー! フィンランド』という、フィンランド雑貨を彼の地で買うためのガイドブック。
フィンランドに行くことはまずないだろうけれど、北欧のデザインが写真で見られる楽しい本だ。
元値が1680円もするのを後で知ったが、それが200円とはあまりにも安い。

客層の想定ができていなかったのが、一番の「敗因」。
手作りの品を売るバザー、みたいな催しの中に「一箱古本」を紛れ込ませたために、子供連れの母親とか、近所のおばちゃんが主なお客さんだった。
そこにBT Garage@hencojournal(いちおう店名をつけたのだけれど)がぶつけた販売アイテムときたら……
翻訳のミステリ、SF、冒険小説、そんなのばっかりだから。
コミック本とか時代小説ならまだしも。

だから、まっさきに『ぼくのミステリ・クロニクル』が売れたのは、奇跡にひとしい。
真新しい美本で、今回最も高い1,000円の値札をつけてあった(元値は2,916円)。
買ってくれた神様は、中年の男性だった。
ジュンパ・ラヒリを買ったのは初老の女性、目が高いなあ。
安かったからかなあ。
一箱古本市だけのイベントだったなら、もっと売れたのだろうね。






















他の店で、ネパールの女性が現地で手編みしたというレッグウォーマーを買った。
エスニックの模様と、色合いが美しい。
これに1,500円費やしたので、自分の店の売り上げは吹っ飛んでしまった。

来た時とあまり変わらない重さの荷物を自転車に積み直して、帰る。
11キログラムの荷を、車重11キログラムの自転車のリアキャリアに載せると、完全にリアヘヴィになる。
しかも帰り道はほとんど登りなので、信号待ちで背筋を伸ばしたりすると……
後ろにひっくりかえりそうになった!


 

2017/01/28

一箱古本市出品リスト-->


一箱古本市に出店する。
あふれている本を処分するのにもってこいのイベントだ。
いや、売れればの話だけれど。


 
パックして、POP貼り付け
















略して『USJ』



















出品リスト。
並べて見ると、翻訳ものばかりであるのがよくわかる。
▼冒険小説
鷲は舞い降りた[新旧セット]ジャック・ヒギンズ著
スナイパーの誇り[上下巻セット]スティーヴン・ハンター著
▼ミステリ
ネバーゴーバック[上下巻セット]リー・チャイルド著
最重要容疑者[上下巻セット]同上
61時間[上下巻セット]同上
第三の銃弾[上下巻セット]スティーヴン・ハンター著
ありふれた祈り:ウィリアム・ケント・クルーガー著
解錠師:スティーヴ・ハミルトン著
ポーカー・レッスン:ジェフリー・ディーヴァー著
大鴉の啼く冬:アン・クリーヴス著
アデスタを吹く冷たい風:トマス・フラナガン著
▼ハードボイルド・ミステリ
ドライ・ボーンズ:トム・ボウマン著
酔いどれに悪人なし:ケン・ブルーウン著
▼警察小説
警部補マルコム・フォックス[二冊セット]イアン・ランキン著
ロセアンナ:マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー共著
氷の天使:キャロル・オコンネル
▼SF
ユダヤ警官同盟[上下巻セット]マイケル・シェイボン著
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン[上下巻セット]ピーター・トライアス著
火星年代記[新版]レイ・ブラッドベリ著
虎よ、虎よ!:アルフレッド・ベスター著
宇宙消失:グレッグ・イーガン著
星を継ぐもの:J・P・ホーガン著
▼大河小説
凍てつく世界[Ⅰ・Ⅱ巻セット]ケン・フォレット著
凍てつく世界[Ⅲ・Ⅳ巻セット]同上
▼企業小説
最後の紙面:トム・ラックマン著
▼短篇小説集
停電の夜に:ジュンパ・ラヒリ著
▼フットボール本
ラストピース:下薗昌記著
オシムの言葉:木村元彦著
▼ノン・フィクション
ぼくのミステリ・クロニクル:戸川安宣著・空犬太郎編



箱に詰めて



















自転車に積む



















 

2017/01/17

タッチパネルに業を煮やして-->


いつか慣れるだろうと思って使い続けてきたけれど、あきまへん。
とうとう、常時キーボードをつけて使うことになったしまった。
それでも、アイコンにはタッチしなくてはならないが、そこはスタイラスを使うわけである。


 


















iPad mini専用にサードパーティが作ったキーボードを、以前買ってあった。
クリップ状になった凹みにiPad miniをはさんで使う。
一体になったところは、あたかもモバイルPCのようだが、本体とキーボードの接続はBluetooth経由である。
キーボード下に充電池が内蔵されていて、USBプラグで給電ができる。

iPad側から認識させなければ使えない、というお約束は他のBluetooth機器の場合と同じである。
つまり、以前にもやったことがあるので、取扱説明書など見ないで認識・接続作業は終えられたのである。




左上隅がホームボタンの代用キー



















かくしてタブレットの一枚完結性は失われてしまったが、入力の確実性が上がり、しょっちゅうディスプレイを清拭せずともよくなった。
iPadのホームボタンの代わりになるキーが左上隅に設定されているので、このキーおよびスタイラスを駆使すれば、電源スイッチ以外はタブレット本体にタッチする必要もなくなるのである。
The Zen of Tablet(Palmの思想を上回る、真のシンプルさ)には到達できそうにない。


 

2017/01/16

お風呂を直して-->


GoogleのFeedBurnerというサービスを使って、ブログエントリをtwitterと連携させてみた。
エントリ後、そのタイトルがtwitter上につぶやかれるようになっているはずなのだが……
はたしてうまく設定できたかは、このエントリを行った後にわかるわけである。


3年に一度、ガス会社の人が器具の点検にやってくる。
有無を言わせずに上がりこんできて、風呂と台所を見るわけである。
コンロのゴム管が古くなっていますから交換してください、とか、
ガス漏れ警報機をつけた方がいいですよ、とか忠告をしてくれる。

拙宅の風呂がここ何年か不調であった。
たきあがりの温度と水位を設定しておけば、自動で湯舟を満たしてくれる。
という便利なお風呂(今ではあたり前か)だったのに、温度も水位も満ちないようになっていたのである。
別途、追いだきというモードがあって、あらかじめ湯舟に水をはってから点火すれば、設定した温度にたきあがる。
それで間に合わせていたのである。

ついでだから、ガス会社の人に不調の原因をたずねてみたら、器具のメーカーと家主にさっそく連絡をとってくれて、その日のうちに修理の手が入ることになった!
気になるのは修理にかかる費用だったのだが、賃貸アパートに付属している器具ゆえ、家主もちになる、ということらしい。
これはありがたや。

というわけで、修理開始。
こんどはメーカーの修理担当者がやってきて、たっぷり3時間かけて徹底的に直してくれたのである。
要は、制御部の不具合の改善で、部品を取り替えたりしたようである。
お風呂も、コンピュータなのであった。




バスタブの横が窯。手前に置いてあるのが制御部




 




















いやあ、もっと早く修理依頼をするべきだった。
修理後の風呂の能力の上がったことたるや。


 

2017/01/13

初期設定


工場出荷時に設定されているものではなく、ユーザが自分の好みでそれをアレンジするものである。
しつけ、というかイニシエイション、というか。

1970年代ごろのラジオは、受信する周波数を手動のダイアルで合わせていた。
文字通りの手さぐりである。
少し高度なラジオには、感度を表示するメータがついていて、そのメータもアナログだから、針がゆれて一番大きくふれるところにくるように、ダイアルを回して合わせていた。

ネットで探したら、他人のブログで古いラジオの画像を見つけた。
引用させてもらう(引用元:55life555.blog.fc2.com/blog-entry-560.html)。
自分が使っていたのと同じ、今はないナショナルブランドのワールドボーイというラジオだ。




見よ、アナログの選局ウィンドウ














専用のキャリーケースにおさめたところ

















当時の中高生の楽しみといえば、深夜放送を中心としたラジオであった。
AMに加えてFM放送が新たに始まって人気が出だしたころである。
親・親せきにもらったお年玉をすべて注ぎ込んでラジオを買った。
今なら3,000円で買えるものが、1万円以上したのである。
そこへ行けば安く買える、というので日本橋(にっぽんばし)の電器屋街まで出かけた。
内気な中学生のくせに、値切ることまでやった。
遠方(いや、そんなに遠くない)から来たとアピールして、帰りの電車賃なくなるから負けてえな、みたいなことを言っていた。

ソニーもワールドボーイと同等のラジオを販売しており、そちらの方がデザインが美しかった。
迷ったすえにワールドボーイを買ったのは、スイッチがかっこよかったからである。
電源スイッチをはじめ主要なスイッチがトグルタイプで、必要もないのにそれらをパチンパチンと倒したり起こしたりして楽しんでいた。

初期設定、の話だった。
ワールドボーイに初期設定は必要なかったのである。
技術は進歩して、ラジオの選局もディジタル(文字式)で行えるようになった。
コンピュータと同様のテンキーから周波数を入力すれば該当放送局の電波を受信できる。
受信した周波数を登録できるようにもなっている。
登録のやり方は、取扱説明書を読まずしてはできない。
そこに書いてあるとおりにやっているはずなのに、うまく設定できないのである。


 

アホでもわかるように書いてくれへんかなあ


















2017/01/09

ポータブルラジオ


ノルウェイではFM放送が廃止されるそうだ。
かの国にはもともとAM放送もなく、今後ラジオはデジタル(DAB: Digital Audio Broadcast)になるらしい。
デジタルラジオはVHF帯、UHF帯、衛星を使うということなので、テレビと同じ帯域で放送されるわけだ。

そんなタイミングで、自分は携帯ラジオを買った。
日本ではまだ普及しないDABはともかく、インタネットでラジオが聴ける時代にどうして携帯ラジオなのか?

それはもう、このガジェットが好きであるということにつきるのではないか。
マニュアルで操作するダイアルや、スイッチボタンがいっぱいついていて、電池切れになったら裏蓋をあけて交換するというスタイルが。




デザインも悪くない


















買ったのは朝日電器というメイカーがELPAというブランドで販売しているもので、大手の量販店よりも郊外のホームセンターで見かけることが多い。
AMとFMが受信できて、本体にスピーカーを備えているER-C65Fを選んだ。
この機種は、イヤホンであればステレオも聴ける。
電源は単3形電池×2本またはACアダプターとおあつらえ向きである。
携帯して外出できるし、アンプに接続してステレオスピーカーからの出力もできるというわけだ。

よく行くホームセンターのKで見かけたER-C65Fには4,980円の値札がついていた。
税込みで5,378円となる。
同じ製品をAmazonで買ったら、3,240円で済んでしまった。
 

これで、おっさん向けのFM CO・CO・LOも聴けるようになる。
ほんとうは静寂の方が好きだが、何か別の音が鳴っていれば耳鳴りをごまかせる、という利点もある。



 
 

2017/01/05

新年


As time goes by.
年が明けた。

平成28年の「今年の漢字」は「金」だった。
我が家にもっとも関係の薄いものである(爆)
簡単に金を得ようとtotoも買い続けているが、当たらない。
「運」もない(爆)

『君の名は。』が流行った理由に、シニア効果というのがあったそうだ。
前世紀に流行ったドラマをアニメ化したもの、と勘違いした中高年者が大勢観に行ったのだ。
ええっ、そうやったんか。
……自分も勘違いをしていた一人である(爆)






















白地に白地の年賀状の画像を貼り付けた。
干支の「酉」の文字が一目瞭然である。
「紙の年賀状はやめます」と宣言してもう4年、紙でしかやり取りできない人たちのために、わずかながら印刷をしている。
その人というのは主に年老いた親戚連中だが、その中には来年から年賀状は失礼するという人も出てきた。
高齢で、賀状書きも億劫になるのだろうか。

年をまたいで読んでいた『紙の城』(本城雅人著、講談社刊)を読み終えた。
ふだんはあまり読まないが、新聞社が舞台の小説であれば、日本人の作品も読む。 
同じ作家の『ミッドナイト・ジャーナル』がよかったので『紙の城』も図書館で借りてきたのだが、期待は外れた。
自分の後に予約の列が10人以上並んでいるので、図書館は閉まっているがポストに返却しに出かけた。


 
 
 

2016/12/22

ダイアルアップ接続に戻る



長年使い続けたYahoo! BBを解約した。
代わりに「格安SIM」を一枚買い足して、それを携帯型の無線ルーターに入れて使うようにしたのである。
その無線ルーターは実家に持ち込んで、古い方のiPad miniで母がインタネットを使えるようにした。
そうしたつもりだったが、うまくいかない。

これまで母は、古いPC(iMac)でメイルのチェックをやっていて、手動でのネット接続やアプリケーションの操作に、ある程度慣れていた。
それがいきなりタブレットに移行するということには、少なからず無理があったのである。
同じメイカーの製品であるのに、ハードもアプリも使い勝手がまったくちがうので、PCで得た経験は活かせない。
せっかくのiPad miniと無線ルーターは、常時スリープ状態となってしまったのである。

母のもとに電子メイルはそう頻繁にはやってこないので、そんなに困ることはないのだが、必要性はゼロではない。
AirMac内蔵のiMacが、無線ルーターに接続できれば解決するのだが、それもできないのである。
しかたなく、PCでダイアルアップ接続する旧態にもどることに……

もともとダイアルアップ接続はYahoo! BBのオプションだったので、解約した今となっては、そのサービスは使えない。
さてどうするか……といろいろ探してみると「アルファ無料接続サービス」(DTI)というものが見つけ
かった。
無料といっても回線接続料だけは課金されるのだが、3分または4分ごとに10円、というリーズナブルなサービスである。
ウェブに公開されている接続IDとパスを入力すると、すぐに開通した。

ついでに、母の年賀状を作る。
ここ何年ものパターンは、写真を全面に入れ、そこに挨拶文をかぶせるというものである。
今回は銀塩カメラで撮ったプリントが原稿だった。
実家にスキャナはないので、デジタルカメラで接写することにした。
iMacに取り込んで、AppleWorksでレイアウトを行ったのだが、処理速度がむちゃくちゃに遅い。
アイテムをカーソル一つ分移動させるのに、およそ10秒もかかるのであった。





メインの絵柄はタスマニア島の鶏




















一枚ずつひろげて、乾燥中!



















 

2016/12/21

まだ終わってない



ファンクラブから原始メールが来た。
応援のお礼に、景品のタオルが同梱されている。
遠藤選手のメッセージが書き添えられていた。
一瞬感動したが、画像がプリントされているのだった。
























今シーズンの応援ありがとうと書かれているのだが、このことに関しては思い出されることがある。
10年以上も前、ガンバ大阪がまだ一度もタイトルを獲ったことのない頃の話。
近くのスーパーマーケットで、当時監督だったN氏と遭遇した。

女友達とおぼしき人と買い物に来て、レジの出口で彼女を待っているようだったが、声をかけた。
そのシーズンは、もう少しのところでリーグ優勝を逃がしていたので、
「残念でしたね、来季はがんばってください」
と言ったのだが、
「まだ終わってないんだけど」
と関東弁で返されたのである。

まだ全日本選手権のタイトル(天皇杯)を獲れる可能性が残っていたのである。
だから遠藤選手にしても、今季が終わったような言葉を書かされつつも、まだ試合が三つも残っているのになあ……と思っているはずなのである。


 

2016/12/16

スタジアムという宇宙船


中二日あけて再びFIFA CWC(クラブワールドカップ)2016を観に行った。
カイロを倍に増やし、膝掛けも新たに用意した。
後者は純正のタータン(つまりMade in Scotland)で使い始めてから30年以上経つが、まったく古びない。

座席は前回よりもう一段上がり、さらに空に近づいた。
この日はちょうど満月で、それが屋根越しに見えていた。
月が23.5度の傾きで徐々に視界の外へ離れていくのを眺めていると、月ではなくて自分がいるスタジアムの方が回転していると実感された。
ちなみに、スタジアムを遠くから見ると、万博公園に着陸した宇宙船のようである。





屋根の間から見る満月























一試合目に5・6位決定戦が行われた。
全北現代(アジア代表)とマメロディ・サンダウンズ(アフリカ代表)が対戦し、
4-1で全北現代が勝って、5位となった。
この試合でも、南アフリカからやって来たと思われるダウンズのサポーターが声援を送っていた。
その数はわずかに40人ぐらい。
試合終了後、全北の選手たちがそのサポーターたちにわざわざ挨拶をしにいったのが印象的だった。
観衆は5,938人。

二試合目は準決勝戦。
アトレチコ・ナシオナル(南米代表)対鹿島アントラーズ(開催国代表)である。
五分と予想していたのだが、0-3のスコアで鹿島が勝った。
ということで、鹿島の2位以上が確定した。
観衆は15,050人。

現時点で鹿島アントラーズが世界第2位のクラブチームであって、これは日本のクラブでは今までの最高位となる。


 

2016/12/12

天井桟敷





海外出張中で来られないI君の代わりに、クラブワールドカップを観戦させてもらうことになった。
てっぺんから逆に勘定した方が早いぐらい、上方の座席だった。
斜度がきついので、崖っぷちに座っているようだ。
そして、すごく寒い。

寒いのは予想していたので、重装備である。
毛糸のキャップで頭部をおおい、GAMBA柄のマフラーで首をぐるぐる巻きにしてある。
コートは米軍仕様の極寒地用である。
使い捨てのカイロが背中に貼り付けてある。
それでもやはり屋根に近いところは、寒かった。

当日は二試合行われた。
第一試合はアジア代表対北中米カリブ代表で、全北現代(韓国)とクラブ・アメリカ(メキシコ)が対戦。
1-2のスコアでクラブ・アメリカが勝った。
観衆14,587人。

第二試合はアフリカ代表対開催国代表で、マメロディ・サンダウンズと鹿島アントラーズが戦った。
0-2のスコアでアントラーズが勝った。
観衆21,702人。

CWCのような大きなマッチをもってしても、このスタジアムは満員にならないのか?
ということである。
交通不便だし、スタンドまで登山のような階段を強いられる、ユーザ・アンフレンドリーなデザインだからか。
ここのいいところは、スタンドとフィールドが近い、ということのみか。
そんなことを知らないメキシコと南アフリカからのサポーターたちの熱意には頭が下がる。
南アで開催されるCWCにガンバ大阪が出場するとしても、自分はそこまで行けないだろう。

二つの試合の間の1時間半、じっと座っていられなくて、コンコースに下りた。
そこは売店に並ぶ人たちや、自分のようにたんに暇をつぶそうとしている人たちでいっぱいで、寒さをしのぐ助けになったのである。

行き帰りの足はMTBだった。
行きはまあまあ、帰りは顔面が凍りそうなぐらい寒かった。


 


2016/12/10

中途挫折の本


冷え込んできた。
できれば、冬眠したい……。

今日は亡父の命日である。
といっても正確な日時はわかっていない。
独り暮らしのアパートで死んでいるのを、年が明けてから発見したからだ。
このニュースはラジオでも放送されたし、新聞の短い記事にもなった。
第一発見者である私が、警察に知らせたためだ。
メディアのネタにされたことを最初は後悔したが、元新聞記者の父が最期に新聞に載るのも悪いことではなかったと自分を慰めた。
ちなみに、父が亡くなって27年が経つ。

平成28年も、もうすぐ終わる。
思い返せばこの一年、読書を中途挫折することが数度もあった。
集中力が衰えたこともあるが、なにより書いてあることが面白く感じられない。
何ページか読んでも文章に惹かれず、そのうち面白くなってくるだろうと忍耐して読み進むが、やはり続かないのである。
以下、挫折リスト。

・エンジェルメイカー(ニック・ハーカウェイ/早川書房)
・図書館大戦争(ミハイル・エリザーロフ/河出書房新社)
・古書泥棒という職業の男たち(トラヴィス・マクデード/原書房)
・活版印刷の本(手紙社)
・古城ゲーム(ウルズラ・ポツナンスキ/創元文庫)
・ゴールドフィンチ(ドナ・タート/河出書房新社)

 

2016/12/06

ぼくのミステリ・クロニクル



四六判上製本・452頁、税込み2,916円






















最近の本には、たいてい帯がついている。
帯は腰巻きと呼ばれることもある。
買ってきた本の帯を、すぐに捨ててしまう人もいる。
自分は、そのままにしておくのだが……

『ぼくのミステリ・クロニクル』は、東京創元社の社長だった戸川安宣氏の自伝である。
空犬太郎というけったいな名前の編集者が戸川氏から話を聞いてまとめたので、口伝(くでん)とも言える。

戸川氏のブログを読むと、この本の関係者として藤波琴代という人の名前が挙がっていた。
文庫本をつぶして、張り子を作っているという。
そんな張り子のことは『…クロニクル』の本文では言及されていないのだが……

帯をとってみて、張り子の謎は解けた。










後見返しに折込まれた帯の下に、文庫張り子が隠れていた。
戸川氏の立体肖像である。
ブログの一文を目にしなかったら、気がつかずにいただろう。


 

2016/12/05

市の広報を読む



「中核市」というのは、地方自治体に格差をつける制度である。
これに指定された自治体は、都道府県の事務権限の一部を移譲されることになっている。

豊中市は中核市に移行します、と市が広報で発表したのである。
多くの市民が中核市についての知識をもっていなかった。
「とよなか」が「ちゅうかく」に改名するのか、と思われたそうだ(笑)


























「広報とよなか」は優れた情報誌である。
すっきりしたデザインで、とても読みやすい。

公民館でビブリオバトルが行なわれることを知った。
5人が各1冊の本を5分の持ち時間で紹介するゲームである。
20人の観覧者とのディスカッションを行なわれ、5冊の中から1冊だけ「チャンプ本」を選ぶ。
バトルとはいうものの、相手をこきおろしたりはしないそうだ。
話すのは不得手なので、観覧する方で参加してみることにした。

一箱古本市の出店者にも応募した。
みかん箱一個分の古本を持ち寄って売る、という企画である。
箱の大きさに確たる規定はなく、木箱でも段ボール箱でもいいみたいだ。
処分したい本がいっぱいあるので、自分の趣味で集めた本が売れるか、やってみよう!


 

2016/11/14

『鷲は舞い降りた』オリジナル版


ハシゴ高村薫は小学校の三年先輩だった。
その事実を知る前に読んだ作品の舞台が近所だったから興味を持ったのだが、内容には感心せずに読み終わってしまい、それ以後一冊も読んでいない。
失敬な後輩である。




















『鷲は舞い降りた』オリジナル版の古本をAmazonで買った。
本体1円プラス送料257円、ドローン便で配達された。
というのは嘘で、メール便で届いた。
二つの版を比較するために実際に一字一句を読み合わせたわけではないのだが、短時間のうちに数点の相違を発見した。

登場人物のうちオリジナル版でリタァ・ノイマンだった名が、完全版ではリッターと変更されている。
同様にヴァルタァがヴァルターに、というように音引きを極力使わない「菊池光(みつ)節」がゆるめられている。
ウィロビイ卿はウィロビー卿とはならず、サー・ウィロビイになった。
アイルランド語で書かれた本のタイトル〈THE MIDNIGHT COURT〉が『ザ・ミッドナイト・コート』とカナ表記に変えられている。
完全版で『「カイエド・ミラ・フォルチャ」デヴリンがいった。』がオリジナルでは『デヴリンがなにかいった。』とごまかされていて、それがアイルランド語で「十万回の歓迎」であるという説明を、オリジナルでは「歓迎十万」としている点が違う。

登場人物のその後が物語のエピローグとして付け加えられているのが「完全」たる所以なのだが、この部分がなかったとしてもオリジナル版は不完全ではない、と断言できる。

組版は、完全版が一頁41字×18行(738字)であるのに対しオリジナルは43×20(860字)。
文字の大きさは前者が約12.7級(10ポイント相当)、後者は約11.3級(同・9ポ)である。
完全版は活字が大きく読みやすいというふれこみの〈トールサイズ〉だが、個人的官能としてはオリジナルの方が読みやすかった。


 

2016/11/11

入稿スタイル



『毎日新聞』2016年11月9日朝刊




















そうか……林真理子は原稿を手で書いているのだな。
手書きの原稿をファクスで入稿しているのだろうか。
そのことは作家自身のスタイルだからよし、としても新聞社側の担当者たち(入力・校正)は情なか。

ある人は、ワードプロセッサで打ち出したものをファクスで送稿していたらしい。
出版社がそれをまた入力し直しているという無駄を知って、データ入稿に切り替えたという。
目黒考二(北上次郎)だったと思うのだが、定かではない。


 

2016/11/10

『鷲は舞い降りた』完全版


『本の雑誌』に投稿したけれど、ボツになった原稿を復活。
 
△偏固ジャーナル忘月。
今さらやけどジャック・ヒギンズ『鷲は舞い降りた[完全版]』を読んだんは、久しぶりに菊池光節を読みたかったからと、完全版てどやさという興味からである。

比較対照するべきオリジナル版が手元になく、図書館にもなかったので、ミニヴェロ(20インチのロードバイク)を駆ってダウンタウンへ探しに出かけた。
吹田・江坂駅前のBOOKOFFを襲うもヒギンズ作品はまったく姿なし。アシーネの大本と言うべき江坂店へ移動、次いでリブロへとジグザグに歩く。
新刊書店に絶版本があるはずもないがヒギンズもない。
再びロバぢゃなかったヴェロにまたがって北上次郎。
ホクジョウやっちゅうの(南下ゆうてけつかる!)

襲撃目標は天牛書店。
ここが最後の頼みだったのに、まさかのノー・ヒギンズ。
予定になかったポーラ・ゴズリング『逃げるアヒル』(ポケミス版)を買ってしまった。
これはスタローン主演『コブラ』の原作本。
棚の別べつの場所に二冊あったので値段を確認すると、同じ版ながら百円と百五十円だった。
高くて美しい方を買う。
この店で物色していて危険なのは、自分が以前売ったのを忘れている本がいまだにあって、趣味に合うのでまた買ってしまうことだ(爆)。
平成四年の『小説新潮』臨時増刊を見つけ、これも買う。
内容はAll about Shiina、表紙はミラーコートの裏使い。

ヒギンズはいったんあきらめて店を出る。
帰り道沿いに直木賞作家の家があるのでひやかす。
友人(同い年)の姉さん(三つ年上)が同級生だったというんで、作家が同じ小学校の先輩だと後年わかった。その作家とは……

(武田伴兵衛・続きはWEBで59歳プラス1・豊中市)