2010/06/07

さらば、HEUER
















ドイツ語の辞書を引くと、HEUERはホイアーと発音するらしい。
意味は「[副詞]今年」とある。
英語の「HOUR(アウワー)」にあたる言葉だと思い込んでいた。
それなら時計にふさわしい名前ではないか。

ウェブで調べてみると、HEUERは人の名(姓)だった。
ホイアーさんの名をつけた時計メーカーだったわけだ。
1860年(日本は江戸時代末期)に設立。
資金難に陥って、1985年にTAG(Techniques d'Avant Garde)という企業から支援を受けることになる。
こうしてTAG/HEUERというブランドが生まれた。

日本でHEUERの時計の人気が出だしたのは、流行りの言葉でいえばアラウンド1980年。
真っ先にその人気の時計に手を出した理由は、それより10年も前に『栄光のル・マン』の中でSteve McQueenが演じるレーサーのスーツの胸に「HEUER」のロゴを見ていたことによる。
ユニフォームの胸の企業ロゴは、かくも大きい効果があるのだ。
ところで『栄光のル・マン』(原題:Le Mans、Lee H. Katzin作品、1971年)は日本でだけヒットしたという作品で、これがなぜ欧米でうけなかったのかが不思議だ。

前置きが長い。
というわけで、私が1985年以前に買ったHEUERのリストウォッチの文字盤には「TAG」の文字がない。
やがて金属アレルギーが出た私は、腕時計をすることがなくなったので、ネットオークションで売ることにした。
「TAGがついていない、珍しいHEUERやぞう」と宣伝して。
そして、予想以上の高値がつき、わがHEUERは女カヌーイストにもらわれて行ったのである……

商品を発送したその足で、ブックオフに向かう。
気が大きくなっていたので、まとめて5冊買ってしまった。
▼『傷 慶次郎縁側日記』(北原亞以子著、新潮文庫)
以前の同僚が薦めてくれた作家。慶次郎をTVドラマで高橋英樹が演じた。
▼『影帳 半次捕物控』(佐藤雅美著、講談社文庫)
女性作家と思っていた時期がある。マサミではなくマサヨシ。
姓はサトウ、呼び名がハンジという友人がいるので目にとまった。
▼『おこう紅絵暦(べにえごよみ)』(高橋克彦著、文春文庫)
この作家は以前読んだことあるかなあ……? 本作は目録の紹介を読んで気に入った。
▼『午前零時の玄米パン』(群ようこ著、角川文庫)
『別人「群ようこ」のできるまで』を読んだら、デビュー作を読みたくなって。
▼『バスカビル家の犬』(大沢在昌著、コナン・ドイル原作、講談社文庫)
翻訳ではないらしい。バスカヴィルとして脳に刷り込まれているので、バスカビルは少し異和感あるなあ。

『傷』と『影帳』の解説を、『午前零時の……』の作者に自分のペンネームを与えた北上次郎(本名:目黒考二)が書いている。

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