急に寒くなった。
足腰が立たなくなって数年前から寝たきりだった叔父が、
まるでそれが合図だったように、逝った。
臨終の床でカソリックの洗礼を受けた彼は93歳。
日曜に前夜式、月曜に葬儀ミサが行なわれた。
私が遺族の代表として祈りの言葉を唱えた。
慈しみ深き神よ、故人の生前、わたしたちがそのいたらなさによって、
故人を傷つけたり悲しませたりしたことを、どうかお許しください。
亡くなった父がよく迷惑をかけていた。
チャペルに不似合いな和風の棺に納められた叔父は、
やはり日本の法にしたがって鵯越斎場にて火葬に付された。
小さなクロスがのど仏とともに骨壺に納められた。
自然の理なれど、親しい人が亡くなると寂しい。
叔父の訃報を受けたとき、ストーブの掃除をしていた。
1980年に購入して、6シーズンだけ使った石油ストーブだ。
使用を中止して20年以上保管していたのを、オークションに出すことにした。
箱に入れて押し入れにしまってあったのだが、開けてみると煤と錆だらけだった。
叔父の葬儀が終わった翌日、一日がかりで清掃を行なった。
鼻の穴が真っ黒になるほど(マスクをすればよかった)汚れを落とすと、
人手に渡すのが惜しいぐらい、美しくなった。
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