ふらっと入った本屋で、読みたい本を見つけてしまった。
いや、見つけたくないのなら本屋に入らなければいいのだが。
『アウトロー』上・下巻、『時のみぞ知る』上・下巻。
どちらも文庫本だが、合わせて3,000円にもなってしまう。
財布の中にそれだけ入っていなければあきらめられるものを、こういう時に限って払えてしまうのだった。
『アウトロー』(講談社文庫)は同名の映画が公開されるのに便乗して翻訳出版されたミステリである。
作者はイギリス人のLee Child(リー・チャイルド)。
原題はOne Shotなので、直訳すると「一撃」となる。
映画版のタイトルは『JACK REACHER』であり、タイトルロールをTom Cruise(トム・クルーズ)が演じている。
リー・チャイルドはジャック・リーチャーのシリーズをすでに17作発表しているのだが、日本語に翻訳されているのは5作品にすぎない。
1作目の『キリング・フロアー』(1998年)を読んで興奮し、続々と翻訳出版されるのを期待したのだが、出版社の息が続かず、4作で途切れた。
翻訳物は、国産品より売れないにもかかわらず、より多くの製作費がかかるので、敬遠される傾向にある。
今回復活したのは、映画との相乗効果を狙ってのことに違いない。
ちなみに、読後満足度は……☆☆☆☆☆
『時のみぞ知る』(新潮文庫)はJeffrey Archer(ジェフリー・アーチャー)作。
—クリフトン年代記 第1部—という副題が付けられているが、原題はONLY TIME WILL TELL。
アーチャーのいわゆる「サーガ」(大河小説、年代記)作品である。
第1部の主舞台はイングランド、時代は第一次大戦終了後から第二次大戦開戦まで。
満足度……☆☆☆☆☆
装幀:大岡嘉直(アウトロー)、岡本三紀夫(時のみぞ知る) |
どちらの作品もページを繰るのを止められず、一気に読んでしまった。
『時のみぞ知る』は第2部が出るのは確実だが、ジャック・リーチャーのシリーズも続けて翻訳されることを期待する。
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