2017/10/08
ピンクの豚を食いそこね-->
秋とは思えぬ陽気の日曜日。
吹田市立吹田スタジアム(くどい!)で、Jリーグ杯争奪戦の準決勝第2戦が行われた。
通称はルヴァンカップである。
地元ガンバ大阪の対戦相手は、同じ大阪の名を冠した(否、下に付いてるぞ)セレッソ大阪である。
いわゆるダービーマッチだが、ちょっと意味合いが微妙である。
その理由は。
セレッソが大阪市をホームタウンとしているのに対して、ガンバは大阪市ではなく大阪府北摂の数市をまとめてホームタウンとしているところにある。
セレッソ側が、我こそが純正の大阪であって、ガンバは「ガンバ北摂」または「ガンバ吹田」やないかと、常に揶揄しているのである。
このことについてはセレッソ側の主張に分があるように思われるが、それを大っぴらに言うと、身内に袋だたきにされそうで怖い。
日本リーグ時代まで遡る。
チームは企業の丸抱えで、というより蹴球協会に登録した企業内のフットボールクラブが、リーグ戦を行なっていたという方が正しい。
基本的にアマチュアのクラブである。
釜本邦茂(ヤンマー)であろうが古田篤良(東洋工業)であろうが、その会社の社員という扱いである。
当時、ヤンマー(愛称は付かない)の人気が最も高かった。
その血統を受け継ぐのがセレッソ大阪であり、当然大阪から真っ先にJリーグに加盟してもらうべきチームだったが出遅れた。
そのために最初期のブームの時にファンを取り逃がしてしまった感がある。
ミスター・ヤンマーとも言うべき釜本邦茂をも、ガンバの監督に奪われてしまった。
セレッソのサポーターが掲げるスローガンの一つに「Real Osaka」というものがある。
Realを、スペインの有力チームが冠する「Real(レアル)」と「真の」という意味の英語にかけている。
大阪市の市花である「桜」をチーム名とし、ユニフォームの色もピンクである。
セレッソ大阪を見下したいガンバ大阪のサポーター達が、彼らのことを「ピンクの豚」と呼ぶ所以である。
個人的には、可愛い名前だと思うがな……
それはともかく。
ダービーであろうがなかろうが、試合をするからにはピンクの豚を食って、勝たねばならぬ。
勝ちたいが、仮に引き分けでも0-0または1-1ならば、決勝戦に進出できることになっている。
前半、セレッソが先に得点して0-1。
後半、ガンバが得点して1-1。
ガンバは守備の選手を交代で入れて、逃げ切ろうという策に出た。
自分が監督なら、駄目を押しに行くがな。
90分を経過して、ロスした5分が追加された。
電光掲示板には追加時間の経過は表示されないので、ストップウォッチで計る。
残り30秒から、さらに時計は進む。
セレッソ・水沼から木本に弾丸クロスが通り、ヘディングシュート炸裂。
1-2となった。
残り十数秒で2点を入れ返さなければ勝ち目無し、ということで万事休す。
この試合、マッチコミッショナーは古田篤良。
ガンバ大阪は今年度無冠が決定した。
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