(全面改稿済み)
久しぶりに兵庫県立美術館に行って、久しぶりに生のゴッホ作品を観る。
大阪梅田から阪神電車の特急に乗って「御影」へ。
普通列車に乗り換えて「岩屋」で下車。
何度か来ているはずなのに、すっかり忘れている。
徒歩で南下する。
美術館の屋根にカエルがへばりついている。
このカエルは風船なので、風に揺れる。
まるで、ゴッホ展をアピールしているかのようだ。
県立美術館の建物は安藤忠雄の設計である。
安藤作品らしさと言ってもいいだろうか、どこからアプローチして入館すればいいのか、わかりづらい。
今回のゴッホ展は、昨年10月東京・上野の森美術館で幕を開け(2020年1月13日閉幕)、兵庫県立美術館に巡回(1月25日土曜日から開催)してきたものである。
会期は3月29日日曜日までであるが、なるべく、すいている時に鑑賞したいものである。
ならば、いつ頃行くべきか?
会期の終わりが近づくにしたがって客足が増えるのも、美術展の常である。
開会直後も混雑が予想されるので、そこをやり過ごして、なるべく早く観に行くのがいい。
まず、混雑が予想される週末(土・日曜日)は避ける。
月曜日が休館なので、火曜日から金曜日のいずれかが望ましい。
客足が鈍いと思われる雨の日を狙って、わざわざ行くというテもある。
というわけで前置きが長くなったが……開会して約一週間後の金曜日に行った。
ゴッホ展の観覧料(チケット代)は、1,700円である。
いくらゴッホ展だといっても、ちょっと高い。
大阪のジュンク堂で本を買ったときにもらった割引券を使い、100円だけ安くしてもらった。
ゴッホ展へのアプローチ |
できれば展示室内で撮影したかったのだが、許可されず。
したがって、作品の写真は一点もない。
作品はもちろん、画題の表示板を記録したかったのだが、パンフレットの片隅に、館員から鉛筆を借りてメモするにとどまった(自分が持っていたボールペンは不許可)。
当然ながら、作品の現物を自分の目で観ること以上に、素晴らしいことはない。
特に油彩においては、作者の筆使い(ストローク)が、生々しく感じられる。
間近まで寄って、下から・横から観るのは、混雑していてはできない。
自分が画面を観ているのと同じ場所に、フィンセント[・ファン・ゴッホ]が立っていた(あるいは腰かけて)と思うと、心が慄える。
順路にしたがって歩いていくと、ゴッホ展は、あまりにも呆気なく終わる。
ついで、と言っては失礼だが、安藤忠雄ギャラリーも観る。
ゴッホ展に負けず劣らぬ圧巻である。
ドームを冠した建物模型は、フランス・パリの旧穀物取引所(ブルス・ドゥ・コメルス)を、安藤が得意とするコンクリートのパネルを内部に入れ込む手法でリノベイトした時のものである。
ブルス・ドゥ・コメルスの模型 |
正面の書棚のアップ |
展示室だけでなく、建物の外部にも見どころがある。
美術館の南側のオープンスペースには彫刻作品が設置されている。
正確に言えば、彫ったり刻んだりしたものではなく、主にステンレススティールで造形したものである。
「Sun Sister」と題された少女像は、右手に輝く太陽(希望の象徴)をのせ、過去・現在・未来を見つめるように、摩耶埠頭に向かって屹立している。
(2015年ヤノベケンジ作・阪神淡路大震災20年モニュメント)
「Sun Sister」 by ヤノベケンジ |
Sun Sisterと記念撮影「映え〜」 |
脇浜に展開する「なぎさ公園」を、西へ歩く。
脇浜一帯は震災復興のシンボルとして再開発されたが、南海トラフ地震が発生したときの大津波には対処できるのだろうか。
円形舞台 |
「人と防災未来センター」ガラス越しの壁面には「1995」「5.46」の文字 |
阪神電車「岩屋」に戻るつもりが、道に迷った。
山を向いて北に歩けば、阪神・JR(祖母は省線と呼んでいた)・阪急のいずれかの線路に行き当たる。
親切な通行人に教えられて、たどり着いたのが阪急「春日野道」駅だった。
(えらい西に逸れたことである)
JR線が並走している |
初めて利用する駅である。
こんなに細いプラットフォーム(アイランド型)も初めてだ。
通過する特急列車を避けるスペースが、あまりにも狭い。
普通列車に乗車、「岡本」で特急を待って乗り換え、梅田に戻った。
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