2016/03/25

アリババにクレイム


三年ぐらい前、日本橋の裏通りの部品屋で「ジャンク袋」を買った。
使えるか使えないか判らない、スイッチ、抵抗器、コンデンサがいっぱい詰まっている。
使えそうと思うからこそ買うのだが、結局出番がやって来ないこともある。

抵抗器に出番がやって来た。
必要な抵抗値(オーム)のものを、ジャンク袋の中から選り出す必要が生じたので、テスターを買うことにした。
そんなことをせずとも、抵抗器の本体には、その抵抗値を表わすカラーコードが印刷されているのだが、色が読み取れないのだった。
特に、今回必要としている値を表わす「青」は「紫」と見紛う。




抵抗器。同心円の内側が直径5ミリ





















テスターは、電気を扱うプロにとっては必需品である。
電流や電圧を正確に計るための、数千円から数万円はするツールである。
たかが抵抗の値を確認するためだけに買うのはもったいない。
けれども、買ってしまった。
「AliExpress」という海外の通販サイトで安いテスターを見つけたのである。
6.77ドルという価格は、その時点のレートで円に換算すると750円ぐらいである。
しかも、中国から送ってくるらしいのに、送料ゼロ。

ネット上でAliExpressの評判を拾ってみた。
運営はかの有名なアリババである。
商品の品質は中華的(よくはない、という意味らしい)、
納品までに時間がかかる(いつ届くかは読めない、気長に待つよろし)、
しかし、とにかく安いのでありがたい、
というのが概ねだった。

買ったテスターは、到着するまで一週間以上かかった。
航空郵便で届き、ポストに投函された。
開封して商品を確認すると、注文したのとは違う色のテスターだった。
色なんか何でもええやん、使えれば。
そういう寛容なユーザではないので、いちおう文句を言ってやることにした。

 



 




















AliExpressは、到着した商品にユーザが満足できない場合には異議を受け付けてくれる。
ウェブからフォームメイルで、色が違うとクレイムをつけた。
相手は中国人だけれど、英語で書いた。
下手な英語に下手な英語の返事があった。
「色は変わりました。機能は同じなので、受けてもらえませんか」

機能は同じなのはわかってるわ、カタログで見た色が気に入っててん。
受けるけども、カタログの写真もアップデイトしとけよ、と返信した。

相手をしてくれたのはウー(Wu)女史。
仰せのとおり写真はアップデイトします、次に何か買ってくれる時はディスカウントしますので、ごめんね。
とまた返信があった。


 

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