2010/12/17

マックイーンな気分

毎朝この棚に満杯の郵便物が毎夕空っぽになる















「好きだったのよあなた 胸の奥でずっと」
というサビの部分が好きな歌がある。
その作者を、今日まで知らずにいた。
歌の題名すら覚えていないのだが、荒井由実作詞・作曲の「まちぶせ」と知る。
さもありなん。

ガソリンを燃やして走る車は持つまいと心に誓った身だが、ここのところ毎日バイクを運転して大気を汚染している。
郵便局に午前9時出勤。
担当エリアの郵便物を配達順に並べ、住所と居住者が合致しているかの確認を行う。
それらの郵便物は、あらかじめOCRに2回読ませて並べてあるのだが、精度は100%をかなり下回る。
最終的には人間の目で判断しなければならないわけだ。
配達順に並べることを「道組み」と呼ぶ。
道組みが完成した郵便物は、定形と定形外に分けてプラスチック製の大きなかごに詰め込んでいく。
そのかごをキャリーカートに載せ、エレベータで地下駐車場に運び下ろす。
HONDA製の赤いカブのリアキャリアにはかごと同じ大きさの箱が取り付けられている。
その箱に、かごから郵便物を移し替える。
かごに入れたのとは逆順に箱に入れると、最初に配達するものが箱の上部にくる。
ここでしくじると、配達先で箱の中を再整理しなければならなくなる。

まずは定形外から郵便受けに投入していく。
大きすぎて郵便受けに入らないものはよけておく。
続けて定形の郵便物を投入する。
間違った場所に投入してしまう危険性は高く、これは「誤配」と呼ばれるが、人間が作業するかぎり絶対に撲滅できない。
非常に問題視されるが、たんに謝罪してすませるしかない。

よけておいた大きな郵便物は、玄関ドアまで配達する。
ベルは二度鳴らす。
運よく在宅の場合は手渡して帰ることができるが、不在の場合は客用の再配達依頼書を書き、玄関に投入する。

これを繰り返しながらバイクで移動する。
郵便物を満載したバイクはたいへん重く、バランスをとって走るのに苦労する。
「立ちごけ」を二度した。
止まった状態からバランスを崩し、その場で横倒しとなってしまうのだが、これを起こすのにはスーパーマン級の力が必要だ。
3週間やって、やっと慣れてきた。
どんどん配達するとバイクもどんどん軽くなり、帰り道では我が誓いをすっかり忘れて爆走しているのだが、このとき気分はマックイーンなのである。
 

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