2011/02/03

ゴールの瞬間

アジアカップの決勝戦。
左サイドを縦に攻め上がった長友佑都からのセンタリングをボレーでゴールに蹴り込んだ瞬間の興奮を、李忠成は忘れることができないだろう。
あれは、体験した者にしかわからない。
この二日後、長友は移籍金400万€でチェゼーナからインテル・ミラノに売られることになる。

『アンジェラの灰』(フランク・マコート著/新潮文庫)を読んでいる。
著者の悲惨な自伝は、1997年度のピュリッツァー賞を受けた。
その中にもゴールの瞬間の描写がある。

 ビリーがタッチラインに立ち、頭の上にボールをかかげる。
 マラキのほうに投げる振りをして、ぼくに投げる。
 ボールが飛んでくる。
 世界中がこのボールになったみたいに飛んでくる。
 まっすぐにぼくの足元に転がり、
 ぼくはただ左に振り向いて、ゴールに蹴り込めばいい。
 頭の中が真っ白になって、ぼくは天国にのぼった気持ちになる。

この感覚である。
アドレナリンが矢のように放たれて、自分も空を飛んでいけるのではないかという気分になる。
狂ったように喜んでいる姿は、たんなるパフォーマンスではないのだ。

『真珠の耳飾りの少女』(原題:Girl With A Pearl Earring、Peter Webber作品、2003年)をTVで観る。
フェルメールが『青いターバンの少女』を描いた経緯を映画にしたものだ。
イヤリングが単数扱いであることには、ちゃんとした意味がある。
満足度……★★★

『砲艦サンパブロ』(原題:The Sand Pebbles、Robert Wise作品、1966年)を観る。
主演のSteve McQueenが乗務する軍艦の名前San PabloとSand Pebblesが韻を踏んでいる。
辞書によればsand(砂)は不毛や不安定の象徴、pebble(小石)は裁きの象徴とある。
3時間に及ぶ大作の中ごろには、観客のための休憩時間(intermission)が用意されている。
一度は観ているはずだが、忘れている部分が多い。
満足度……☆☆★

『砲艦……』より前に『突撃隊』(原題:Hell Is For Heroes、Donald Siegel作品、1961年)を観た。
McQueenが出世作『荒野の七人』より後に撮った作品。
James Coburnも共演している。
満足度……★★★

『ギルバート・グレイプ』(原題:What's Eating Gilbert Grape、Lasse Hallstrom作品、1993年)を観る。
Gilbertの知的障害をもつ弟を演じたLeonardo DiCaprioがアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされた。
これも以前観ている作品。
満足度……☆☆★
 

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